校長室
【おとこのこうちょう!】しずかがかんがん! 後編
リアクション公開中!
■□■5■□■ ソーセージと泥レス アルメリア・アーミテージ(あるめりあ・あーみてーじ)は、 ソーセージを探しつつ、泥レスでかわいい女の子や男の娘との絡みを楽しんでいた。 (ちゃんと静香ちゃんに元に戻ってもらわないと大変だものね。 でも、静香ちゃん以外にも宦官になっちゃっている子がいるのよね…… ソーセージの数足りるのかしら?) かわいいもの大好きなアルメリアは、 完全に状況を楽しんでいたが、ふと、気付いて妄想する。 (ソーセージを食べてる静香ちゃん……妙に色っぽいわよねぇ) 「な、なんだか、不埒なことを考えてる人がいる気がしますっ……ああんっ!?」 現在・エルシー・フロウ(えるしー・ふろう)は、 ソーセージをめぐる争いを止めようとしていたが、 アルメリアに押し倒された。 「た、食べ物のためにケンカをするのはよくないと思いますっ。 ものすごーく長いソーセージを作って、 皆で仲良くわけて食べてはいかがでしょうか?」 現在・エルシーは、まずはアルメリアを説得しようと、 持論を展開するが、アルメリアは妖しく笑う。 「うふふふ、かわいい子達といっせいに長いソーセージを食べられたら楽しいわよね?」 「えっとー、そのようなことを言ってるのではないのですが……!?」 現在・エルシーのツッコミは、アルメリアは聞いていない。 未来・エルシーは、その様子を見て、 現在の自分を助けようと割って入る。 未来・エルシーはスナイパーに転職して、レジスタンスとなり、 クールで現実的な性格になっていた。 「桜井校長との交渉材料として、カンガンガニを入手することが重要なのに、 泥レスなんかしてる場合じゃないわ!」 「うふふ、エルシーちゃん、未来もかわいい♪」 「きゃああああああ!?」 しかし、アルメリアは二人のエルシーをまとめて押し倒した。 「お待ちなさいなっ!」 そこに、現在・ロザリィヌ・フォン・メルローゼ(ろざりぃぬ・ふぉんめるろーぜ)が、 手に持ったカンガンガニのハサミで、アルメリアの服を切り裂く。 「ちょっ、やめ、やあんっ!?」 「おーほっほっほ! 百合百合展開で、このロザリィヌ・フォン・メルローゼの右に出るものはおりませんわーっ! せっかくですから、服をひん剥いて、裸で泥を塗りあいっこいたしましょう!」 「なんですって! かわいい子は全員ワタシのものよ!」 「あーれーっ!?」 アルメリアに引っ張られて、ロザリィヌのトレードマークの紙製ドレスが破かれる。 没落した貴族の娘であるロザリィヌは、公園で段ボール城に住んでおり、 伝統工芸レベルの紙製ドレスをまとっているのだった。 しかし、紙製なので、泥で濡れて破けやすくなっていた。 「うふふ、積極的な子は嫌いではありませんわ。 さあ、塗りたくって差し上げますわー」 「ひゃうっ、冷たっ!?」 「泥の冷たい感触が気持ちいいんですの? おほほ、素直になるといいですわ……」 「い、今のうちに逃げましょう!」 「そうね!」 アルメリアと現在・ロザリィヌから離れようとする二人のエルシーだったが、 がしい、と肩をつかまれる。 「そういえば、あなた方はまだお洋服がまるまる残ってますわね。 ちょっきんちょっきんするとよいですわーっ」 「同感ね!」 現在・ロザリィヌにアルメリアは同意して、二人のエルシーは服を切り裂かれる。 「きゃああああああ!? 蒼フロは全年齢対象ゲームですよーっ!?」 「それ別の人も言ってた気がするけど、何回強調してもいいと思うわ!」 ★☆★ こうしている間、 未来・ロザリィヌは、男性や男の娘のパンツにカンガンガニを放り込もうとしていた。 「おーほっほっほっほっ! 女の子にとっては桃源郷でも、男や男の娘や宦官にとってはこの沼は地獄ですわよ! もちろん、十嬢侍対策も用意しておりますわ! カンガンガニのハサミの上に被せる事ができるミニドリルを用意いたしまたわ! もがれるものがもう無いからと油断していれば…… イケナイ所を掘られて大変なことになるという算段ですわよ! おーほっほっほ!」 「ちょ、ロザリィヌさん!? きゃああああああああ!?」 「くっ、張角がいなくなったと思ったらこんな危険なカニを!」 現在・静香と、アルバ・フレスカは、 それぞれカンガンガニとドリルカニをけしかけられて逃げ惑う。 「ぬぉわははははははは! ジーク・ダークサイズ!!」 そこに、現在・青 野武(せい・やぶ)が、空気を読まずに現れる。 「キーアイテムであるカンガンガニの肉とソーセージを手に入れ、 未来の桜井静香に対して交渉権を握り、 パラミタ大陸征服の一歩として、 ヴァイシャリー放送局に番組を一つ手に入れようではないか。 この未来の我輩の開発した秘密兵器、 『対カンガンガニ用カニフォーク砲』を見よ! これさえあれば、カンガンガニなど恐るるには足らん!! ちょっと遠赤外線ヒーターに形が似ているが、 細かいことは気にしてはいかんのだ。 ぬぉわはははははははははははははははははは! ジーク・ダークサイズ!!」 ★☆★ しかし、一方そのころ、 ヴァイシャリースラムで、 ダイソウ トウ(だいそう・とう)以下他の幹部とは連絡が取れていないものの、 ダークサイズ再興、パラミタ征服を夢見て、 自営の修理工を営みながら地下室で謎の秘密兵器という名の益体もないアイテムを作り続けている 未来・野武は、首をかしげていた。 「はて、ここにカニフォーク砲があって、 修理を頼まれておった遠赤外線ヒーターがないとは。 これはいかなることかの」 ★☆★ 再び、沼地にて。 「きゃあああああ、助けてー!!」 「いやああああ!?」 現在・静香とアルバ・フレスカが逃げ惑う横で、現在・野武は、 遠赤外線ヒーターを振り回し続けている。 「ぬぉわははははははは! 我輩の周りにはカニがまったくよってこんわい! さすが、未来の我輩の発明であるな!」 遠赤外線ヒーターの熱をいやがって、カニが寄ってこないだけだったが、 結果的に助かっている現在・野武であった。 ★☆★ 「やめてくださいです。静香せんせ〜をなおすことからかんがえようです!」 現在・ヴァーナー・ヴォネガット(う゛ぁーなー・う゛ぉねがっと)は、 二人のロザリィヌや、アルメリアを止めようと話しかけていたが、 聞いてもらえないので、 実力行使に出ることにした。 「あぶないです、やめてくださいです!」 現在・ヴァーナーは、現在・ロザリィヌに後ろからハグする。 「ぐはっ、あばらが折れますわーっ!?」 しかし、思いっきり力を入れていたため、ベアハッグとなってしまった。 「静香さまのためにソーセージを……」 外見11歳のまま、パラディンとしてめちゃくちゃ頑丈に成長して、 宦官の手先の洗脳兵士になった未来・ヴァーナーは、 重装備で泥に沈みながら、騒ぎに突撃してきた。 「あっ、このままでは現在のわたくしと同じ運命ですわっ、ぐふっ」 「にがさないデス」 未来・ロザリィヌは、未来・ヴァーナーをよけようとしたが、 捕まってしまった。 「こんなきけんなことはやめないとです!」 「静香さまのためにソーセージを手に入れるデス」 「は、放しなさいっ、わたくしは泥レスを……」 「わたくしは男と男の娘と宦官を滅ぼしてやるのですわーっ!」 二人のヴァーナーは、二人のロザリィヌに抱きついて、 アルメリアと二人のエルシー、現在・野武ごと泥に沈む。 「やあん、かわいい子達とくっつくのはいいけど、泥に沈むのはいやー」 「お、落ち着いてくださいヴァーナーさんっ」 「ソーセージを手に入れる計画が……」 「ぬぉわははははは、がぼがぼがぼ」 こうして、一行は、未来・ヴァーナーの鎧の重量で、沈んでいくのであった。 ★☆★ 「あらあら、皆さん沈んでしまいましたわ。 でもまあ、これで、余計な勢力が減って、 大ラズィーヤ様の支配がゆるぎなくなるというものですわね」 泥レスの状況をこっそり傍観し、未来の自分を介して、 ラズィーヤに中継を行っていた現在・ジュリエット・デスリンク(じゅりえっと・ですりんく)は、 その様子を携帯の動画で撮影する。 「大ラズィーヤ様、過去のわたくしから中継ですわ」 「うふふふ、皆さん楽しんでらっしゃるようで、よかったですわね。 カニから逃げ惑う過去の静香さんもかわいいですわ☆」 現在・ジュリエットの中継で、未来・ジュリエットはラズィーヤに報告している。 泥レスの様子を高台から楽しむラズィーヤであった。 未来・ジュリエットは、ラズィーヤからの特命が下ったら従うよう、 現在の自分に指示を出している。 (策を廻らすのはラズィーヤ様のお仕事。 わたくしどもはそのお手伝いをするだけですわ) ★☆★ 「ジュリエットさん!? 見てないで助けてー!」 「みっともないですわよ、静香校長。 そのくらい、ご自分でなんとかなさったらいかが? 大ラズィーヤ様を楽しませる余興なのですから、 もっと派手にやってくださらなくてはつまりませんわ」 「何言ってるのー!?」 現在・ジュリエットは、現在・静香の様子を、クールな視線で撮影し続けるのであった。