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我々は猫である!

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我々は猫である!
我々は猫である! 我々は猫である!

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 またたびによる回収がなされた後でも、大通りにはそれなりの数の猫人がいた。
 彼らは猫のように気ままで、また己のしたいように動くため行動予測が難しい。
 その上、街は封鎖されたのだ。街中には不安が漂っていた。
 そんな不安を取り除こうとする動きがある。
 商業区画の一角の体育会系アミューズメント施設入り口。そこに人の群が存在した。波のように動く人間を誘導するのは、
「皆さま、落ち着いて移動してください。猫と猫人からは私達が守りますので落ち着いて中へどうぞ。中で検査が済み次第屋上のヘリポートにお昇り下さい」」
 メシエ・ヒューヴェリアル(めしえ・ひゅーう゛ぇりある)は人の群に指示を出しつつ、入口付近を警戒する。
 動くものに惹かれたのか猫と猫人が集まってきているのもそうさせる理由だが、それだけではない。
「ああ、猫、いいなあ。猫っぽくていいなあ」
 エース・ラグランツ(えーす・らぐらんつ)が集まって来た猫に意識を割いているからだ。
 猫が近づいてきているのに、反応も遅ければ警戒も遅延している。
「……エース、涎垂らして獣を見つめていないで、さっさと誘導手伝ってくれませんか。町中が微妙にパニックになっているんですから」
「でもさあ、今回みたいに野良猫に絡まれるってなかなか出来ないんだぞ? 警戒心なく向こうから近づいてきてくれるのに、チャンスなのに!」
「んなこと知りません。最早どの猫がキャリアなのか解らない以上、近づけさせない様にさせるしかないでしょう」
 言うが、それでもエースはでもなあ、と渋りを見せるので、
「後で猫カフェでも野良猫の集会ウォッチングでも何でもつきあってあげますから、とにかく今は人波と猫を片づけましょう」
「ほんとか? 絶対だぞ? 必ずだからな? 約束だよな?」
「無駄に疑問系連続させないで下さい。約束しますから、さっさと人を収容して下さい。私が来てる猫たち何とかしますから」
 そこまで言うとやっと根負けに至ったのか、エースは悲しげな視線を向かってくる猫に向け、
「うう、仕方ない。……ごめんなあ。ここには入ってきちゃだめなんだよ」
「という訳で、……眠りなさい」
 メシエがヒュプノシスをかける間にエースは入り口の混雑を解消していく。
 そうしてパニックは露見することなく処理されていく。
 

 パニックの一因である猫人の集団は今、保健所にいる。
 その職員から連絡を受けたラムズ・シュリュズベリィ(らむず・しゅりゅずべりぃ)はクロ・ト・シロの引き取り手続きを行っている最中だった。
 手続きと言っても簡単なもので、紙面一枚にサインをするだけ。そう、
「えー、ではこれが今回の被害総額で、こちらが貴方の猫がやらかした事ですね。保証金込みで安く見積もってこれくらいですので、宜しくお願いします」
 賠償金を支払うという証書に名前を書き込むだけ。
「……何で、こうなるんですかねえ」