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8.同好会の日常

 部室は二分の一が更衣室に、残りのまた二分の一をお菓子に占拠されていた。

 りをはクッキーを美味しそうに食べながら、篤子の声を聞いていた。
「わたくしは聞いておりません!」
 りをからもらったお菓子を食べながら、京はぶつぶつと文句を言う。
「全く、呆れた人なのだわ。どうせ優勝できないくせに」
「でも蒼空学園でやるんだから、蒼学生限定だって分かるでしょう?」
「分かりません!」
「あ、ちょっと動かないでよ。ヤチェル」
 叶月はようやく戻ってきた平穏な日常に安心していた。
 最初は広く思えた部室も、今では狭く感じられる。……実際、足の踏み場は四分の一しかないが。

 カーテンが開かれ、お揃いの服を着た篤子とヤチェル、ルカルカが現れた。
「見て見て、お揃いにしてみたんだけど」
 と、ルカルカが京とりをの方を見る。
 淡い水色のブラウスに、雪のように白いふわふわのスカート。
 篤子は白いラインの入った萌黄色の、ヤチェルは同じく桜色、ルカルカは藤色のネクタイをつけていた。
「邪魔するでぇ」
 ふいに扉が開かれたかと思うと、雪華がどりーむとシャーロットを連れて立っていた。
「ウチらはツインテール同好会や!」
 一同が彼女たちを見る。
「ツインテールとショートカット、どっちが可愛いか勝負や!」
 ヤチェルは興味がわかなかった。
「そうだ、二人も着てみる? ネクタイはないからリボンになっちゃうけど」
 と、京とりをへ言う。
「おい、聞いとるんか!」
 怒る雪華に構わず、ヤチェルはルカルカへ二人を連れていくよう促す。
「そんなことよりも、まだ話が途中です!」
 と、篤子。ヤチェルはカーテンを閉めながら答える。
「え? まだあったのー?」
「おい! こっちの話も聞けや!」
 すると、やってきたソールが雪華たちを見て言った。
「やあやあ、お嬢さん方。何か用かい?」
「ツインテール同好会や! 勝負せえ!」
「ツインテール?」
 ソールは彼女たちをじっと見つめると、
「なるほど。では、この俺がじっくり話を聞いてあげるよ」
 と、ツインテール同好会を外へ誘い出す。
 ソールに付いてきた翔もまた、その後を追って行ってしまった。
「分かった、次はシャンバラ教導団でコンテストを開きましょう」
「それでいいのです! 絶対にですよ? 裏切らないで下さいよ?」
 更衣室からそんな声が聞こえると、ヤチェルが篤子と一緒に外へ出てきた。
 タイミング良く、勇と里也が仲良く話をしながら部室へと入ってくる。
「うわぁ、何これー?」
 勇は大量のお菓子を見て目を丸くした。
 里也は構わずにヤチェルの元へ来ると、一冊の本を差し出す。
「完成したばかりです」
 それは『蒼空学園版ショートカット少女図鑑』だった。
 受け取ったヤチェルが、嬉しそうに笑顔を浮かべる。
「ありがとう!」

担当マスターより

▼担当マスター

瀬海緒つなぐ

▼マスターコメント

みなさん、お疲れ様でした。

なるべくアクションを採用する方向で書いたのですが、いかがでしたでしょうか?
一部を除き、いくつかのシーンにまたがって登場しているキャラがいますので、よくお読みください。

『蒼空学園版ショートカット少女図鑑』は、希望者に渡されたものとします。
アイテムにはなりませんので、自由設定にでもお書きくださいませ。
称号は一部の方にのみ、送らせていただきます。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。