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リアクション
テラスへ行く途中、「話がある」とドロシーはイーリャ・アカーシ(いーりゃ・あかーし)に呼び止められた。
「ごめんね、少し貴女とお話……少し聞きたいことがあって」
申し訳なさそうにイーリャが言う。その後ろで、ジヴァ・アカーシ(じう゛ぁ・あかーし)が鋭い目つきでドロシーを見ていた。
「構いませんよ。聞きたい事とはなんですか?」
そう言ってドロシーが微笑みかける。
「えっと、まず何から話そうかしら……そう、私が聞きたいのは貴女の事かしら」
「私の事、ですか?」
きょとんと、ドロシーが首を傾げる。
「……まどろっこしい聞き方ね」
苛々した様子でジヴァが言うと、イーリャを押しのけてドロシーに詰め寄る。
「単刀直入に言うわ。あんた、パラミタから来たわね」
「ちょっとジヴァ!」
止めに入るイーリャを、「劣等種は黙って」とジヴァが睨み制す。
「……はい?」
一方のドロシーはというと、何を聞かれているのかよく解っていないようであった。
「あ、ドロシー!」
その時、ドロシーを見つけた海が駆け寄ってくる。
「……次から次へと」
忌々しげにジヴァが呟く。
「あら海様、お戻りになられたのですね」
「……ドロシー、聞きたいことがあるんだが……」
「私の事ですか?」
「……君が『賢者』から直接『原典』を受け取ったらしいな。その辺りについて詳しく聞きたい」
「……なんですって?」
イーリャが海の言葉を聞いて、目を見開いた。
「――わかりました、お話しましょう」
少し寂しい表情をして、ドロシーが言った。
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