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至高のカキ氷が食べたい!

リアクション公開中!

至高のカキ氷が食べたい!
至高のカキ氷が食べたい! 至高のカキ氷が食べたい! 至高のカキ氷が食べたい!

リアクション

「普通のカキ氷……?」
 しゃくしゃくと氷精の氷で作られたカキ氷食べウィキチェリカは考える。
「おいしいですわねー」
「うん、美味しい」
 リリィの素直な感想にウィキチェリカも素直に頷いた。
 しかし結局のところ、氷精の氷の謎は謎のままだった。

    †――†

「ふう……、ついたよ」
 博季が額に浮かぶ汗をぬぐい、虹を架ける箒の後ろに乗る氷精――ティアに声をかけた。
「うむ、ありがとう」
 ティアは笑顔を浮かべて地面に降り立つ。
 住処にいた時のドレスのような服ではなく、藍染の雪の結晶が描かれた着物のような服に服装が変わっている。
「流石に僕は疲れたから木陰で休憩してるよ。カキ氷屋さんは、あの人だかりが出来ている所だよ」
 博季はそういってティアから離れると木陰に腰を下ろして幹に背を預けた。
「おや、氷精ではないか」
 そして、ティアに真っ先に気づいたのはダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)だった。
 手には何に使うのかよく分からない金属製の筒を持っている。
「……お前は、えーとあの……」
 ティアは思い出そうとダリルの顔をまじまじと見る。
「ダリルだ。ルカのパートナーだ。どうだ、下界で流行している氷菓を作ってみたのだが、食べてみないか?」
 ダリルはそういって、金属製の筒の中から冷えたアイスキャンディを取り出した。
「ルカの希望でな、この器具に削った果汁や飲料を混ぜ形を作る。取り出しやすいようにちゃんと木の棒を差すのを忘れてはいけない」
 ダリルは生成過程の説明を詳しくする。
「ふむ、これはそのまま齧ればいいのかな?」
「ああ、そうだな。氷精の氷を溶かして果実液を薄めるのに使っている」
「ほう、それでは食べてみようかな」
 ティアは一口。
 口の中に広がる果実の味と、細かく砕かれた氷と荒く砕かれた氷の食感が口の中で遊ぶ。
「中々美味しいな、これは」
 ティアは口元を綻ばせ感想を漏らした。
「そうか、それはよかった」
 ダリルはほっとしたように微笑を浮かべた。
 彼もティアが気に入るかどうかは半信半疑だったようだ。
「すまない、ファニーが食べ過ぎでダウンしてるから、俺は看病に行く。氷精も今日一日だけでも楽しんでいくといい」
 ダリルはそう言って急ぎ足で小型飛空艇アルバトロスへと向かっていった。
「今日一日といわず、これからはいつでもわたしは下におりてくるよ!」 
 ティアはダリルの背中にそう声をかけたのだった。
 ダリルは後ろ手に手を振り返事をするとアルバトロス内へと消えていった。

    †――†

「繁盛してる?」
 カキ氷屋の店主のところへひょいと顔を覗かせてティアは言った。
 それだけでカキ氷屋の前では騒動が起きる。
 あるものはティアに挨拶をし、あるものはティアに少しだけ怯えたように、しかし大半の人間がティアに向けるのは歓迎の意思だった。
「……氷精様じゃないか。あそこから動かないんじゃなかったのか?」
 驚いたように店主はティアを見た。
「何、お節介焼きに外へ連れ出されたよ」
 ティアはくすくすと笑う。
「目的も果たしたしな。君の自慢の一品を食べさせてもらいに来た」
 ニコリ。まるで花が咲いたかのような笑みだ。
 住処にいた時の偉そうで意地の悪い笑みは無く、心から笑っている。
 それはそこにいる誰もが手に取るように分かった。
「後、そろそろ氷精呼ばわりはやめてくれ。わたしに、ティア・フリスという名があるんだよ」
「いや、名前聞いたこと無かったから」
「あそこにいる間は呼称は必要なかったの!」
 随分と子供っぽいしゃべり方をする、とその場の誰もが思った。
「いや、すまんな。ほら、これ。古代シャンバラ女王は砂糖蜜をかけてあんたの氷を食べたという話らしい。だからほら」
 ティアの前に差し出されたのは、真っ白な削られた氷。砂糖の甘い香りが辺りに充満する。
「ふむ、これがか」
 そして、ティアは匙を取り一言こういった。

「いただこう」

 と。

              ――<至高のカキ氷が食べたい! 了>――

担当マスターより

▼担当マスター

来宮悠里

▼マスターコメント

 まずは、公開が大変遅くなってしまい本当に申し訳ございませんでした。お待ちしていましたプレイヤー様方、お待たせいたしました……。
 来宮悠里プレゼンツ、第3弾「至高のカキ氷が食べたい!」シナリオは楽しんでいただけたでしょうか?
 前回前々回に参加してくださったが半数もいらっしゃってくださり、とても嬉しく思いました!

 今回のメインシナリオに相当する氷精と対話する部分ですが、プロットの段階でアクションの2倍から3倍以上の文字数でお返ししようという試みから生まれました。
 護衛のほうに参加してくれた方が、そっちに参加すればよかった! と思ってもらおうという魂胆もありました。
 でも、護衛は護衛であっさりながら、色んな人と絡めてるかと思います。
 絡みは少ないけれど文字数の多いリアクションと、絡みは多いけれどあっさりなリアクションの二種類ですね。
 それと、このシナリオ内では、同一地域にいると仮定し、MCとLCの別行動を認めました。
 これ以降の来宮悠里のシナリオ内では、MCとLCが同一地域に存在する限り、MCとLCの行動に制限はつかないと思います。
 あと、今回皆様カキ氷食べるって言うアクション多かったです! 楽しかったからいいですけれど!
 メインがカキ氷にシフトしてる方もいらっしゃったので、次回以降は本題から逸れない用にお気をつけてください!

 リアクションを読んでいただければわかると思いますが、氷精が心変わりをしました。
 これはガイドに示されていませんでしたが、偏屈な人の心理で考えると氷精が望んでいるのは何だろうかと言うのがわかりやすかったと思います。
 “外の話”を気にすることが、ベストエンドへの布石でした。それを突いて来てくださった方々がいらっしゃって、わたしは書いてて嬉しかったですw
 それ以上に、今回氷精に聞かせてくれた外の話はとても有意義でした。
 氷精の方に参加してくださった方には個別で返しておりますので、ご一読していただけると幸いです。
 今回は称号を発行しておりません、というよりも、称号が思い浮かばなかったので発行できておりません。期待していた方は申し訳ございません。

 もし、何か不都合等ありましたら運営様の方までご連絡いただけると助かります。

 今後の課題は、スケジュール管理能力を養うことですね……。後は文章技術をもっと向上、特に戦闘面についてはもっともっと向上させないとダメそうです。

 こんなマスターですが、次回のシナリオも参加していただけれるとても嬉しいです!