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【特別シナリオ】全学最強決定戦!

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■予選 イルミンスール魔法学校 1

イルミンスール魔法学校では、
エリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)が、学生たちを見渡し、宣言する。

「イルミンの強さを見せるのですよぉ。
そのためにも一番強い人に頑張ってもらわないといけませぇん。
全力で戦いなさぁい!」

エリザベートの掛け声で、予選は開始となった。

リリ・スノーウォーカー(りり・すのーうぉーかー)は、
闘技場の隅で、ある作戦を実行しようとしていた。

落とし穴キットを使い、闘技場の隅に穴を作って隠れ、
その後、アシッドミストを会場全体に向かって放つ。
そして、サラマンダーをその中に放って、着火させる、という作戦であった。
「細工は流々なのだ」

リリの想定では、
これで、アシッドミストが燃料気化爆弾となり、他の契約者を全員、吹っ飛ばす、はずだったのだが。

アシッドミストを放って
サラマンダーを中に飛び込ませても、爆発するわけではない。

「何をやっているんだ?」
落とし穴の中からアシッドミストを放っているリリは、
相田 なぶら(あいだ・なぶら)にあっさりみつかってしまう。

「なに、爆発しないだと!?
ど、どういうことだ!
リリの計算では……」
リリは、落とし穴の中を覗き込まれてうろたえる。

「よくわからないけど、
卑怯なことをしようとする人は倒させてもらうよ」
「卑怯? これが魔法使いの勝ち方なのだよ。
や、やめたまえ、うわあああああ」

なぶらの攻撃にあい、物理攻撃に弱いことを自覚しているため、
リリは降参して、場外に出ていく。

「よし、まずは一人!」
なぶらは、応援席のパートナー、フィアナ・コルト(ふぃあな・こると)のことを振り返る。
(俺が勇者に近づくために、戦い続けられたのも、彼女のおかげなんだ。
だから、この戦いの決勝戦まで残って、優勝したら、俺は……!)

「いけー! なぶらー!
勝ったら焼肉ですよー!!」
フィアナは、パートナーを全力で応援する。

そこに、沢渡 真言(さわたり・まこと)が、
間合いを詰めて、鋼糸武器【憂うフィルフィオーナ】で攻撃を仕掛けてくる。
なぶらは、すぐに対応し、
光明剣クラウソナスで応戦する。
「イルミンスールの中で、近接戦を仕掛ける相手と戦うことになるとはね」
なぶらは、歴戦の魔術で応戦し、
真言の爆炎波を防ぐ。

「私も、私なりの戦い方をさせていただきます」
真言は、なぶらの剣の間合いを避け、
【憂うフィルフィオーナ】での攻撃範囲を意識して戦う。

「なぶらー!
一気に畳み込んでください!」
フィアナが、応援席で拳を振り上げる。

一方。
真言の幼馴染みであり、執事とご主人様の関係である、
三笠 のぞみ(みかさ・のぞみ)は。
普段のにぎやかな様子とは異なり、祈るように、静かに、大切な人を応援していた。

(信じてるよ、真言。
真言が、全力で頑張ってくれてること、あたしは知っているよ。
あたしの執事である真言が、
契約者としてできることを精いっぱいやろうとしていること、あたしは知ってるから)

のぞみの視線を背に、真言は、【憂うフィルフィオーナ】を握る手に力を込める。
(私にも、守りたい人がいるんです。
大切な場所があるんです。
そのためにも……!)

主君であるのぞみや、学校での平和な一時、大切な人たちとの暮らし。
自分の大切な者を、自分の手で守りたい。
そう、真言は決意していたのだった。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
そこに、大声を上げ、自らを鼓舞しながら、
ルイ・フリード(るい・ふりーど)が突っ込んでくる。
ルイは自在を両拳に纏わせ、構え、接近での打撃戦を挑んできた。

真正面からのルイの攻撃に、
なぶらと真言が一瞬、視線を交わし、同時に攻撃する。

なぶらの、歴戦の魔術と真空波による、波状攻撃と、
真言の、鋼糸で距離を取りながらの攻撃。
慎重な戦略で、ルイに着実にダメージを与えていく。

「ややこしい戦術は私苦手なんですよぉ!
いくら攻撃が来ようと、最後に立っていた者が勝ちのはずです!
すべて防いで、全員、吹っ飛ばして見せますよ!」

しかし、ルイは、それでも、真正面からの攻撃をやめない。
それは、相手が複数であっても同じであった。

真空波と鋼糸が、ルイの鍛え上げた筋肉を切り裂き、血が飛び散る。
しかし、ルイは全くひるむ様子を見せなかった。
むしろ、戦闘の高揚感に、打ち震えている様子だった。

「いいです、いいですよ!
こうして、皆さんと戦えること、本当にうれしく思います!」