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【2021修学旅行】血の修学旅行

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【2021修学旅行】血の修学旅行

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第6章 導かれし者たち

「ここは……?」
 浦安三鬼は、目を覚ました。
 シボラのジャングルである。
 ラゾーンのただ中に、生徒たちは倒れていた。
 全員が、全裸である。
「うーん。あら? せっかくお宝をゲットできたと思いましたのに、残念です」
 藤原優梨子(ふじわら・ゆりこ)も、意識を回復させて起き上がり、首をかしげて、ため息をついている。
「あ、あ。オレたち、夢をみていたのか?」
 天空寺鬼羅(てんくうじ・きら)も、ぽかんとしている。
 頭に被っていたはずのパンツも、どこかに消えてしまっていた。
「直斗。みんな、目を覚ましましたよ」
 獅子神玲(ししがみ・あきら)が、いった。
「あ、ああ。でも、玲さん、何で下向いてるんだ?」
 飛騨直斗(ひだ・なおと)が、自分にもたれかかって、顔を押しつけるようにしている玲のふるまいに、ドキドキしながらいった。
「だって、みんな、全裸ですから。恥ずかしくて、みられません」
 玲の顔は、真っ赤になった。
「そ、そうか。でも、まあ、もうすぐ服を着るって。それまで、その、俺の胸に顔を埋めていろよ。なっ」
 直斗は、胸のうちに興奮がわきあがるのを感じながら、もたれかかっている玲の身体を、思いきってぎゅっと抱きしめた。
 この修学旅行で、はからずも、玲とこのような時間を過ごせるとは、直斗にとっては僥倖の至りだった。
「珍しいな、金鬼の娘のあの態度」
 藤原千方(ふじわらの・ちかた)には、玲のいつもと違うふるまい方が不思議なものとしてうつった。
「ああ、そんなことよりも! 古代のパンツはこのとおり、大量に発掘したが!!!」
 千方は、苦労して発掘した古代のパンツを山を前に、イライラした口調で呟いた。
「パンツとは、結局、女性が恥ずかしげに履いていなければ、意味がないのだ!! ええい、かくなるうえは、履かせてやる!! ほれ、エリカ、立つのだ!!」
「うん? あらー」
 千方は、寝ぼけているエリカを立たせると、その腰に古代のパンツを履かせてやった。
「はー。砂が入ってて、ちょっと痛いです」
 エリカは、寝ぼけまなこをこすりながらいった。
「よいな。そういうコメントが萌えるのであるぞ。ほれ、三二一も」
 千方は、三二一も立たせると、古代のパンツを履かせてやった。
「なに、これ!? ブカブカ!! やばいものがみえちゃうじゃないの!!」
 三二一は、顔を真っ赤にして股間を隠そうとした。
「うん、そうだぞ、ある意味、チラリの極地!! 男子に鼻血を吹かせて悶絶させることが可能なのだ」
 千方は、満足げに三二一の痴態を眺めて、いった。

「はーい。それでは、帰りますわよ」
 崩城亜璃珠(くずしろ・ありす)の合図とともに、生徒たちを乗せたバスが出発し、シボラのジャングルからの帰路についた。
 生徒たちはみな、ぼんやりとしている。
「本当に夢だったのですか? 全部? 遺跡の中の闘いなどは、なかったというんですか?」
 風森巽(かぜもり・たつみ)は、記憶を取り戻し、また、ゲゲの腕輪を外すことでもとの話し方に戻ってもいたが、帰りのバスの窓から、次第に遠くなっていくシボラの光景をみやりながら、そう呟かずにはいられなかった。
 そのとき。
「ふふふ。巽様。その腕輪、不思議な光を放ってますわね。行きも、そんな風に輝いていたでしょうか?」
 何かを知っているらしい秋葉つかさ(あきば・つかさ)が、含み笑いを浮かべながら尋ねた。
 つかさのいったとおりだった。
 風森のゲゲの腕輪は、自ら、不思議な光を放つようになっていた。
 どうしてそうなったのかはわからない。
 だが、風森は、腕輪の光をみつめるうちに、全ては現実に起きたことであり、崩れゆく遺跡の中で、パンツァーの奇跡の力で全員無事に帰還できたのだと、思わずにはいられなかったのである。

担当マスターより

▼担当マスター

いたちゆうじ

▼マスターコメント

 またお休みの時期が近づいてきた、いたちです。
 今回のシナリオ、楽しんで頂けたでしょうか?

 遺跡の中の邪神は、敢えて名前を出しませんでしたが、実は旧支配者の眷属のひとつに過ぎない存在で、そんなに強い力はなかったりします。
 パンツァーについても、旧神寄りの存在であるという以外は明らかになっていませんね。

 また、いつか、古代の神秘や神様を扱ったシナリオをやってみたいと思います。
 それでは、参加して頂いた方々、ありがとうございました。