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リアクション
■□■4■□■ 100人のカナン再生記
そのころ、イベント「100人のカナン再生記」では。
リネン・エルフト(りねん・えるふと)が、
裏方として写真や手記など展示物の管理、講談会のスケジュール管理を担当する。
ゲストとして、
フリューネ・ロスヴァイセ(ふりゅーね・ろすう゛ぁいせ)や、
ユーフォリア・ロスヴァイセ、
ネイト・タイフォン、
神官ニンフといった、そうそうたるメンバーが集まっている。
「この日記はドラセナ砦からだから……これは西コーナーで」
「これは東……アガデの写真ね」
講演会の順序はシャンバラで知名度の高いフリューネや、自分たちと、
ネイトやニンフを組み合わせる形で行うことにしている。
ユーフォリアたちが講演している間に、
リネンとフリューネが話す。
「あの時は本当に急で色々あっただったわね……
フリューネは、またすぐ飛び出していっちゃうし。
追いかけようと矢先に……アレだし」
講演会の司会を張り切って行っている、
フェイミィ・オルトリンデ(ふぇいみぃ・おるとりんで)を指し示して、リネンが言った。
「また一緒に冒険したいな……
フリューネといると家族みたい、で……」
「うん?」
「あ、ううん何でもない」
言葉の後半は、幸か不幸か聞こえなかったらしい。
リネンは、慌てて首を振った。
★☆★
フェイミィは、
コンパニオンとして、客の呼び込みもこなす。
「パラミタパビリオンきたならカナンもよろしくな!」
そこへ、
リカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)と
シルフィスティ・ロスヴァイセ(しるふぃすてぃ・ろすう゛ぁいせ)、
空京稲荷 狐樹廊(くうきょういなり・こじゅろう)もやってくる。
「よっ!
いつも助かるぜ。そっちは傍系の嬢ちゃんか?」
「なんですって……」
フェイミィに声をかけられるも、
シルフィスティは、自分と同姓の英雄である
フリューネやユーフォリアへの嫉妬から暴走する。
「別に血のつながりなんてないのよ!
フィスを、あの伊達乳と一緒にしないでよ!」
「ちょ、展示物をひっくり返すんじゃねえ!」
「な……」
暴れるシルフィスティに、フェイミィやリネンがあっけにとられていると。
何か、硬いものの折れる音がした。
「おおおおおああああああああああああああああああああ」
シルフィスティが、自分の手を押さえてうずくまる。
「会場では静かにね」
フリューネがにっこりと笑っていた。
★☆★
「びっくりした。……やっぱりフリューネはすごいわ」
「狼藉者がいるんだもの、当然でしょ?」
リネンは、フリューネと幸せな時間を過ごすが。
そこへ、イナンナ誘拐の騒ぎが知らされる。
「……わりぃ、冒険が一つ増えちまった」
フェイミィは飛び出して行った。