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魔列車を襲う鉄道強盗

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魔列車を襲う鉄道強盗

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第三章 アジト、襲撃
「くそっ! このままじゃ列車に逃げられちまう」
強盗のリーダーはまたはぎしりをしていた。
「こっちも応援はこねえのか! はやくアジトの連中を連れてこい!」
「へい」
強盗の一人がアジトへ向かった。それを上空から見ていた人がいた。緋柱 陽子(ひばしら・ようこ)である。陽子は、曇天の隠気に身を隠し上空からアジトに向かった強盗を追跡していた。そして地上の人物に情報を送っている。
「透乃ちゃん、西です」
緋柱 透乃(ひばしら・とうの)はその情報に従い、西へ向かった。透乃の横には騎沙良 詩穂(きさら・しほ)がいる。二人は強盗団のアジトを探そうとしていたところ偶然出会った。
「詩穂ちゃん、西がアジトみたい」
「ありがとう、透乃ちゃん。一人だったらアジト見つけられなかったよ」
少しの時間が経ち、強盗はアジトへとたどり着いた。大きな二つの谷の間に強盗団のアジトがあった。
「まったく、暇で仕方ないな」
「ああ、連絡も来ねえし」
アジトには十人ほどの強盗が居た。彼らは暇を持て余し、ポーカーやブラフをして遊んでいた。そこに、応援要請の強盗が飛び込んだ。
「大変だ。早く来てく…うわぁっ」
透乃が、アジトへ突入した。
「うおおっ」
 強盗たちは銃を抜く暇もなく制圧されてしまった。後ろから陽子の鎖が飛び、透乃はそこにあったテーブルを彼らに投げつけた。トランプが舞った。
「逃げろ!」
 裏口から何人かが逃げ出した。しかし、裏口には詩穂がいた。詩穂は出てくる強盗をスタンガンで気絶させた。
「逃げられないよ!」
「やべ…」
「あ…なん…眠……」
スタンガンを逃れた強盗もヒュプノスの声の餌食となった。詩穂は次々に剛神力で彼らを縛り上げた。
「一網打尽だねっ☆」
「あんまり楽すぎて本気の出し方忘れそう…」
 まだ意識のあった強盗を透乃は見つけ、尋問した。
「さあ、リーダーはどこ?」
「リーダーはここにはいねえ」
「ということは列車のところにいるのね?」
「いや、もう一人いる。リーダーは二人だ」
 と、強盗は言った。