  | 
      | 
  
リアクション
噛みつく牙は絶望を運ぶ
 八つ当たりをしに来ていたアランとクライブ。
 ノノンの居る部屋を聞きだすもそこはすでに焼き払われていた。
「ちっあの兄弟を待たずにヤっちまいやがったか!?」
「クライブ、落ち着け。ここには死体が無いだろ」
 冷静に部屋の中を見渡しアランはそう言う。
「そ、そうだな。苗もないのに殺したりする訳ないよな」
「絶対ではないですけどね。おそらく人質は別の誰かが救出、もしくは逃走の手伝いをしたのでしょう」
「でもよ、それも絶対じゃないだろ? 人質としてヤンの所へ連れて行かれた可能性もある。行くぞ」
「そうですね。……あなたはただヤンを殴りたいだけかもしれませんが」
 焼き払われた部屋を後にヤンがいる部屋へ足を運ぶ二人。
◇          ◇          ◇
「ハッ!?」
 無様にもメイスンの放った机に当たってはいなかったが気絶していたヤン。
 目を覚ますと辺りを彷徨わせる。
「ま、まさか酒場の方の傭兵だったとはネ……驚いたヨ」
 誰も見ていないがなぜか取り繕うヤン。そばに転がっていた内線の受話器を取る。
「おい、あの小娘をここへ連れてコイ」
「す、すみません……あの、人質はな、何者かに連れ去られました」
「なんだト!? さっさと見つけてここへ連れてきナ!!」
 投げつけるように受話器を切るヤン。
「裏切りの傭兵に小娘の脱走……全くツイテないネ」
 苛正しげに爪を噛む。
◇          ◇          ◇
 館の中をかけているダッドリー兄弟と大吾たち。後ろではベルフラマントで気配を消したアリカが、超感覚で獣のようにコッソリ後ろから着いてきている。
「早くヤンのいる部屋に行かないと!!」
「そうですわね! 邪魔ですわよ!!」
「あっしの天狗のうちわで吹き飛びなさい!」
 襲いかかってくる敵はラグナのなぎなたと、楓の天狗のうちわで追い払っていく。
「新型麻薬の苗を返しやがレ! 行け、ズァオ」
 爪の鋭い猛獣を放ち、部下が命令する。
 なぎなたをかわしバーニィの方へ飛びかかってくる猛獣。
「Gauuuuuuuu!!」
「バーニィ!!」
 大吾はバーニィと猛獣の間にすかさず割って入ると、盾を構え竜鱗化とオートガードを用いてガードした。
「ありがと、大吾兄さん」
「礼は良い。時間が無いから一気に倒すぞ」
 インフィニットヴァリスタで飛びかかってきた猛獣を仕留め、大吾は集まった猛獣と部下を倒していく。
 ラグナと楓も大吾の援護にまわる。
「……これで最後だ!」
 この場に居た部下も猛獣も倒し終わると、ヤンのいる部屋を目指し走り始める。