蒼空学園

リアクション

■雪合戦ヒャッハー

さらに、そこに。
機会を伺っていた
秋月　葵（あきづき・あおい）が現れる。

「やるからには全力全開だよ！」

まず、自分の陣地を作り、
ブリザードで周囲の視界を悪くして、
ホークアイや殺気看破で視界の悪さをカバーしながら、
部下のＤＳペンギン達は陣地内で雪玉作りや援護射撃を担当させるというのが、
葵の作戦である。
いざというときは、両肩の使い魔のネコたちをシールド代わりにするつもりもあった。

葵の魔法で、氷の嵐が吹き荒れて、その場はさらに混沌を呈した。

葵のパートナーの
魔装書　アル・アジフ（まそうしょ・あるあじふ）は、
防寒服姿に、頭に使い魔の子ネコといういでたちである。
「暑いのも寒いのも苦手ですぅ」
両手に息を吐きかけて、手袋をしてもかじかむ手を少しでも暖めようとする。
アル・アジフは、
雪が珍しいので館内で遊んでいたのだが、
無理やりイベントに参加させられたのだ。

「スキルありの雪合戦なんて聞いてないですぅ……」
葵と一緒に陣地を作らされた後は、
ＤＳペンギン達と一緒に雪玉を作ったり、恐る恐る投げたりしているのだった。

さらに、葵のパートナーの
イングリット・ローゼンベルグ（いんぐりっと・ろーぜんべるぐ）は、
焼肉食べ放題を条件にヒットマンとして葵に雇われていた。
白黒カラーの全身パワードスーツ『とらスーツ』とフラワシ『フレイム・タイガー』で大暴れする。
「わいるどに咆えるにゃ！」

陣地に篭っている葵達の代わりに本能のまま雪玉を持って走りまくり、
ミラージュで分身を作って叫ぶ。
「秘技！　分身の術にゃー」

「こちらも、負けるわけにはいきません！」
「そこまでガチで来るとは……！」
エリセルとクロセルがイングリットに反撃する。

しかし、飛んでくる雪玉は、パワードスーツの機動力でかわしたり、
焔のフラワシでブロックするイングリットだった。
「恨みはないが焼肉の為に死んで欲しいにゃー」

「そんなにアイテムを使うなんて、なんて大人気ないんですか！」
憤るクロセルに、
「人の事、言えるのかよ……」
皐月がつぶやいた。

「俺だって、心友のジョセフ氏のため！
必ず優勝してみせます！」
クロセルも、電磁ヨーヨーで雪玉から身を守る。

「葵が優勝したら、雪だるま王国饅頭一年分を貰ってもらうにゃー！」
イングリットは、よだれをたらしながら、さらに猛攻を続ける。

さらに、葵は空飛ぶ魔法↑↑で上から雪玉爆撃を行おうとする。

「これでトドメ〜♪」


そこへ、銃声が轟いた。

ヒ


ャ


ッ


ハ



｜


！
！



如月　夜空（きさらぎ・よぞら）が、
二挺拳銃とファイアヒールで雪玉の代わりに鉛玉をばら撒いたのである。
さらには、テロルチョコおもちをぶん投げて辺りをところかまわず爆破している。

「ぎゃあああああああああああああああああああああ！？」
「うにゃああああああああああああああああああああ！？」
「きゃあああああああああああああああああああああ！？」

ぶっ飛ばされる、クロセルやイングリット、エリセルだが。

「きゃーっ、きゃーっ、きゃーっ！？」
アル・アジフがパニックになってシューティングスターを連射した。

「なんだか外が騒がしいデスネー……グフウ！？」
ジョセフのかまくらにもシューティングスターが直撃した。


そうしていると、
マイト・オーバーウェルム（まいと・おーばーうぇるむ）が、
バーストダッシュで雪玉を転がして迫ってくる。

「特攻隊長必殺！　超巨大雪玉をくらぇええええ」

「な、あいつ、何考えてるんだ！？
「明らかに危険じゃないですか！？」
皐月とアル・アジフが慌てる。

「ヒャッハー！ヒャッハー！ヒャッハー！ヒャッハー！ヒャッハー！ヒャッハー！ヒャッハー！ヒャッハー！ヒャッハー！ヒャッハー！ヒャッハー！ヒャッハー！ヒャッハー！ヒャッハー！」

「ぎゃあああああああ、どうして俺を重点的に狙うんです！？」
クロセルは巨大雪玉につぶされ、
「オーノー！？　何が起こって……ゴハッ」
ジョセフもかまくらごとつぶされる。
「な、ヒャッハーでも出落ちでも負けな……ズブウッ！」
そして、夜空も巻き込まれる。

「えい」
そこで、葵は、上空から雪玉をぼすっとマイトの頭に落下させる。

「なにい！？」
「雪玉当たったから負けだよー」
マイトはそれで敗北した。

それで、騒ぎは収まったかに見えたが。
夜空のしかけたテロルチョコおもちの爆発のせいで、
マイトの雪玉と一緒に雪崩が発生した。

「ヒャッハーーーーーー！？
ド派手な展開になったぜええええええ！！」
当然、マイトたちは巻き込まれる。
「うわああああああああああ」
「きゃああああああああああ」
皐月とアル・アジフ、ぶっ飛ばされた者も、全員、雪崩に巻き込まれていった。

★☆★

「おお、私の王国が……」

建物の中の美央は、
悪の覇王っぽく建物ごと雪崩に巻き込まれていった。

「あ、あれ？」
かくして、空を飛んでいた葵だけが生き残り、優勝する。