天御柱学院へ

なし

校長室

蒼空学園へ

第2回新ジェイダス杯

リアクション公開中!

第2回新ジェイダス杯

リアクション

 

第1ターン

 
 
『レディー……ゴー!!』
 出発の合図の花火が上がった。スタート地点に集まっていた選手たちが、一斉にスタートする。
『さあ、各選手一斉にスタートしました。
 先頭を切ったのは、秋月葵選手です。
 風術を駆使して一気に追い風に乗りました。おっきなハミングバードが、すれ違い様に華麗に新ジェイダス人形を拾います。
 ダントツぶっちぎりです。これは凄い。
 
 2番手は、コハク・ソーロッド選手です。
 ライド・オブ・バルキリーを使ってペガサスごと加速します。手をのばして新ジェイダス人形を拾ってさらに加速です』
 
「何か光った!?」
 進行方向に何かを感じて、コハク・ソーロッドがわずかにワイルドペガサス・グランツの羽根を動かした。さすがに、扱い慣れている。
 
『おおっと、コハク・ソーロッド選手、華麗にロールして何かを避けたあ。どうやら、コースに張られていたナラカの蜘蛛糸を回避した模様です』
 
「なんということです。でも、次の人も避けられるとは限りません!」
 14ブロックで、誰かが自分の罠にかかるのを楽しみにしていた笹野朔夜(笹野桜)が悔しがった。いざとなったら奥の手だと、張り巡らせたナラカの蜘蛛糸の端をしっかりと握りしめる。
 
『三番手は、小鳥遊美羽選手です。豪奢な旧ジェイダス人形を拾います。おおっと、人形を拾ったSインテグラルナイト、代わりに持っていた冷凍マグロを第13ブロックに放出しました。マグロが、宙に浮かびます!
 それに続く四番手は、エリシア・ボック選手です』
 
逃しはしませんわ
 手をのばして、旧ジェイダス人形の羽根飾りを掴むと、エリシア・ボックが箒の後ろにロープで縛りつけた。
 
『こちらも、あえて旧ジェイダス人形を拾います。
 華麗に疾走する各選手の後は、多くの選手が横一線にならんでジェイダス人形地帯を目指します』
 
「頑張れー」
 ジェイダス人形群近くで、男性チアガール隊に混じって綾原さゆみとアデリーヌ・シャントルイユが声援を送った。
 
『五番手につけるのは、ソア・ウェンボリス選手、フォン・ユンツト著『無名祭祀書』選手、佐々木弥十郎選手と、団子状態で抜きつ抜かれつしています。ティー・ティー選手とイコナ・ユア・クックブック選手の月見うどんコンビも仲良くならんでいます』
 
「ヒャッハァ〜。先手必勝だぜ!」
『南鮪選手、機晶アクセラレーターで一気に勝負に出ましたが、前方のグループに阻まれて前に出ることができません。
 
 続く11番手のグループは、ハーリー・デビットソン選手、天城一輝選手、小ババ様選手ですが、おおっと、ハーリー・デビットソン選手、後部から何か黒い液体を盛大に噴出している。これは、オイル漏れか!? 第8ブロックの空域が、大量のオイルで汚染されました。これは、後続の選手に大きく影響するか?』
 
「スタートは、順調というところか」
 新型飛空艇のデータ取りをしながら、天城一輝がオイルをぶちまけるハーリー・デビットソンから少し距離をとった。
 
『14番手には、クリスティー・モーガン選手とノーン・クリスタリア選手が続きます。
 
 さあ、16番手です。こちらも、大集団となっております。緋桜ケイ選手、悠久ノカナタ選手、真名美・西園寺選手、ジャジラッド・ボゴル選手、神戸紗千選手です』
 
ふわふわタイム開始します
 真名美・西園寺が、掌から忍び蚕の糸を散らした。第6ブロックに、見えない糸が広がる。
 
「時よ、跳べ!」
 緋桜ケイが、タイムウォーカーの特殊能力を使って時間を無視した高速移動に入った。だが、真名美・西園寺の忍び蚕の糸に気づいて制限時間内に思うように前に進むことができなかった。
何をしておる。それでダッシュしているつもりか?」
 突然横に現れた緋桜ケイに、悠久ノカナタが声をかけた。初手に勝負をかけても、効果が今ひとつではしょうがない。
 
『21番手は、コア・ハーティオン選手です』
 
「ほら、あたしが乗っかっているんだから、頑張ってしっかり飛ぶのよ!」
 コア・ハーティオンの上で、ラブ・リトルが激励した。
 
『続く22番手は雪国ベア選手、クナイ・アヤシ選手、源鉄心選手が固まっています』
 
「御主人の方が先に行ったか。よし、これから追いつくぜ」
 雪国ベアが、先行するソア・ウェンボリスの背中を見てつぶやいた。
 
「ティー・ティーもイコナも、張り切ってるなあ」
 同様に、源鉄心も、先行するパートナーたちを追いかけていった。
 
『25番手は、ベアトリーチェ・アイブリンガー選手と、クリストファー・モーガン選手がならんでいます。
 ベアトリーチェ・アイブリンガー選手、天馬の乙女を駆使してスタートダッシュを試みますが、まだあまりワイルドペガサス・グランツの扱いに慣れていないのか、思ったようなスピードが出せません』
 
「コハク君、凄い。こっちももう少し、頑張らなくちゃ……」
 同じワイルドペガサス・グランツなのに、あっという間に引き離されて、ベアトリーチェ・アイブリンガーが必死に手綱を引っぱった。