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シャンバラ一武闘大会

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シャンバラ一武闘大会
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準決勝対戦表

 
 
『さあ、いよいよ大詰めです。準決勝が始まります』
 
大神御嶽 …… 立川るる
樹月刀真 …… フォン・ユンツト著『無銘祭祀書』
 
 
準決勝第一試合

 
 
『準決勝第一試合は、謎のカードバトラー、立川 るる(たちかわ・るる)選手。
 対するは、イルミンスールの陰陽師、大神 御嶽(おおがみ・うたき)選手です』
「デュエル、スタートだよ!」
 いつものように、立川るるがオシャレコンジュラーカードをセットした。
「フラワシですか。でしたら戦いようも見えますね」
 立川るるの後ろに立つノーホエアマンを見鬼で看破した大神御嶽が言った。
「我、求むるは清浄なる大気。妖しにあっては、滅。真を持って実となす!」
 大神御嶽が、フラワシにむかって呪符を投げた。
「きゃあああ、ノーホエアマンが!!」
 いきなりフラワシを消されて、最大の攻撃手段を封じられた立川るるが引きつる。
「さあ、どうします、降参しますか」
 大神御嶽が、立川るるに訊ねた。
「べ、別に、まだまだカードはあるんだもん」
 そうは言うものの、今持っているカードはただのカードである。
「ドロー。ファイア!」
 立川るるが、一応カードを引きつつも普通の火術で攻撃してきた。
「炎扇、追舞!」
 大神御嶽が、呪符で飛んできた火球をすくい取って投げ返す。
「あちちち」
 あわてて避けるも、飛び散った炎を少し浴びて、立川るるが必死に火の粉を払いのけた。
「こうなったら、もう……わーん!! お星様になっちゃえ!
 ほとんど破れかぶれに、立川るるがエコバッグを振り回して突っ込んでくる。
「万策尽きましたね」
 軽くそれを避けた大神御嶽が、ヴァジュラを構えた。光の刃が、その両端からのびる。
「えーい!」
 再び大上段から振り下ろされたエコバッグを、大神御嶽がヴァジュラで斬り裂いた。そのとたん、中に入っていた謎料理が零れて大神御嶽に降り注いだ。
「うわっ!」
 思わず、少し飲んでしまう。
「はううううう」
 ばったりと大神御嶽が倒れた。
「ふう、強敵だったわ」
 ほっとしたように、立川るるが言った。
『勝負ありました。立川るる選手、決勝進出です!』
 
 
第二試合

 
 
『さあ、準決勝第二試合。スライムと戦うかと思えば、真剣勝負での一撃にかける多彩なよく分からない男、樹月 刀真(きづき・とうま)選手の登場です。
 対するは、なぜかゴチメイホワイトのコスプレでここまでのし上がってきました今大会のナンバーワンコスプレイヤー、フォン・ユンツト著 『無銘祭祀書』(ゆんつとちょ・むめいさいししょ)選手です』
「ここまで来たんだ。勝つ。それだけだ」
 樹月刀真が、シンボルであるネクタイをしっかりと締めなおした。予備の白の剣と黒の剣の二刀流で身構える。
我が術に耐えられるか? このゴチメイホワイト二世を恐れぬなら、かかってくるがいい」
 すっかりその気にまでなってしまったフォン・ユンツト著『無銘祭祀書』が、勝手にゴチメイを名乗って樹月刀真選手を挑発した。
「いや、それって、ここで俺に負けなかったとしても、後で絶対酷い目に遭うぞ……」
 敵のことながら、思わず樹月刀真がこの後のことを心配してしまう。
「心配なら、自分のことを心配するのだな。破滅と共に闇は訪れん
 フォン・ユンツト著『無銘祭祀書』が、闇術を放った。素早く動いた樹月刀真が、廃自動車を盾にして、術の効果範囲から逃れる。
 樹月刀真が、そのまま廃自動車を押してフォン・ユンツト著『無銘祭祀書』の方へ倒した。
 飛び散る破片を、フォン・ユンツト著『無銘祭祀書』がサイコキネシスで避けた。
がら空きだ!
 廃自動車を足場にして大きくジャンプした樹月刀真が、白と黒の剣を一気に振り下ろそうとした。
「貴様に、これが斬れるというのか!」
 そう言うなり、フォン・ユンツト著『無銘祭祀書』が、使い魔の黒猫たちを左右の手でつかんで猫シールドとして樹月刀真の前に突き出した。
「ひ、卑怯な!」
 思わず切っ先を引っ込めた樹月刀真が、バランスを崩して倒れ込む。もしもここでにゃんこを斬ったとあれば、この後一生漆髪月夜たちに言われ続けるに違いない。
「もらった! 雷帝招来!
 フォン・ユンツト著『無銘祭祀書』がサンダーブラストを放つ。直撃を受けた樹月刀真が半コゲになってひっくり返った。
「もらうぞ」
 フォン・ユンツト著『無銘祭祀書』が、するりと樹月刀真のネクタイを外した。
『勝者、フォン・ユンツト著『無銘祭祀書』選手、決勝進出です』