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えすけーぷふろむすくーる!

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えすけーぷふろむすくーる!

リアクション

――特別教室棟2F、職員室にて。

「……うーん、コハクあったー?」
「ううん、ボクの方も見当たらないや……」
 職員室内を物色する二つの影があった。小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)コハク・ソーロッド(こはく・そーろっど)だ。
 職員室内ならば鍵置き場がある、と見込んで調べに来たのであるが、探せどそれらしきものは見当たらない。
「はぁ、ハズレだったかぁ……」
 落胆し、肩を落とす美羽。
「まぁまぁ、それならこの鍵を使ってみようよ」
 慰めるようにコハクは言うと、用務員室で手に入れた鍵を取り出す。そこには【非常口】と書いてあった。
「でも、非常口が何処だかわからないよ?」
「そうだったね……でもまだ時間はあるし、探せるんじゃないかな?」
「非常口なら3階体育館にあるぞ」
 背後から、声をかけられる。
「え? そうなの?」
「ああ、間違いない」
「よし、それなら行ってみようよコハク!」
「そうだね! ありがとうござ……」
 コハクが振り向いて、固まった。
「どうした……?」
 美羽も振り向き、固まる。

「礼には及ばんよ。貴様らが行けるかはわからんからな」

 そこには、不敵な笑みを浮かべる金 鋭峰(じん・るいふぉん)が立っていた。
「う、うわああああ!」
 美羽が咄嗟に【ショットガン(ゴム弾)】を向け撃つ。至近距離、咄嗟とはいえ散弾。狙いは甘くても当たる。普通なら。
「って何で当たらないのぉ!?」
「これしき避けられねば団長は務まらん!」
 相手は金鋭鋒。普通は通らない。
「こ、コハク!」
「う、うん!」
 2人は頷くと、
「「逃げるよ!」」
【バーストダッシュ】で出入り口まで駆け出す。そして扉をぶち破る勢いで開けると、廊下へと飛び出した。

――同時刻。
――2F渡り廊下にて。

「……うーん、どうしたものだか」
 渡り廊下の窓ガラスの前でクローラ・テレスコピウム(くろーら・てれすこぴうむ)が唸る。
「結局跳び箱手に入らなかったしね……」
 その横でセリオス・ヒューレー(せりおす・ひゅーれー)がため息を吐いた。
 彼らは、倉庫で跳び箱を得てからこの渡り廊下のガラスを割る、と考えていた。しかし倉庫では追跡者に捕まってしまい奪取に失敗し、途方にくれていた。
「後あるのはこれか……」
 クローラが【さざれ石の短刀】を手に取り見る。自分が持っていたアイテムだ。
「これで壊せると思うか?」
「うーん……解らないけど、やるだけやってみないか?」
「それもそうだな……なら当初の予定通り、【サンダークラップ】をかけるぞ」
「了解……ん?」
 セリオスが、何かを感じ取った。
「……敵か?」
「わからないけど……向こうからくる!」
 セリオスが指差したのは、特別教室棟の方向。そちらから、凄い速さで何者かが走ってきた。

「いやあああああああ!! 追いかけてくるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
「な、なんで追いかけてこれるのぉぉぉぉぉぉ!? た、助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 クローラ達の横を、美羽とコハクが通り抜ける。
「……今の、何だ?」
「さあ……って、また何か来るよ!?」
 セリオスの言葉に、クローラが身構える。

「そう簡単に逃がすと思うかぁぁぁぁぁぁッ!」

 クローラ達の横を、鋭鋒が通り抜けていった。

「ま、まだ追いかけてくるよ!?」
 後ろを振り向いた美羽の目に、鋭鋒が映る。
「み、美羽! 危ない!」
「え?」
 気づいたときには遅かった。
「はぶっ!」
 目の前の壁に、美羽が衝突する。
「み、美羽!」
 【バーストダッシュ】の勢いで壁に衝突した美羽をコハクが抱き起こすが、目を回してしまっている。
「どどどどどどうしよう……」
「チェックメイトだ」
 そのコハクの後ろに、鋭鋒が立っていた。

「……今の、団長だったよな?」
「あ、ああ……でもなんで団長が?」
 通り過ぎていった鋭鋒を目にしたクローラ達が、教室棟の方向へ目をやっていると何者かが歩いてくる。

「「だ、団長!?」」 

 それは鋭鋒であった。
「な、何故団長がこのようなところに!? 何かあったんですか!?」
「ああ、それはだな」
 鋭鋒がクローラ達の肩に手を置いた。
「!? く、クローラ! あれを!」
 セリオスが指差す先には、縛られ気を失った美羽達であった。
「ま、まさか……」
 クローラ達が鋭鋒の顔を見る。
「想像通り、我が狩る側の人間だからさ」
 鋭鋒が、笑みを浮かべ、人の身の丈ほどあろうかという巨大ハリセンを取り出した。

 そのすぐ後、4回ほどハリセンで叩かれる音が校舎内に響いた。