校長室
【おとこのこうちょう!】しずかがかんがん! 後編
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■□■7■□■ 世界樹イルミンスールとエリザベート 一方そのころ、世界樹イルミンスールでは。 立川 るる(たちかわ・るる)は、 暗澹たる気持ちでいた。 (ひどいひどいひどい……。 るるはぺったんこなのに、エリ……校長先生はボンキュッボンだなんて、世界は不公平すぎるよ。 あっ、でも未来のるるはボンキュッボンでたっゆんかも! そうだよ、今のるるだって、まだ成長期なんだもん) 2020年の七夕に、るるは19歳になったのである。 (よく、高校生のころは地味だったけど、大学デビューとか、そういうのもあるよね! イルミンは大学ないけど。 そういえば未来のるるはどこにいるのかなぁ、うーん……るる家? 確かルルイエって、星辰の位置が揃うと浮上するんだよね。 何だか今回もお星様が打ち上がってたみたいだし、もう一度イルミンスールに戻ってみよう) ★☆★ こうして、現在・るるが、イルミンスールの切り株に近づいていくと、 そこにはエリザベートとアーデルハイト、そして未来・るるがいた。 未来・るるは、毒々しい格好のネクロマンサーになっていた。 エリザベートのナイスバディにショックを受けたのが原因である。 「ソーセージなんか食べる必要ないよ。 それよりもエリザベート! あなたをぶっ飛ばしてお星様にすれば星辰が正しい位置に揃う! そうすればぺったんこの波羅磯(ぱらいそ)、湖底都市るる家は浮上する! これで万事解決だもん!」 「何、わけのわからないこと言ってるですぅ!」 「エリザベートはアーデルハイトみたいなぺったんこ胸がお似合いだよ!」 「なんじゃと、お前だってぺったんこじゃろうが!」 「だいたいねぇ、あなた年頃のくせに、 カンガンガニのソーセージ食べるとか卑猥すぎるでしょ! そもそもそんなにスタイル良いのだって絶対何かおかしいもん。 その胸だって、どうせあんパンとか詰めてるに決まってるんだから!」 「ソーセージを食べることのどこが卑猥なんですかぁ! ソーセージはドイツ人の魂の食品ですぅ! あと、わたしの胸はあんパンじゃないですぅ! そんなに言うんならさわってみなさぁい!」 エリザベートは、未来・るるの手を引き寄せて自分の胸に押しあてた。 「たっゆん……たっゆんだよ! むきーっ!!」 その様子を見ていた現在・るるは慌てる。 「あれ? 体型変わってない……。 じゃなくて、えっ、何か痛い子になってない? 未来のるる。 波羅磯って何? そんな楽園いらないよ。 っていうか、後半のそれって単なる八つ当たりだよね? あぁ、校長先生をぶっ飛ばそうとしても、どうせやり返されるのがオチ……。 それならせめて、ここはるるの手で! そんなんじゃ、るるまで頭悪い子に見られちゃうからやめてぇーっ!」 「やーん、これで星辰が正しい位置にっ!」 現在・るるにぶっ飛ばされた未来・るるは、お星様になった。 ★☆★ 「はぁ、どうして未来のるるってあんな風になっちゃったんだろう。 今まで魔法とか超能力とか、そういうのにだけ打ち込んできたのに……。 はっ、もしかしてそれがいけなかったのかな。 もっと別の経験も積んだ方がいいのかも。 ん? これは……魔神の刻印?」 現在・るるは、未来・るるがいたあたりに落ちていたアイテムを拾い上げる。 「そっか、別の世界の自分を倒したから……。 よぉし。 るる、フェルブレイドになる! 今の自分を変えるんだから!」 「それって結局、ネクロマンサーに近づいとるんじゃなかろうか……」 アーデルハイトのツッコミは、現在・るるには聞こえなかった。