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白銀の雪祭り…エリザベート&静香

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白銀の雪祭り…エリザベート&静香

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第1章 幻想的なパーティーのために・・・イルミネーションの準備

-AM12:00-

 樹齢数百年は経っていそうな大木の枝の上に立ち、真っ白な雪に覆われた白銀の世界を四条 輪廻(しじょう・りんね)は1人、不気味に笑いながら見下ろしている。
「ふむ・・・この辺がベストポイントのようだな」
 隣の木に飛び移るとゆさゆさ揺らし葉の上に積もっている雪を、先ほど立っていた大木の方へ被せるように落とす。
「こうすることでちょっとした雪山ができるのだよ」
 大木の姿が見えなくなるほど被せると、作り上げた雪山へと飛び移る。
 明け方が晴天の青空なら、頂点の位置からパラミタ内海が見えそうだった。
「まさかこんな時間から準備をしている人間がいるとは誰も思うまい・・・」
 さらにその上に大きな雪だるまを作った。
「これならばただの雪像に見えよう・・・ふむ、だがこれでは寂しいな」
 生徒たちを驚かせるような工夫をしようと、雪だるまをじっと睨むように見つめる。
「俺の技術と策略に度肝はーっくしゅん・・・それにしても寒はーっくしゅん」
 あまりの寒さにクシャミを連発させてしまう。
 四条は気温マイナス15度の寒さに耐えながら納得するまで手を加え、午後のパーティー開催前まで時間かかってしまった。

-AM9:00-

 パーティー用にイルミネーションをセッティングしようと、ルイ・フリード(るい・ふりーど)は重い機材を両手に抱えてイルミンスールの森へやってきた。
「照明器具の材料はこれで全部でしょうか?」
「それで全部のようだダディ」
 揃っているかチェックリストを見て確認し終えたリア・リム(りあ・りむ)がルイの方へ振り向く。
「向こう側はもうすぐで終わりますわ」
 湖面を囲ように立ち並ぶ木々に照明をセットしている崩城 亜璃珠(くずしろ・ありす)が、明かりを点けるために必要な配線コードを取りきた。
「街灯っぽいのもこの辺に欲しいですわね」
「でしたら行灯で代用するのはどうでしょう?」
「なるべく暖かい色彩がいいですわね」
「こんなのはでしょうか」
「いろんな形があるんですのね・・・」
 西洋風の丸い行灯の中を覗き込むとガラスの球体の周りに和紙の切り絵が張られていて、中の電球に雷術で電力を供給すると明かりが点く仕組みになっている。
「うーん・・・もう少しこうなんか・・・華やかな感じなのが欲しいですわ」
「夜空の星も十分キレイなイルミネーションになりそうな感じなのだよ」
「そ・・・それですわ!」
 リアの呟きに名案を思いついた亜璃珠は目を輝かせる。
「こんなにいっぱい背の高い木があるのですから、それを利用して夜空をイメージした照明を作りましょう!」
「たしかにこの高さなら出来そうですね。ここで料理している生徒たちの手元も明るく照らすことができますし」
「冬の星座とかがいいかもしれないなダディ」
 森の木々を見回すルイにリアが提案してみる。
「遠くの星を間近で見る感じになるんでしょうか?」
「うむ、定番なのはオリオン座であろうが・・・それだけではな・・・」
「ルビー色のアルデバランのおうし座や、ダイヤモンドのように輝くシリウスのおおいぬ座もありますわね」
「湖面の周囲はどうする?足元の照明もあったほうがいいとおもうのだよ」
「そうですわね・・・」
 首を傾げて言うリアに亜璃珠は口元に片手を当てて考え込む。
「―・・・アッパーライトとかあたりかしら?」
 亜璃珠は湖面を囲むようにライトをセットしていく。
「これだけ設置しておけば十分ですわね」
「上の方もできたのだよ」
「ふむふむ・・・ばっちりですわ!ライトアップが楽しみですわね」
 木々をつたうようにセットされた電飾をチェックし、彼女は満足そうに微笑んだ。



「普通のテーブルより、もっと工夫した感じにした方がいいですよね」
 フィル・アルジェント(ふぃる・あるじぇんと)はダンボールに詰めた氷の板をテーブル用に組み立てる。
「つなぎは・・・雪と水を混ぜて使いましょう」
 崩れないように接着代わり使い、指で雪を摘まみくっつける箇所に塗っていく。
「これくらいの厚みなら割れないはずです・・・」
 解けて割れない厚みの氷の板をコンコンと叩いて崩れないか確かめる。
 鍋の熱が氷へ届かないように予め用意していた鍋式をテーブルの上に並べた。