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空京センター街の夏祭り

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空京センター街の夏祭り

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【5】夜空に花咲く


 夏祭りの終わり。
 センター街を見下ろす位置にある公園で、六尺 花火(ろくしゃく・はなび)はテンションを爆発させていた。
「立ち込める火薬の匂い! 身体を震わす大音量! なによりもば・く・は・つ!」
 この発言から察しの通り、テンションが花火級にぶっ壊れてる少女である。
 もっと近場で打ち上げる予定だったが、彼女が近くにいると街が危ないと言うタレコミがあり、ここになった。
「ひゃっはー! もっとだもっとうちあげるんだええーいわたし……うきゅ?」
「鎮まれ、ボム娘」
 玉屋 市朗兵衛(たまや・いちろうべい)の手刀で芝生に倒れる花火。
「こいつを放っておくとこの場で自爆しかねんからな……、おまえたち、ふんじばって木に括り付けておいてくれ」
 従者のヤンキー達に指示を出し、自作の花火をセッティングしていく。
「祭りは楽しく安全に。最後のチェックぬかりはないね、おまえたち」
 かつて江戸にて鍵屋と人気を二分した玉屋の花火。
 現代の技術を習得するのに大分時間がかかったが、花火職人の英霊、市朗兵衛……堂々の復活だ。
「新生玉屋、花火ショップ『火の華・流星店』の初仕事だ、派手にいくよ!」
 点火。夜空に次々に登る花火……大輪の花々、地上を明るく照らし、センター街を色とりどりに染め上げる。
 花火の下、男尻神輿バトルの表彰式が行われている。
 得られたものは『センター街でデカイ顔が出来る権利』以上に、各々の胸の中にあることだろう。
 惜しくも破れた冒険屋のレン・オズワルドはこのあとの打ち上げの参加者を呼びかけている。
「良い汗もかけたことだし、美味い酒が飲めそうだ。参加出来るヤツはこっちに集まってくれー」
 また、幸せそうな男女……レオンハルト・ルーヴェンドルフ橘ニーチェの姿もある。
「奇麗ですねー……」
「俺はもっと奇麗なものを知っているぞ?」とレオンは抱き寄せ「今日一日、楽しかった。また遊ぼうな」
 そっと頬に口付けると、みるみるニーチェは赤くなった。
「あああもう! だから! 人前で何をするですか!」
 頬をイタズラつぽく膨らませたあと、ニーチェはそっとレオンと手を繋ぐ。
「……もう。また誘って下さいね?」
 また、あるところには独り花火を見上げる椎名真……いや椎葉諒の姿もあった。
『なかなか楽しいお祭りだったねー』
「……その、なんだ……ありがとよ」
『へ?』
 なんだか今、かなり諒っぽくない台詞が聞こえたような……、真は目はパチクリさせた。
『よく聞こえなかったんだけど、もう一回言ってもらってもいい?』
 すると、諒はむずがゆそうな顔で舌打ちした。
「……何も言ってないぞばーかばーか! 有り金全部でプリン買ってやる畜生!」
『え、ええー、なんでだよ〜』
 そして、アゲハ達の姿もある。
「あー遊んだ遊んだ」
 夜空を見上げながら神守杉アゲハは言った。
「このあとどーする? クラブとか行く? それともカラオケ? ギャルサーの子も来るって」
 焼きそばを食べていたJJ王大鋸は、まだ遊び足りない彼女の様子に顔を見合わせる。
「……アゲハさん、元気ですねぇ」
「俺様たち神輿バトルでもうクタクタだぜ……。打ち上げなら明日にしようぜ、明日によぉ……」
「……まったく、デカイ図体して情けねーなぁ。折角の夏なんだからとことん楽しまなきゃ損じゃん?」

担当マスターより

▼担当マスター

梅村象山

▼マスターコメント

マスターの梅村象山です。
公開が遅くなってしまい、申し訳ございません。
また、本シナリオに参加して下さった皆さま、ありがとうございます。

割りかし自由な夏祭りシナリオ、如何だったでしょうか。
個人的には、懐かしの未登録NPCを描ける機会になってちょっと嬉しかったです。
しかも、出す予定のなかったあの空賊シリーズのキャラまで書けましたしね(笑)

男尻神輿バトルはご覧のような結果となりました。
皆さん、それぞれ個性的な方法でバトルに挑んでくれて、リアクションを書いてて楽しかったです。
最終的な勝因は……しいて言えば全体的なバランスでしょうか。
判定としては、第1、第2のチェックポイントをきちんとクリア出来ているかがまずひとつ。
第1は時間的なロスにもなりますが、体力的なロスにもなります。
第2はもっと凶悪でクリア出来ないと攻撃を受けたり逮捕されて、リタイアになってしまいます。
それから、それぞれの妨害アクションの兼ね合いにおいて、適切な対処が出来るメンバーがいるか、です。
以上の点から、判定して優勝チームを決定した次第です。

今後のシナリオ公開は決まり次第、マスターページで告知させて頂こうと思います。
それではまた、別のシナリオでお会い出来る事を楽しみにしております。