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【怪盗VS探偵】昼に瞬く2つの月

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【怪盗VS探偵】昼に瞬く2つの月

リアクション


ー喫茶エニグマー



 喫茶エニグマの中はほのぼのとした時間が流れていた。
「ん〜……んまい」
 司はレアチーズケーキを頬張り、なんとも幸せそうな顔をしている。
「そうか! そんなにうまいか!」
 その感想を聞いた椎名はとびっきりの笑顔になった。
「はい! あー……」
「どうした?」
「いや……こんなに美味しいですからシオンくん達にも持って帰ってあげるべきなのかなぁ、と」
「お土産も出来るぜ? 持ち帰り用に箱も準備してある!」
「あ、そうなんですか?」
「おう! 任せろ! 飲み物も持って帰れるように紙コップも用意してあるぜ!」
 ケーキを持って帰る為の紙で出来た箱と、保温紙コップ(フタ付き)を両手に持ち、見せる。
「あ、じゃあ……持ち帰りで――って、なんだか騒がしいような?」
「そうですね。何かあったんでしょうか?」
 3人は顔を見合わせると外へと出る。
 するとそこには、物凄い形相で司を追いかける人々がこちらに向かってきている。
「ええっ!? 私がこっちに向かって来てる!?」
 そう……司がこっちに向かってきているのだ。
 椎名とナギも驚き、ここにいる司とにやにや笑いながら追いかけられている司を見比べる。
 喫茶エニグマまでもう少しというところで、追いかけられていた司が姿を消した!
 一瞬、動きが止まるかと思われたのぞき部退治の人達だったが……喫茶エニグマの前で呆然としている司を見つけるや、迫ってきた。
「えええええええっ!?」
 気がつくと、いつの間にか囲まれていた司……。
「あの……えっと……私に何か御用で……?」
「ええ、御用です」
 何が何だか分からない……いや、わかりたくない司の前に出てきたのは陽子だ。
 くすりと笑うと問答無用でその身を蝕む妄執を発動!
「うわぁぁぁぁっ!!!!」
 何が見えているのか……想像もしたくないくらいの事が起きているようだ。
「ふふふ……私のズボンを下ろした罰をその身に味わわせてやる」
 笑顔が怖い朔も出てきて、光条兵器『月光蝶』を煌めかせる。
 その後ろではおろおろしてる香奈と静かに怒りをあらわにしている忍がいる。
 ベアも自分の指をぽきぽき鳴らして準備万端だ。
「うぎゃああああぁぁぁぁっ!!!!!」
 司の悲鳴が響いた。


 司があらぬ疑いでお仕置きされている間、その近くではグルグル巻きにされた総司とつかさが理沙とチェルシーによって連れて来られていた。
「地獄の果てで後悔しなよ?」
 拳に雷術を纏わせ、ばちばち言わせているのはウィノナだ。
「ふ……例えこの身が果てようとも……のぞきは永遠だ!!」
 ぐるぐる巻きになりながらも、総司は部長としての威厳を保っていた。
「見るべきものは見ました……ここでのことはやりきりました」
 女子部部長のつかさも流石だ。
「覚悟……してね♪」
 理沙はにっこり笑うとウィノナが攻撃をする。
「ぎゃぁぁぁぁっ!!」
「きゃぁぁぁっ!!」
 部長2人が瀕死の状態になると、理沙が回復を施す。
「さ、これでまだまだ傷め付けられるよね」
 回復が終わると今度はファイリアが攻撃を加え、瀕死の状態に……。
 そうすると、また回復をする。
「名付けて! パンダの煩悩払い!」
 得意げに理沙が技(?)の名前を言ったが、2人の部長は聞く余裕がなかった。


 どこかへと隠れた司はというと……なんと喫茶エニグマの後ろに隠れていたのだ。
 そして、その正体は……シオンの仕込んだ傀儡だ。
 司の姿にそっくりに変装させていたのだ。
 お仕置きの様子を撮りながら、満足そうにしているシオンの姿が上空にあったという……。