空京

校長室

選択の絆 第一回

リアクション公開中!

選択の絆 第一回
選択の絆 第一回 選択の絆 第一回

リアクション


エピローグ


ナラカの底――
アトラスの足元に広がっていた神殿群の深部にて、
『最初の女王器』が収められているとみられる聖櫃は発見された。


そして。


神殿群がナラカの底より浮かび上がり、
白く固まっていたアトラスの遺体はゆっくりと崩れ去った。
その白い粒は暗い闇の続くナラカにひらひらと淡く光を散らし、やがて消えていった。

代わりに、そこに立ち、パラミタ大睦を支えていたのはドージェ・カイラス(どーじぇ・かいらす)
契約者たちの友人だった。


「エギル・ソールズ、業魔……共に、ソウルアベレイターのようだ」

鋭峰は、地上へと帰還する機動要塞の中で自身の元へ届いた報告をまとめていた。

「滅んだ大睦の生き残り……冥府ナラカで“生き”続ける魂の逸脱者(ソウルアベレイター)、か」

(今回、我々を襲ってきたゴーストイコンについてだが、
 どうやら、アレは我々の“知らない大睦”の技術が用いられたイコンのようだ)

コリマがいつも以上の厳しい表情で続ける。

(このナラカ世界には無数の大睦が産まれ、滅び、そのサイクルを繰り返していると考えられる。
 途方も無い時間の中で、このパラミタと同様にイコン技術に似たものを産みだしていた大睦があったと考えても不自然ではないだろう。

 そして……
 ソウルアベレイターならば、それらを操り、ゴーストイコンのように動かす術を持っているかもしれん)

「――石原校長が死の間際に感じていた二つの勢力の一つは、
 ソウルアベレイターたちだということでありんしょうか」

実際に業魔と対峙したハイナは、わずかに表情を固くしていた。

「あれらの目的は一体……」
「エギルは、“最初のロゴス”がどうのと言ってたですぅ。私が“扉”だとも……。
 うざくてキモい酷い執念を感じましたよぉ」

未だ、額に奇妙なルーン文字が浮かんだままのエリザベートの横で、正子は神妙に頷いた。

「全てのソウルアベレイターがそうだとは限らぬが、
 彼らがパラミタを利用し、何かを行おうとしているのは間違いなかろう。
 
 彼らには、ゲルバッキーにあったような異常な執念と強固な意思を感じる。
 パラミタ大睦やそこに住む者の命など、無価値であるとするほどの。

 わしらには対抗策が必要だろう。
 強力で未知の力を持つ彼らの執念に押し潰されないため、
 パラミタを守る手段を得なければなるまい」

「それが……“最初の女王器”なのであろうか」


鋭峰は、この機動要塞に続いて
浮上し移動している神殿群イーダフェルトの方を見やった。
最初の女王器が収められた巨大な聖櫃は、そこにある。




イーダフェルト最深部。
水晶体の中に眠る巨大な装置の中には、
幻として現れた少女エルピスの身体があった。

幻のままのエルピスが言う。

『この“機動”神殿群イーダフェルトは私が産まれる遥か昔、
 パラミタ大睦に漂着したものが元となっています。

 古代ニルヴァーナの民によって調整され、
 私と同調を果たした今、イーダフェルトは私自身と言えるものでもあります。

 遥か昔のパラミタで、
 病にかかり死にいく筈だった私は、然るべき時まで自身の時間を止めてもらう事と引き換えに、
 イーダフェルトを守ると約束したんです……!』

「なるほど。であれば、このイーダフェルトこそが、君の言う古代の超兵器だということか」

ルドルフの言葉にエルピスは元気よく頷いた。

『はい!
 今はボロボロになってしまっていますけど、
 色々直せば、あんなことやこんなことなど、こう、す、すごいんです、私』

エルピスが恥ずかしそうに赤面しながら言う。

『あのソウルアベレイターな方々に弄られた時は、本当にもうどうしようかと思いましたけど……。
 皆さんに助けてもらってよかった。
 私、皆さんに恩返しするために一生懸命がんばります!
 は、恥ずかしいけど……私のからだ(イーダフェルト)でお返しを……!』

「その言い回しは直したほうが良いかもしれないな。

 ところで、このイーダフェルトを直すにしても、
 この神殿に使われている技術は我々に手出しできるものなのか?」

『あ、そこは大丈夫です。
 “ポムクルさん”たちが居るので』

「ポムクルさん?」

「なのだーーー!!」

疑問符を浮かべたルドルフの前に、小人ちっくなものが飛び出た。

『彼らは、イーダフェルトとセットの魔法生物で、
 修理や制御などを行なってくれます。

 ……随分と数が減っちゃったので今は大したことをしてもらえませんけど……』

「なのだー……」

「イーダフェルトをちゃんとした超兵器にするには、
 多くのポムクルさんが必要だと。

 増やすにはどうしたらいいんだい?」

『生活基盤が整っていれば、すごい速度で繁殖してくれます』

「ふむ……まず必要なのは、インフラということか」

微妙によく分からなかったが、
ルドルフは、ひとまずそんな事を言いつつ頷いておいたのだった。




ヴァイシャリー。

「……つまり、貴女たちは『光条世界からの使い』だということなのですわね?」

ラズィーヤの言葉に、
ヴァイシャリーを襲撃し、囚えられた光の女騎士(ヴァリュキュリア)へと言った。

「ヴァイシャリーを襲い、静香さんを狙ったのは、
 後に控えている“光条世界”側からの交渉が理由だとか」
「物事をスムーズに運ぶために、貴女を気持ちよく従わせられるものがあると良かったのだけど」

その言葉にラズィーヤは目を細め、笑み返した。

「“光条世界”の方って、思っておりましたよりゲスなお考えを抱きになられるのですわね」
「この世界の理に沿ってあげたのよ。
 でも……忌むべき者らが動き出しいる。次は違うわ。

 貴女たちは……必ず従わなければならなくなる。
 静常なる光条世界に」

ヴァリュキュリアの強い確信を持った言葉に、
ラズィーヤは、密かに背筋を震わせたのだった。


担当マスターより

▼担当マスター

蒼フロ運営チーム

▼マスターコメント

『蒼空のフロンティア』運営チームです。
『グランドシナリオ 選択の絆 第一回』のリアクションをお送りします。

今回のリアクションは以下のマスターが担当しています。

【1】イコン戦&イベント船:西里田篤史(プロット:森水 鷲葉)、森水 鷲葉
【2】神殿群「東側」:古戝 正規
【3】神殿群「西側」:燐音(プロット:古戝 正規)
【4】ヴァイシャリー:森水 鷲葉
【5】その他:村上 収束
 プロローグ・エピローグ:『蒼空のフロンティア』運営チーム
※特定の番号でかけられていても別の番号のアクションと判定され、そちらで描写される場合もございます。


 判定の結果、シナリオ全体の主な動きは以下のようになりました。

・【1】ドージェ、機動要塞、アウタナの防衛に成功した。
・【2】【3】エリザベート・ハイナを守り、“最初女王器”が収められた聖櫃を発見した。
・【4】ヴァイシャリーと桜井静香の防衛に成功した。
・【5】パラ実の新校長選に、マレーナ、ジークリンデ、アイリスが参戦することになった。
・【ペリフェラルシナリオ】より
  ゲルバッキーの計画阻止に成功、ゲルバッキーはほぼ無力化された。(【創世の絆】銀行強盗ゲルバッキー)
  インテグラルナイトのイコン化など、シャクティ因子を用いた開発が進められることになった。(【創世の絆】光へ続く点と線)
  東京に現れた『もう一つの地球』への道の防衛は成功、シャンバラ女王アイシャよりアナザー・アイシャが現れた。(【創世の絆】もう一つの地球と歪な侵略者)


今回ご参加頂いた皆様には記念アイテムと称号をプレゼントいたします。
記念アイテム、参加称号の配布、トトカルチョのゴルダ配布は4月30日(火)中までに行なわれる予定です。


次回グランドシナリオは5月中旬に開始予定となっております。
また、今回の結果を受けたキャラクタークエスト、マスターシナリオ、企画が公開予定となっております!

今後もグランドシナリオ「選択の絆」をお楽しみください!