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料理の激人

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料理の激人

リアクション

 再び散開しようとしたメンバーの前に現れる人影。
「フハハハ! 我らは悪の秘密結社オリュンポス! 我らが盟友・激人会を手助けするべく、ハラマタチームの食材集めを妨害させて貰う!」
 そんな言葉と共に現れたのはオリュンポスを名乗るドクター・ハデス(どくたー・はです)アルテミス・カリスト(あるてみす・かりすと)ヘスティア・ウルカヌス(へすてぃあ・うるかぬす)の三人。
「厄介なのが出てきましたね……」
「邪魔するなら容赦しないぜ?」
「任務妨害対象……戦闘体勢ニハイリマス」
「さっさと倒して、食材探しに行きましょ!」
「さぁ、行け、暗黒騎士アルテミス、人造人間ヘスティア!」
 ハデスは『迷彩塗装』で姿を隠し、その場から離れる。
「アルテミスちゃん頑張ろう! 援護するからね!」
「はい、助かります」
 ヘスティアはさっと、茂みへと姿を消す。残ったのはアルテミスは剣を構える。
「我が名はオリュンポスの騎士アルテミス! 騎士の名にかけて、ここを通すわけにはいきません! いざ、尋常に勝負ですっ!」
「一人で戦おうとは良い度胸です! 行きます!」
 唯斗が一気に接近する。
「私も行きます」
 唯斗の動きに合わせるようにセレアナも接近する。
「負けません!」
「せやっ!」
 唯斗の攻撃を剣で防御しつつ、
「はっ!」
「甘いです!」
「くっ!?」
 逆から来たセレアナの槍撃に対応するべく唯斗を弾き飛ばす。
「受けてください、必殺・斬魔剣!」
 そして、振り向き様に『グレイシャルハザード』をセレアナ目掛けて放つ。
「っ!?」
 迫り来る冷気を咄嗟にステップし、回避するセレアナ。
「よっしゃ! 俺もいっくぜぇ!」
「ククク、我がトラップを受けるがいい!」
 姿を消して、さりげなく『トラッパー』で罠を仕掛けていたハデス。ハデスの声と共に、アルテミス向けて走っていたロアの頭上から降ってくる沢山のイガ栗。
「うぉ!?」
「危ないぞ!」
 レヴィシュタールが『ファイアストーム』を使い、イガ栗を燃やす。イガが燃焼し、中の栗だけが降ってくる。
「おおっ! 良い感じの焼き栗が降ってくるぜ!」
「食べるな! 馬鹿者!」
 レヴィシュタールの怒鳴り声も無視して、ロアは攻撃を中断し、降ってきた栗を食べる。
「戦略予知プログラムによると、前方に敵がいる確率99%。よし、ミサイル発射!」
 食べる事に夢中のロア目掛けて茂みに隠れていたヘスティアが『六連ミサイルポット』を乱射する。
「させないわよ!」
「撃チ落トシマス」
 セレンフィリティが『サイコキネシス』でミサイルを止め、ルレーブの『六連ミサイルポット』でヘスティアのミサイルを撃ち落す。
「ターゲット確認、攻撃シマス」
 ルレーブはヘスティア見つけ、接近して『ライトブレード』振るう。
「はわわっ!」
「させません! はぁっ!」
「……っ!」
 今まで唯斗とセレアナの相手をしていたアルテミスが、さっとヘスティアの前に現れ、ルレーブの攻撃を受け止めて吹き飛ばす。
「今だ!」
「合わせて!」
 唯斗とセレアナがその隙を逃さずアルテミスへ攻撃をしようとするが、目の前には爆弾が結ばれたイモ蔓。爆弾と認知して距離をとる二人。爆発するがそこにはまだアルテミスがいた。
「きゃぁ!?」
「っと、すまないアルテミス」
 爆風に巻き込まれたアルテミス。
「うぅ、なんで私だけが……」
「大丈夫!? アルテミスちゃん」
「えぇ、大丈夫です」
 気を取り直し、アルテミスが剣を構える。
「やるわね……。食らいなさい!」
 アルテミスがセレンフィリティの攻撃を横に飛んで回避。だが――
「アルテミス、そこは……!」
「え? いたたたたっ!」
 頭上からイガ栗の山が降り注ぐ。
「くらうがいい!」
「当たりませんよ!」
 レヴィシュタールの『サンダーブラスト』を回避するが……
「きゃあっ!」
 その先にはイガ栗満載の落とし穴があり、見事にはまるアルテミス。
「いたた……なんで私が……」
「チャンスだぜ!」
 穴から出たアルテミスに向かってロアが攻撃を加える。
「させないです!」
 後ろから飛んできたヘスティアのミサイル。
「おっと!」
 ロアはすぐさま回避。
「迎撃シマス」
 再びルレーブがミサイルで相殺。
「きゃあっ!」
 もちろん、その爆風に巻き込まれるアルテミス。
「はわわっ! アルテミスちゃんごめんなさい!」
「……なんか、アルテミスが可愛そうになってきたわ」
 セレアナが味方からの攻撃すらも受けているアルテミスを見てポツリと呟いた。
「不幸よね……」
「哀れなやつであるな」
 その後も、アルテミスに不幸が襲い掛かり――。