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魔女と傭兵と封じられた遺跡

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魔女と傭兵と封じられた遺跡

リアクション


エピローグ


「ミナホ! 無事か!」
 バンとミナホの部屋を開けて入る瑛菜。
「っ!?……っふぇ、ふぇいなしゃん?」
 部屋の中にはのんきにアイスクリームを食べているミナホがいた。
「あ、ミナホちゃん無事だったんだ」
 その様子を見て安堵するアテナ。
「んっ……どうしたんですかお二人共?」
 アイスを飲み込んでミナホが不思議そうな顔をする。
「いや……何もなかったならいいんだ」
 自分が狙われていたなどわざわざ言う必要もないだろう。……というよりミナホくらい間が抜けていると言っても仕方ないのが実際だ。
「アテナ達がいない間、何かあった?」
「んー……特には。村長としての仕事終わらせて、ラセンさんのところにお邪魔になって、村に来た観光客の方に村を案内して……」
「そして自分の部屋でアイスを食べてると。…………本当に平和じゃん」
 悪いことではないけどと瑛菜は言うが、自分たちが大変な目にあってる間にそこまでほのぼのされてるとため息の一つはつきたくなる。
「…………アイス食べます?」
「「……はぁ」」
 とりあえず色んな意味を込めて大きく息をつく二人だった。


「穂波。儀式の終わらせ方は見つかったのかの?」
 アーデルハイトは穂波の姿を見つけてそう声をかける。
「はい……現状役に立ちませんが、これは確かに儀式を終わらせる方法の一つだと思います」
 穂波は資料を手にそう答える。
「アーデルハイト様も粛清の魔女さんに接触は出来ましたか?」
「接触できたのは出来たんじゃがな…………正直判断が難しいの」
 村のためにどうするのが正解なのか。『粛清の魔女』としてのあれは確実に許されない存在だ。だが『ミナ』としての彼女は……。
「まぁ、保留といったところかの。今度の開校イベントにくるそうじゃから、そこでの様子で判断するのじゃ」
「ひとまず、あの都市でやるべき目的は達したと思っていいでしょうか」
「そうじゃの」
 穂波の言葉にアーデルハイトは頷くのだった。








「藤崎さん。ただいま戻りました」
 藤崎と呼ばれた男、ミナホに村を案内してもらった中年の男は声をかけた相手に優しそうな笑みを浮かべる。
「おや『団長』さん。お疲れ様です。首尾はどうですか?」
 藤崎の言葉を受け傭兵団『黄昏の陰影』の団長はその雇い主への報告を始める。
「最後の魔女は無事こちらが確保しました。今は目覚めておりませんが、じきに目覚めるかと」
「なるほど。最低限の目的は達したようですね。他にはなにかありませんか?」
「『器の魔女』の存在を確認しました。現在あれは『藤崎 穂波』と名乗っているようです」
「ほぉ……どうやら私の兄と何か縁があったようですね。……現在の繁栄の魔女が兄の娘であることを考えれば何も不思議ではありませんか」
 優しい笑みを崩さずに淡々と藤崎 陽(よう)――前村長の弟――は報告を受ける。
「そういえば、うちの娘達は役に立ちましたかな?」
「今はまだ力を扱うのに慣れていませんが……その才気は感じられました。すぐに力を自由に使うようになるでしょう」
 その報告に陽は少しだけ嬉しそうな表情を見せる。
「なるほど……あとは『正邪の角』を見つけ手に入れるだけですか。順調ですね」
「はい……憎き契約者たちを排除し、藤崎さんたちの組織が世界を管理する日も遠くないかと」
「私は別に契約者たちを恨んではいませんが……確かに彼らは邪魔ですからね。あなたたちの活躍を期待しますよ」



 遺跡都市最深部での争い。それは三者全てがそれぞれの目的を達する結果になった。




担当マスターより

▼担当マスター

河上 誤停

▼マスターコメント

リアクション「魔女と傭兵と封じられた遺跡」をお送りします。いかがでしたでしょうか。
今回はある種の前哨戦のような扱いになります。恵みの儀式を手に入れ、正体不明の最後の魔女を手に入れた傭兵たちとそれを雇う地球の組織。
彼らとどのような決着を付けニルミナスにどのような未来をもたらすか。それは皆さんのアクションにかかっています。

また、穂波の正体が傭兵たちにバレたため、今後は『穂波が力を使う』ことによるバッドエンドフラグの上昇はありません。

次回は音楽学校の開校イベント兼休日シナリオになると思います。
今回のご参加ありがとうございました。

▼マスター個別コメント