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最強アイドルへの道

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最強アイドルへの道
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リアクション

『エントリーナンバー17、デビューしてからも話題沸騰……ネフィリム三姉妹!!』
 パワードスーツ姿のセラフ・ネフィリム(せらふ・ねふぃりむ)が登場した。と、突如会場の後方から何かが飛び立った。あっと驚いた表情の観客の頭上すれすれを飛んでいくのは、エクス・ネフィリム(えくす・ねふぃりむ)ディミーア・ネフィリム(でぃみーあ・ねふぃりむ)だ。二人とも、航空ショー用の飛行可能な軽パワードスーツの機能を生かして華麗な飛行を魅せる。
 観客席の皆の頭の上を高速でフライパスするエクスは、スモークで航跡を描いていく。ディミーアはアクロバットな演武を見せつけるように空を飛んだ。ぎりぎりで視認できる速度のため、もっと全身をじっくり見たいと感じさせるようだ。ディミーアは焦らすように面白そうに飛んでいく。
 突然のパフォーマンスに驚きの表情を見せる観客たちの上を通り、エクスとディミーアはホールにゆっくり着地した。
『素敵な登場シーンでした!』
 理沙の言葉を聞きながら、赤いスーツのセラフを中心にエクスとディミーアを引き連れるようにして、理沙の前に立った。エクスは青いスーツで、緑のスーツがディミーアだ。三人の色鮮やかな衣装とパフォーマンスに、既に会場に与えたインパクトは十分だ。
『今日はどんなパフォーマンスを見せてくれるのかしら?』
「航空ショーのパフォーマンスを見せるわよぉ」
 中央に立ったセラフが応えると、エクスとディミーアがも頷く。
「何気に演目は久々よねぇ……二人とも、気張っていくわよん?」
 セラフが、プロデューサーである湯上 凶司(ゆがみ・きょうじ)と合図を取り合う。凶司は舞台裏で本番での演出を脳内でシミュレートしながら三姉妹の様子を見ていたのだ。
 セクシーガンマン風に長大なライフルを構えたセラフの合図で、ショーが始まった。
「よし、いっくよー!」
 全身をアピールしながら、エクスは高機動でダンスのような演武を披露した。ディミーアは高速でのエクストの空中交差をしながら、槍を構える。
 と、凶司の操作で色とりどりの風船が地面すれすれに放出された。ディミーアは同時に二つの風船を割るような巧みな連続で割っていく。割られたバルーンからは紙吹雪が舞い散る。その様子に観客は大興奮だ。
 セラフは、エクスとディミーアが飛び回るその合間を縫うようにして、曲撃ちを披露した。セラフの飛行しながらの行間射撃に、観客が湧く。
 エクスやディミーアの衣装を掠めながら、セラフの放った銃弾はバルーンを割っていく。
「おおおおおおおお!!!!!」
 飛び回るエクスの風圧で動いた風船を先読みし、バルーンを割っていくセラフに驚きの声が上がる。

 全ての風船を撃ち終えた三人は、舞い踊るようにしてステージに帰ってきた。そしてまた一列に並ぶと深々とお辞儀をした。三人に向けられる賞賛の拍手は、長い間鳴り止むことがなかった。