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リアクション
第6章 美緒の公開拷問ですわ!
「うーん、盛り上がってますね。みなさん、もっともっとテンションを上げていきましょう! さあ、続いて、いよいよ本日のメインディッシュです!」
シャローンの声にこたえるかのように、ステージに、目隠しをされ、四つん這いで歩く泉美緒が現れた。
招待客が、ざわめきだす。
美緒の巨乳は、他の女子生徒を圧倒するものだった。
「わんわん。目隠しされてて、みえませんわ」
美緒は、首をうちふって目隠しを外そうとする。
「とってあげるよ。さあ、自己紹介して」
シャローンが囁き、目隠しを剥ぎ取る。
「ふうう。あら、みなさん? 勢揃いで、私を迎えにきて下さったんですか?」
美緒は、招待客の面々をきょとんとしてみまわす。
「だから、自己紹介よ!」
シャローンが、美緒のお尻を叩く。
「あっ、失礼いたしました。わたくし、百合園女学院の泉美緒と申しますわ。わんわん!」
美緒は、四つん這いのまま、ニッコリ笑ってお辞儀をし、ノリノリでお尻を振ってみせたりした。
だが、お尻よりも、その巨大な乳房の揺れる様に、招待客は引きつけられていた。
「フハハハハハハ! なかなかのブツだが、その美しさ、偉大なる邪神のいけにえにしてくれる! 覚悟するのだな!」
サッドは、美緒の首輪から伸びる鎖を引いて、勝ち誇ったようにいった。
「わんわん。美緒は、お犬様になりましたわよ!」
美緒は、サッドに鎖を引かれるまま、ステージの上を練り歩く。
「う、ううー。お、おっぱいが大きいですわー」
なぜかびちゃびちゃになっているステージの一部で、傷だらけの身体を横たえていた秋葉と天津は、恍惚とした目で美緒の歩く様をみつめていた。
「さあ、これから貴様のその笑顔を、苦痛で歪ませてやろう!」
身体のお披露目も終わり、サッドがいよいよ美緒の公開拷問を始めようとした、そのとき。
「ま、待ってくれ! 泉美緒をやるなら、代わりに俺を!」
銀星七緒(ぎんせい・ななお)が鎖を鳴らしながらステージに上がり、美緒とサッドの間に割って入ったのだ。
「何だ、貴様は! メイドの分際で、過ぎた真似をするな!」
サッドは怒り、銀星にムチを振るった。
「う、うわああああ!」
銀星の下着が破れて、肌が露になる。
「銀星さん? わたくしと一緒に遊びませんか?」
美緒はニコニコ笑いながら銀星を抱きしめると、その傷をペロペロと舐め始めた。
「う、うわわ、いい、いい、それはいい!」
銀星は顔を真っ赤にしてぶんぶん振ると、美緒を引き離す。
「もうすぐ俺の仲間がくる。そのときまで、俺が代わりに打たれるぜ。泉はさがっててくれ」
銀星は、サッドに聞こえないように美緒に耳打ちする。
「はあ?」
泉は、ぽかんとしている。
「何をおしゃべりしている? 主人は私だ!」
サッドはイライラして、銀星の肩をつかんで引き起こし、往復ビンタで張り倒す。
「ぐう。打て! もっと打て!」
銀星は、唇の血を拭うと、サッドを睨みつけた。
「ハハハハハハハ! では望みどおりに! おや?」
サッドは、気づいてしまった。
銀星の破れたパンツから、みえてはならないものがみえていることに。
「き、貴様、これは何だあ!」
サッドは絶叫して、銀星を拳でめった打ちにし始めた。
ボゴォッ、ボゴォッ!
「ぐっ、悪いか? 別に、俺が女だといった覚えはない! 残念だったな、麗しの、乙女じゃなくて!」
銀星は、吐き捨てるようにいった。
「ええい、死ね、死ね!」
サッドは狂ったように銀星をムチで打つ。
一方、美緒は、穂波妙子に抱きしめられて、頬ずりされ、さかんに胸を撫でまわされていた。
「ああー、素晴らしいわー、パラミタの宝やなー」
穂波は、美緒の身体に夢中になっていた。
「おい、こいつを!」
サッドは、ボロボロの銀星を突き飛ばして、美緒の身体の上に倒れこませる。
「な、なんや!?」
穂波が、驚いて身をひく。
「うう、泉!」
銀星はうめいた。
「銀星さん? どうしたんです? 傷だらけですよ?」
美緒は、銀星の様子を不思議そうにみつめる。
「聞け! いま、ここで、公衆の面前でその女と交われ! でなければ、2人とも殺す!」
サッドは、まがまがしい声で言い放った。
「な、何だって! くっ、ふざけるな!」
銀星は、サッドを睨みつける。
「冗談でいってるのではないぞ。さあ、死にたいか? その女を守りたいのだろう?」
サッドの目に、狂気の光が宿った。
「あはは、銀星さん、それじゃ、わたくしと交わりましょう!」
美緒はニコニコと笑いながら、銀星をきつく抱きしめる。
美緒は、「交わる」を「抱擁する」と勘違いしているようだった。
「おう、ちょうどいいではないか。それ、その態勢でやり始めろ! でなければ本当に殺すぞ!」
サッドは、銀星の足を踏みにじって、促す。
「く、くっそー!」
銀星は、うなり声をあげ、どうすればいいかわからない戸惑いの中で、そういうフリだけしようと、美緒の肩に手を伸ばした。
そのとき。
「くっ、もはやここで介入するしかないか。おい、そこまでだ! サッド、狂った行為は終わりにするんだ!」
招待客の一人、如月正悟(きさらぎ・しょうご)がステージに上がり、光条兵器でサッドに攻撃を仕掛けていた。
「フン! また、この女のファンか?」
サッドは笑って攻撃を避けると、如月に襲いかかってくる。
その勢いは、凄まじいものであった。
「う、うわあ!」
本能的に光条兵器を振りかざし、強烈な光を放つ。
ピカァッ!
「むう?」
光に目がくらんだサッドは、際どいところで攻撃を外してしまう。
「俺は、美緒さんに借りがある。だから! 生命がけでも闘わなきゃいけない!」
如月は、サッドとしばし睨みあい、互いの隙を探る。
「くらえ!」
サッドが一瞬みせた隙を、如月は突こうとした。
「バカめ!」
だが、隙とみえたその動きは、フェイントだった。
「うわあ!」
サッドに攻撃を避けられ、逆に拳の一撃を受けた如月の身体が、ものすごい勢いで吹っ飛んでいく。
ガシャーン!
如月は宴のテーブルに頭から突っ込んでいた。
料理を置いた皿の割れる音が響く。
付近の招待客が、慌てて避難している。
「うーん。すごい力だ!」
如月が起きあがったとき、サッドが飛行して、襲いかかってきた。
「ぐうっ!」
サッドの腕に首をしめつけられ、如月は、死を覚悟した。
そのとき。
「ここが食堂か! 制圧するぞ!」
玄関ホールでの激戦をくぐり抜けた、何人かの生徒たちが食堂に乱入してきた。
「おのれ!」
サッドの注意はその生徒たちに向けられ、如月は放っておかれる。
「ナオ君! どこにいるの?」
ルクシィ・ブライトネス(るくしぃ・ぶらいとねす)は、食堂に踏み込むと、銀星の姿を必死で探した。
「遅いぞ、みんな」
銀星は、美緒の隣でぐったりと寝そべっているステージから、よろよろと手をあげる。
「ナオ君! ひどい、ボコボコにされてるなんて!」
ステージに上がったルクシィは、全身傷だらけの銀星の姿を目のあたりにして、絶句した。
銀星を助け起こしながら、ルクシィの中に、徐々に怒りがこみあげてくる。
「宴を邪魔しおって。生命で償うがよい!」
怒りに顔を歪ませたサッドが、ルクシィに襲いかかってきた。
「許しません、絶対に許しません! 絶対にです!」
ルクシィは、サッドに向かって振り返りざま、光条兵器を発動させた。
「聖光剣、ルクセイバー!」
まばゆい光が、ステージの上にほとばしる。
「むう!」
サッドは片手で目を覆って光を防ぎながら、ルクシィに魔法で攻撃を仕掛けた。
「焼き尽くせ! 炎熱の業火よ!」
巨大な火球が、ルクシィを襲う。
際どいところで、ルクシィは光条兵器で火球を攻撃し、爆発させる。
ちゅどーん!
食堂が、光と炎と熱に満ちた。
「ルクシィ、敵は空中戦を仕掛けようとしています。ここはマスターの保護が先決かと!」
ビクティム・ヴァイパー(びくてぃむ・う゛ぁいぱー)が、食堂の窓を突き破ってステージ上空を飛翔しながら、いった。
ビクティムのいったとおり、サッドも飛翔して、空中から攻撃を仕掛けようとしていた。
「迎撃する!」
ビクティムは、宙を滑ってサッドに接近し、弾丸を放つ。
「無駄だ!」
サッドは弾丸をかわすと、空中のビクティムにつかみかかる。
空中で、2人は揉みあった。
「ビクティムのいうとおりだわ。さあ、いまのうちに坊やを!」
ロンド・タイガーフリークス(ろんど・たいがーふりーくす)が、傷だらけの銀星に肩を貸しながらいう。
「坊や、遅くなってもごめんね。この埋め合わせは、後で、ベッドの上で! なんてね。けど、隣にいた巨乳のお姉さんと抱きあってなかった? もしかしてヤッちゃったの?」
ロンドの問いに、銀星は首を振るう。
「バカをいうな。いろいろあったんだ。泉美緒も、連れていってくれ」
「ああ、ほかにも、救出組がくるから大丈夫よ。あたしたちはとにかく、坊やを保護しないとね」
ロンドはそういって、銀星を背負って、走り始める。
「さあ、邪魔する奴はタコ殴りだよ!」
ロンドは叫び、食堂にやってきた骸骨戦士たちを次々に殴りつける。
「ナオ君、傷を治さなきゃ! お願い、効いて」
ルクシィは、ロンドの後を追いながら、運ばれている銀星にヒールをかける。
「ありがとう。だいぶ、よくなってきた」
銀星は、ロンドの背に負われたまま、ルクシィからオカリナを受け取って、吹き鳴らし始めた。
「ビクティム、サッドの相手はその辺で! 館の出口に向かうから、後方支援をお願い!」
ロンドは、サッドと激戦を繰り広げるビクティムを呼ぶ。
銀星のオカリナの音色が流れる中、ロンド、ルクシィ、ビクティムの3人は行く手に立ち塞がる骸骨戦士やライオンソルジャーを次々に蹴散らしていった。
(泉美緒。また会おう。今度は学園で!)
オカリナを吹きながら、銀星は胸の中で呟いていた。
「逃がすな、追え!」
サッドは、食堂から退出していく銀星たちを追うよう部下たちに指示。
「宴も闘いも、盛り上がってきたな。この女の拷問は、サクッとやってしまうとしよう」
サッドは、ぽかんとしている泉美緒に向き直った。
だが、そこに、さらに数人の生徒たちが乱入してくる。
「ちょっと! 汚い手で大事な妹に触らないでくれる?」
崩城亜璃珠(くずしろ・ありす)が、サッドに怒りの目を受けて怒鳴りつける。
「あっ! 遊びにきたんですか?」
美緒が、亜璃珠をみて嬉しそうに声をあげる。
「遊びじゃないわ。美緒、もう少し警戒心を持った方がいいわね」
亜璃珠は、美緒をみて、一瞬優しい顔になりながらも警告する。
「死ね! だが、その前に、動けなくしてから、いじってくれよう!」
サッドは、ものすごい勢いで亜璃珠に襲いかかっていく。
「はあっ!」
亜璃珠はムチを振るった。
ビシ、ビシ!
サッドと亜璃珠、2人の振るったムチがぶつかり合い、火花を散らす。
「亜璃珠! ここは私が盾になるわ!」
崩城ちび亜璃珠(くずしろ・ちびありす)が亜璃珠とサッドの間に割って入る。
「娘! 男と交わったことはあるか?」
サッドは、唐突に変な質問をしてきた。
「えっ、何を聞いてるの?」
ちび亜璃珠の顔が真っ赤になったとき、サッドの攻撃が叩き込まれる。
ちゅどーん!
火術によって小爆発が起こり、ちび亜璃珠は簡単に吹っ飛ばされる。
「きゃ、きゃあ!」
「もう。やらしいこと聞かれたら、適当に流さなきゃダメじゃない」
亜璃珠は舌打ちしつつ、美緒を抱き起こす。
「ほら、いつまで四つん這いになってるのよ。あら、いい首輪。これで耳と尻尾もあ
れば最高なのにねえ」
亜璃珠は、美緒の首輪姿があまりにも愛おしかったので、思わず抱きしめてしまう。
「お、お姉様! 実は、もう眠いんですの」
美緒は、亜璃珠の胸に顔をうずめて、寝息をたてようとする。
この状況で「眠い」とは、天然を通り越して大物である。
「さあ、早く帰りましょう。それとも、お散歩がいいかしら?」
亜璃珠は、思わず美緒をまた四つん這いにさせて、鎖を引いていきそうになった。
「はっ、こんなことしてる場合じゃないわ!」
「おねーさま、何やってるんですか?」
崩城理紗(くずしろ・りさ)が、不思議そうに亜璃珠をみつめていた。
「何でもないわ! いくわよ!」
亜璃珠は、美緒を連れて食堂を出ようとする。
だが。
食堂には、骸骨戦士やライオンソルジャーが大挙して入り込み、亜璃珠たちの行く手を何重にも塞いでいた。
「くっ、そう簡単に生け贄を逃がすつもりはないってこと? しゃあない、本気でいくよ!」
亜璃珠は、ムチを振るいながら敵陣に特攻する。
「ちびちゃん、治りましたよー」
理紗は、黒こげになっていたちび亜璃珠を回復させていた。
「ありがとう! よし、私も!」
ちび亜璃珠は、回復早々、亜璃珠を追って敵陣に飛び込んでいく。
「私も、亜璃珠様のお手伝いをいたします!」
マリカ・メリュジーヌ(まりか・めりゅじーぬ)が大鎌を振りまわして骸骨戦士たちをバラバラに解体し、亜璃珠の援護を行う。
「わー、マリカさん怖いですー!」
理紗が、撥ね飛ばされたドクロが床に転がるさまをみつめながら、いう。
「理紗様も、支援お願いします」
マリカが理紗にいった。
「はーい。がんばれー!」
理紗は、旗を振って応援を始めた。
「がんばれー!」
美緒も、理紗と一緒に旗を振って亜璃珠を応援する。
「いや、そういう支援じゃなくて! ああ、もう! とにかく邪魔者を蹴散らすわ!」
亜璃珠は、イライラを全て敵にぶつけながら、少しでも館の出口に近づこうと奮闘するのだった。
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