First Previous |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
15 |
Next Last
リアクション
「うえぇええええっ、ゼーさん……」
「泣くなよ、ななな。俺がチョコになったら、美味しく食べてくれよ」
なななの膝枕で横になり、激痛に耐えながらもシャウラは幸せだった。
「なななは、俺の勝利の女神なんだから」
「……」
「どうした?」
なななの表情が曇ったことに気付いたシャウラが、優しく声をかける。
「ななな……シャウラさんに、言わなきゃいけないことがあるの……」
※ ※ ※
同時刻。
イリス・クェインに設楽 カノンは告げていた。
「イリスさん……まだ気づいてくれないんですか?」
※ ※ ※
「なななは、『ななな』じゃないんだよ」
「あたしは『カノン』じゃないんです」
「ど……どういうことだ?」
「何を……言ってるの?」
動揺するシャウラに、なななは続ける。
目を見開くイリスに、カノンは続ける。
「なななは……私は、あなたの事が好きで好きでたまらなかったから」
「だから、あたしは『カノン』になったんです。あなたの好きな『カノン』に」
「この姿は仮の物。あなたを愛するが故に、仮初の『ななな』の姿で生きることにしたの……この島に来てから」
「だって、あなたはカノンばかりを見てたから――あなたに見てもらうために。愛してもらうために」
「どういう事だよ。じゃあ、本物のなななは……」
「さっき見てたでしょ? 真っ二つに」
「本物のカノンは……」
「一緒にやったじゃありませんか。チョコになる前に、手足を切って、バラバラに」
「あああああああ……」
「いやああああああ……っ!」
シャウラの、イリスの悲鳴が島中に響き渡る。
その声を聞きつけて、なななだったものは、カノンだったものは、立ち上がる。
「シャウラさん、行くね。少しでもシャウラさんに危害を加えそうなものは、排除しなくちゃ」
「イリスさん、私、行きます。一人でもあなたの為に、切り刻んでおくように」
飛び出してきたなななのアホ毛をカノンは鉈で受け止める。
レーザーブレードが周囲を薙ぎ払い、イリスを焼く。
カノンの鉈がアホ毛ごとなななの頭を割る。
最後の光が、カノンの首を切り落とす。
全てを見守っていたシャウラも、チョコレートの流しすぎによって絶命した。
戦いが終わった時、その周りに生きている物は何もなかった。
イリス・クェイン:死亡
シャウラ・エピゼシー:死亡
設楽 カノン(偽物):死亡
金元 ななな(偽物):死亡
First Previous |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
15 |
Next Last