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リアクション
「皆さんやりますねぇ」
戦いも終盤。今までで一番多くのモヒカン達を率いてやってきたのはモヒカン達のボスレティシア・ブルーウォーター(れてぃしあ・ぶるーうぉーたー)とミスティ・シューティス(みすてぃ・しゅーてぃす)。
「ボス! どうしやすか?」
「もちろん……突撃ですよぉ」
「ヒャッハー! 汚物は粉砕だ!」
レティシアの言葉を聞いてモヒカン達が突撃する。
「さぁ、樹様。敵がやってきましたよ」
「なぁ、ジーナやらなきゃダメなのか?」
「はい。恥ずかしがらずに変身してくださいまし」
ジーナ・フロイライン(じいな・ふろいらいん)の言葉に軽くため息をつく林田 樹(はやしだ・いつき)。
「さぁ、行きますよー。チェ〜ンジ、バスガイガ〜♪」
「ちぇ、チェーンジ、バスガイガー!」
ノリノリなジーナと恥ずかしいのか真っ赤な樹。
「空京に閃く一道の雷火、ガイガーブレード、ここに見参♪」
「空京に唸る一陣の風、ガイガーバレット、ここに推参……っ!」
「はぁ……可愛いですねぇ。樹ちゃん」
恥ずかしがりながらバスガイガーへと変身する樹を見て身悶える緒方 章(おがた・あきら)。
「あっきー。いっちーを見てるのは良いけど、しっかりサポートしろよな」
そんな章を見ながら少し呆れる新谷 衛(しんたに・まもる)。
「もちろんですよ。樹ちゃんを傷つける輩は誰であろうと許しません」
「おめぇら! びびるな! 潰せ!」
「樹様、行きますよ!」
ジーナが武器を手に単身モヒカン達へ突っ込む。
「せいっ!」
接近し、武器を振りかざしモヒカン達をなぎ払うジーナ。
「単身とは良いどきょ――ぐはっ!」
そんなジーナにせまるモヒカンを後ろから撃ち抜く樹。
「流石です、樹様」
「サポートは完璧だ」
「どんどん行きますよ!」
ジーナはどんどんモヒカン達へと斬り込む。
「樹ちゃん。左方に敵だよ」
「了解だ!」
章は樹のガイガーバレットの装備に組み込まれたケータイへと敵の位置を伝える。それを聞いて樹はスキル「シャープシューター」と「エイミング」を用いてモヒカンの急所を確実に撃ち抜く。
「邪魔なんだよ! きさまぁ!」
いつの間にか樹へと近づいていたモヒカンが血煙爪を振りかざす。
「っ!」
反応が遅れた樹。身体を逸らしなんとか直撃を回避する。
「いっちー!? どけ!」
すぐさま衛がモヒカンを蹴散らしながら樹の元へ向かいスキル「ヒール」を使う。
「すまない……」
「気にするなって。さて、これを見てあっきーはどうするかな」
回復を終えた衛は静かに佇む章を見る。
「僕の樹ちゃんを傷つけたね……?」
「ひっ……!」
静かに殺気を放つ章にびびるモヒカン達。
「覚悟は良いですね?」
日本刀を構え、笑顔の章。もちろん目は笑っていない。
「消えなさい!」
その言葉と同時に物凄いスピードでばったばったとモヒカン達を叩き斬る章。
「ありゃ、キレてるな……」
「樹様! 大丈夫ですか!?」
衛がモヒカン達を滅多切りにしている章を唖然と見ていると、前衛にいたジーナも樹を心配して戻ってきた。
「もう大丈夫だ。戦える」
「ふぅ、良かったです……ともかく、章様のおかげでほとんど減りました。そろそろ決めてしまいましょう」
「ぅ……あれをやるのか?」
目をキラキラさせているジーナに対し少し顔が引きつっている樹。
「頑張れよ! いっちー! あっきーはオレ様が回収しておくからよ!」
衛はそう言って未だばったばったと敵を叩き斬っている章を回収しにいった。
「ほら、樹様」
「わ、技名言わないとだめなのか……?」
「…………」
ジーナからの無言の圧力を受け、覚悟を決める樹。
「ほらっ、樹様!」
「あ、悪漢滅殺! ディバイテッドアターック!!」
「悪行粉砕っ、グレートアックスハンマー!!」
「な、なんだと! ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ!」
近くのモヒカン達をジーナが全て粉砕。樹が十字砲火で全てを吹き飛ばし、大量にいたモヒカン軍団を全て蹴散らした。
「お家へ帰って寝てください!」
決め台詞を言うジーナ。そして樹を見る。
「え、えっと……決め台詞まで……?」
再び無言の圧力。
「い、言う事を聞かない悪いモヒカンは……」
そこまで言ってジーナをちら見。ジーナは目をキラキラさせながら頷く。
「……や、やっぱり無理だ! 恥ずかしすぎる!」
顔を真っ赤にして逃亡を図る樹。
「あっ! まだ言い終わってませんですよー!」
それを追いかけるジーナ。
「はぁ……やっぱり可愛いですねぇ樹ちゃん」
「また始まったなぁ」
それをほくほく顔で見る章と呆れつつも楽しそうに見る衛だった。
「あらあら、皆さんやられてしまいましたねぇ」
樹達の戦闘を少し離れた場所から見ていたレティシア。
「逃げる?」
「モヒカンの皆さんが頑張ったんだからあちき達も頑張らないとねぇ」
「うぅ……やっぱり行くのね。この格好恥ずかしいのだけど……」
レティシアは黒のボンデージファッションに鞭、ミスティはピンクのボンデージファッションにレイピアという格好をしていた。
「さて、ミスティさん。行きますよぉ」
「……はい」
「見つけたわよ! あなたがモヒカン達のボスね!」
「あら?」
レティシアが四人の少女が立っていた。
「お客様の『安全』は私達が守ります! Safetyエンジェル☆あやのん!」
「ダイヤは常に『正確』に! 遅延要因は許さない! Securityエンジェル☆えりりん!」
「移動は常に『迅速』に! 障害物は瞬殺よ! Speedエンジェル☆まいたん!」
「常に『サービス』満点、楽しいたびを! Serviceエンジェル☆あすにゃん!」
「私達、四人揃って……!」
『はやぶさエンジェルス参上!』
高らかな台詞と共に現れたのは、バスガイガー、藤林 エリス(ふじばやし・えりす)、アスカ・ランチェスター(あすか・らんちぇすたー)、桜月 舞香(さくらづき・まいか)、桜月 綾乃(さくらづき・あやの)の四人。
「これはこれは……あちき自ら行く必要が省けましたねぇ」
「覚悟しなさい!」
「ふふ、楽しめそうですねぇ」
舞香の言葉にニヤリと微笑むレティシア。
「ボス! 助けにきやしたぜ!」
そこにモヒカン達が増援としてやってきた。
「では、こちらも総攻撃と行きましょうかぁ。ミスティさん、いきますよぉ!」
「はい、分かりました……。はぁ」
あまり乗り気ではないミスティはため息をつきつつも、レティシアの後に続く。
「行くわよ! みんな!」
互いに武器を構え激突する。
「くらえやぁ!」
「甘いわね!」
振り下ろされる血煙爪を回避するエリス。そして、新体操で使われるリボンを自在に操り、モヒカン達を切り裂く。
「ぐはぁ!」
「舞香!」
「えぇ!」
同じようにリボンを武器に戦う舞香へと合図を送る。お互いにリボンを鞭のように操りモヒカン達を一つに纏める。
「な、なにしやがる!?」
「行くわよ!」
「マジカルリボンスラッシュ!」
そして、纏めたモヒカン達を切り裂く。
「ぐはあぁぁぁ!!」
「わぁ、あの二人やりますね。綾乃ちゃん。私達もいきますよ!」
「はい!」
「はーい♪ モヒカンの皆さん。私のリリカルチャームコンサート。ゆっくり聞いていってくださいね♪」
アスカはそう言い、歌いだす。その歌を聴いたモヒカン達の動きが止まる。
「おぉ、なんて良い歌なんだぁ……」
歌を聴いたモヒカン達はアスカの歌の虜になっていた。
「今です。えーい!」
そこに綾乃の魔法が炸裂。
「へっ――ぐわぁぁぁぁ!」
次々と倒れていくモヒカン達。
「そうやすやすとはさせませんよぉ!」
レティシアは鞭を操り歌を歌うアスカめがけて振るう。
「させないわ!」
それをエリスのリボンが相殺。アスカへは届かない。その合間を縫うようにミスティがアスカへと走る。
「それもやらせない!」
「――っ!」
今度は舞香の操るリボンがミスティの動きを止める。
「これで最後です!」
「ぐはぁ!」
その間にアスカと綾乃の連携によりモヒカン達が全滅。残るはレティシアとミスティだけとなった。
「もうあちき達だけですかぁ」
「皆さんやりますね」
「このぐらい簡単よ」
「さぁ、大人しくしてください!」
「それは無理な相談ですよぉ!」
レティシアが鞭を振るう。鞭は螺旋状になって四人を襲う。
「無駄よ!」
エリスが先ほどと同じようにリボンを振るうがリボンは鞭に弾かれてしまう。
「うそ!? みんな避けて!」
「きゃぁ!」
四人ともギリギリで回避する。
「まずはあなた!」
まだ体勢が整っていない隙を突いてミスティが綾乃めがけて突撃し、レイピアを振るう。
「くぅ!」
しかし、それを新体操用のこん棒でガードする舞香。ミスティは防御されたと分かるとすぐさま距離をとる。
「綾乃、大丈夫?」
「舞香ちゃん、ありがとう」
「良いのよ。みんな気を抜かないで!」
その間に全員が体勢を立て直す。
「良い感じだったと思ったんですけどねぇ」
「正直危なかったわ。今度はこっちから行くんだから!」
舞香が先ほどのレティシアのように螺旋状にリボンを振るう。
「こういうのはどうかしら!?」
エリスは新体操用フープを転がす。フープは高速回転しながらレティシア達へと向かっていく。
「私だって!」
綾乃はそのフープに魔法を当て強化。
「私もいきますよ!」
さらにアスカが歌で攻撃力を強化する。
「レティ!」
「それぇ!」
レティシアの鞭が舞香のリボンを相殺。すぐさま二度目をフープへと振るうが相殺するに至らず。フープはそのままレティシアの方向へ。
「やぁぁ!」
ミスティがレティシアの前に立ち、レイピアでフープを相殺しようとする。
「ふぅ――へ? きゃぁぁ!」
相殺には成功したものの、衝撃のせいか、ミスティの服が破けるという自体が発生。その場にしゃがみこんでしまう。
「ぁ……」
エリスは少しバツが悪そうにするが、今は戦闘中と首を振り無理やり意識を切り替える。
「えっと、ごめんなさい……」
綾乃は頭を下げて謝っていた。
「ミスティさん。危ないですから隅に避けていて良いですぉ。後はあちきがいきますからぁ」
「うぅ……。はいぃ……」
涙目になりつつも攻撃の届かない距離へと避難するミスティ。
「ミスティさんをあのままにしておくのも可愛そうですし、そろそろ決着をつけると行きましょうかぁ」
レティシアが鞭を振る。鞭は不規則な軌道を描き、四人を襲う。
「きゃぁ!」
「アスカ!? きゃっ!」
「くぅ!」
「皆さん! きゃぁ!」
その不規則な軌道は四人に着実にダメージを与えていく。
「あちきの鞭さばき、どうですかぁ?」
余裕な表情をしながらも鞭を振るい続けるレティシア。
「いい加減に……しなさい!」
舞香がフープを使い鞭を断ち切る。
「なんと……やすますねぇ」
「はぁ、はぁ……。今度はあたし達の番よ! みんな!」
エリスの言葉に四人が集まる。そして手を重ねその手を空へと向ける。
「受けてみなさい! あたし達の合体必殺技を!」
そこに魔力が集約され、現れたのは巨大なレーザーブレード。
「これはすごいですねぇ……」
「レティ! 感心してる場合じゃないでしょ!」
びっくりしているレティシアへを叱咤するミスティ。
「行くわよ!」
『エンジェルスブレイカー!!』
レティシアに向かって振り下ろされるブレード。それをあろうことか鞭で受け止めるレティシア。
「まだ、ですよぉ……!」
なんとレティシアはそれを押し返し始めた!
「くうぅぅ……!」
「まだまだ……っ!」
「お願い……!」
「当たって……!」
力が拮抗する。そして徐々に押され始めたレティシア。
「そろそろ、限界、ですかねぇ……!」
「いっけぇぇぇ!」
「やあぁぁぁ!!」
最後、鞭を断ち切りレティシアへと振り下ろされる。
「きゃあぁぁぁ……!」
そのままレティシアは吹き飛ぶ。
「や、やったの……?」
「レティ!」
吹き飛んだレティシアを見る四人。駆け寄るミスティ。少しするとレティシアは自力で立ち上がった。
「良かった……レティ」
「あはは、皆さんやりますねぇ……あらぁ?」
『あ……』
レティシア以外の全員が素っ頓狂な声を上げた。レティシアが立ち上がると同時に服がぼろぼろと崩れ落ちたのだ。
「きゃあぁぁぁ!! レティ!」
「大丈夫ですよミスティさん。ギリギリ見えませんからぁ」
「そういうことじゃないの! ほら、行きましょう!」
「そうですねぇ。この勝負あちき達の負けです。良い勝負が出来ました。でわー」
そうして去っていく二人。
「えっと……とりあえず勝った……のよね?」
「えぇ……」
そして微妙な雰囲気の中取り残される四人。
「まぁ良いわ! 気を取り直してやるわよ!」
エリスの言葉に全員が頷く。
『バスガイドのお仕事なら、はやぶさエンジェルスにお任せ♪』
と、勝利ポーズを決めて無事モヒカン達との激闘に幕を閉じた。
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