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海の都で逢いましょう

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海の都で逢いましょう
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●僕はいつだって

 閉会後。
 あれだけ賑わっていただけに、人がいなくなるとなんとも、寂寥感ただようビーチとなる。
 潮が満ち退きする音すら、寂しく聞こえるのはなぜなのか。
 寂しい、といえば中央に設置されていた特設ステージ跡も寂しい。撤収されたステージは、今ではただの資材の山だ。
 けれどそこに腰掛けて海に顔を向ければ、なにものにも代え難い光景が見られる。
 水平線に沈む太陽だ。ゆっくりと海の蒼さに溶けていく。
 平等院鳳凰堂レオは、黙って夕陽を眺めていた。副会長として今日一日、めまぐるしく過ごしたけれど、それらはすべて、この時間のためにあったのではないかとすら思える。
 なぜなら現在彼の隣には、設楽カノンの姿があるから。
 二人きりで、この魔法のようなひとときを過ごせているのだから。
「僕はいつだって君の味方だ。今までもこれからも、誰が敵になってもカノンのそばにいる」
 思わず彼の口を、そんな言葉がついて出ていた。楽しかったね、とか、美味しかったね、と、当たり障りのないことを言うつもりだったのだが。
 アハハハハ、とカノンは笑った。
「そ、そんな変なこと言ったかな……? ごめん、可笑しかった?」
「違いますよ」
 とん、と頭を、レオの肩にもたれさせて彼女は言った。
「……そんなこと、わざわざ言ってくれなくたって、知ってました」
 すっ、と彼の頬をなでたのは、カノンの吐息だったのか。それとも、唇だったのか。