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・ゲーム終了


『ゲーム終了です!』
 朝日が昇っていた。
『今回の試合、攻撃側の勝利です。おめでとうございます!』
 ビジネス地区のスピーカーから声が響いてくる。
 それにしても、審判はどこから見ていたのだろうか。
『それでは、これにて解散です。お疲れ様でした。それにしても、いつ見てもシャンバラ宮殿から見る朝日はいいですね』
 シャンバラ宮殿からのようだ。
 そこはどのエリアからも見える、空京の次期シンボルだ。
 確かに、そこからなら街を一望する事は出来る。
 学生達に缶蹴りを楽しんでもらうとともに、審判である有海はいつもこの時を楽しみにしているのだろう。
 朝日に照らされる近未来都市の風景は、綺麗なものだった。

            * * *

「お疲れ、牛ちゃん……ごふっ」
 缶を倒した後、彼女達は満身創痍だった。
「円さん、なんだかフラフラしてますけど、大丈夫ですか?」
 と、そこへロザリンドが心配そうな顔をしてやってくる。
「段ボール巻いてなかったら危なかったかもしれないね……ぐぐ」
 コンクリートにぶつかった衝撃は相当なものだっただろう。口元からは赤黒いものがドバっと垂れている。
 
「朝日が綺麗ね」
 ドラージュの頭の上で、ランツェレットは日の出を拝んでいた。
「さ、帰って一緒に寝ましょうか」
 ティーレの頭をぽん、と撫でしばらく会話を楽しみつつ、帰るようである。


「さっきも食べたけど」
 ルカルカは公園に隠した籠を持ってきた。一緒に組んだ仲間と朝食にするつもりのようだ。
 ルース、クライス、ザカコがそこにいた。
「涼はもう少ししたら来るかな?」
 一人だけ、まだ別エリアだった。
「でも楽しかったね。こんなに白熱するなんて思ってなかったよ」
「ルカルカさんは言葉通り燃えてたじゃないですか。足が」
 振り返りながら談笑する。


「終わりましたね」
 刀真が声を発する。
「最初はただの缶蹴りかって感じだったけど……実戦演習どころじゃないよな。こんなに本格的に戦うとは思ってなかった」
 ルールの穴を突くところからゲームは始まっている、という点も含めて心理戦の要素も強かったのだ。
「遊びのレベルは超えてました。おかげで……お腹がすきましたね。チャーシューメンが食いたくなりました、皆で食べに行きましょうか。繁華街のラーメン屋ならこの時間でもやってるところはあるでしょう」
「だな。正悟君が戻って来たら行くとしようか」
 

 この日行われた缶蹴りの模様は、後日編集されたものが参加者全員に配られた。
 その映像を見た者達は、「え、こんなことやってたの!?」と驚きで目を見開いたという。それほど壮絶な戦いが、そこにはあったのだ。

 この缶蹴りは、その後も定期的に行われている。
 パラミタの学校に通うようになったら、一度参加してみるのもいいだろう。
 
 身の安全の保証は一切ないが。


(了)

担当マスターより

▼担当マスター

識上 蒼

▼マスターコメント

 ご参加頂きありがとうございます、識上です。
 お待たせしました、パラミタ式缶蹴りです。
 最初皆様のアクションを見た時、「ヤバい、これコメディにした方が良かったのか?」と思ったのですが、書いてみたら特にカオスな面はなく、普通にバトルしてます。なのでキャラ崩壊とかはほとんどないと思います、多分。
 実はゲストとして王 大鋸を出す予定でしたが、なんだか空気になりそうな流れだったのでカットしました。
 なお、今回配置希望出した方は全員希望通りになっております。

 今回はスキルの組み合わせによって多種多様な戦略を立てられるが、それをどう書くかが問われた内容だと思います。
 ただ、申し訳ない事にルールの解釈が人によってかなり異なっており、変に悩ませてしまったなと反省しています。
 ルールの穴をどれだけついてくるか、というのも今回の要の一つだったのですが……なかなか難しいものです。
 また、今回はアクション同士が常にぶつかり合う状態だったので、かなり判定に苦労しました。PC対PCのバトルシナリオの難しさを今回ので知りました。

 機会があれば、またこういう感じの単発シナリオをやっていきたいと思います。

 それでは、また別のシナリオでお会いした際はよろしくお願いいたします。