リアクション
第十六章 エピローグ
それは、この世ではない、どこか。
自身の存在感すら曖昧なその場所に、二人の少年が立っていた。
「僕たちが間違っていたんだよ。ソレント」
「……うん」
「世界の真実なんていうのは、死とか破壊とかだけで断言できるものじゃない」
「うん」
「だからといって、幸せのみを求めるとか、明るく前向きに生きる、とかいった綺麗事というわけでもない。大事なのは、生きている上では、必ず幸も不幸もあるということ。そういった出来事を経て初めて、自分にとっての道とかやり方っていうのが見えてくる。たぶんそれが、真実なんだ」
「ぼく、よくわかんない……」
「あっはっは! 僕にだってよくわからないよ! それはいろんなことを体験して、“生きて”みなけば……」
「ぼく、もういっかいいきたい!」
「僕もさ。今度は、最後に戦った、あの人たちみたいになりたいかな」
「ぼくも! ぼくも!」
ソレントが、一人ではしゃぐ。
「でも、その前に、償いを済ませてからだね。僕たちは、とても悪いことをしてきたんだから」
「つぐない……いたい?」
「痛いだろうね……。でも、僕も一緒にいてあげるから」
「わーい!! グストにいさまだいすき〜」
「僕もソレントのこと、好きだよ――さて、もう行こうか」
「……うん」
グストの言葉に、ソレントが頷く。
そのまま――
そのまま――
――手を繋いで二人は歩き出す。
――長い道のりだということは、何となくわかっている。
――でも、途中で諦めたりはしないだろう。
――自分たちの真実を掴むまで、二人はきっと諦めない。
ずっと、ずっと、歩き続けていく。
――fin
えーと、どうも。池羽 十日です。
というわけで、全4回続いたバルジュ兄弟編、堂々のフィナーレと相成りました。
今まで私のシナリオに全部、もしくは何回か参加していただいた方も、今回が初めてだったという方も、ありがとうございました。
そんなプレイヤーのみなさんの支持があったからこそ、ここまでやってこれたと言っても過言ではありません。
本当に、本当にありがとうございました!!
【以下、真面目な話です】
今回は締め切りを大幅に過ぎてしまいました。
本来ならば12月の頭には皆さんに楽しんでもらえているはずだったのですが、何と年末になってしまいました……。今、自己嫌悪のため息を零しながらキーボードを叩いております。
誠に、誠に申し訳ありませんでした!
プレイヤーの方々や、運営の方々にご迷惑をおかけしたこと、深く謝罪致します。
ノーマルの、しかも大規模とも思えないようなリアクションで一ヶ月以上遅れるなど、ありえない醜態です。
今回の遅延の主な原因としては、急に別件の仕事が入ってしまい、執筆期間の最初の一週間から十日ほどが恐ろしく忙しかったというのが挙げられます。しかし、基本的には私のスケジュール管理の甘さと、締め切りに間に合わせるといった意識の欠如が招いた結果です。
「最後の最後でこれかよ」とお怒りの方もいると思います。
「ふざけんな!」と腹の虫が収まらないといった方も多いと思います。
なので、容赦も忌憚も無くご意見、ご感想を仰ってください。
後ほど感想スレッドが立つと思うので、思いの丈を是非とも。
それを訓戒として、より一層精進していきたいと思います。
不甲斐ない発表となってしまいましたが、これからも池羽 十日を応援していただけたら幸いです。
どうか、よろしくお願いいたします。
冗長となってしまいましたが、これでコメントのほうを終わりにします。
それではみなさん、良いお年を。