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【血星石は藍へ還る】

 ジゼル・パルテノペー(じぜる・ぱるてのぺー)が悪しき武器商人オスヴァルト・ゲーリングの手に堕ちて一月。
 パートナーと空京の駅へやってきていた瀬島 壮太(せじま・そうた)は、ゲーリングが生物音響破壊兵器・セイレーンとして覚醒したジゼルを鏖殺寺院の幹部達へプレゼンテーションしようとする場へ居合わせてしまう。
 人々と友人ジゼルを救う為、(女装までさせられた)壮太は仲間達、そしてジゼルと契約したらしいアレクサンダル四世・ミロシェヴィッチ(あれくさんだるちぇとゔるてぃ・みろしぇゔぃっち)率いる『プラヴダ』と協力する。


 戦いの中で壮太は遂にゲーリングを捕獲したのだが、
 しかし背後からはセイレーンの歌で蘇った死んだ筈の鏖殺寺院の幹部らが、彼を襲っていた。
「さっさとジゼルを返せ!!」
 骨を折られ傷だらけになりながらもゲーリングへ拳を振り下ろすが、限界が迫りうわ言のように言葉を吐き出す。
「どうすんの、どうすんの俺。誰か助けてくんねーかな、いっそ俺も言ってみるか? 助けておにーちゃん! なーんて……」
 その瞬間、壮太の喉元目掛け噛み付こうとしていた死者の首が横にずれ、ずるりと地面に落ちた。開けた背景にあったのは首を傾げているアレクの顔だ。
「あ? 弟はいらねぇんだけど」
「ほんとにきた……」
 死者の首を次々落しながら平坦な口調で面白くも無いジョークを言う妙な男との出会いに、壮太は疲れた顔で笑うのだった。