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荒野のピストルランチ!

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荒野のピストルランチ!

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翻弄される運命は切り開かれた

 ダッドリー兄弟とレティシアを連れて酒場に戻ってきた大吾たち。
 そこでは先に本物のノノンを連れて来ていた郁乃たちと竜斗たちなどが食事をし、ローズとカンナ、アキラが荒らされた酒場の片づけをしていた。

「え!?」

 郁乃と竜斗に挟まれるように座っているノノンを見て驚くダッドリーとバーニィ。

「あ、兄さんお帰りなさい」
「え、な、なんでノノンがここに」
「そ、そうだよ。だってノノンはこっちに」

 ダッドリーとバーニィは一緒に戻ってきたレティシアを見る。

「レティ! 大丈夫だった!?」
「ミスティ、この通りどこも怪我をしたないわ。それと、みんな騙しててごめんねぇ。あちきはノノンじゃなくてぇレティシア」

 今まで守っていたノノンは身代わりのレティシアだった事に驚く大吾たち。

「兄さん。私はレティシアさんと服を交換して、郁乃さんや竜斗さんたちに守ってもらったからここまで逃げることができたの」

 ノノンの説明に全員納得し、祝勝会を開く事になった。



◇          ◇          ◇




 酒場のステージでローザマリアと瑛菜による即席の慰労ライブが広げられている。

 それを見ながら館に潜入していた面々が一か所に集まり食事をする。

「みんなやっぱりここで祝勝会を開いてたんだ」

 館に残った苗を全部処理してきた詩穂がダッドリー兄弟たちを囲んでいるテーブルに来る。

「遅かったじゃないか」
「館に残ってなにをしてたんですか? あそこに残っても廃人のヤンしかいないじゃないですか」
「廃人て……」
「詩穂は館に隠されてた麻薬を全て処理してきただけです」

 詩穂の言葉に少々驚くアランだったが、すぐに笑顔で詩穂の頭を撫でた。

「僕としたことが、最後の最後で詰めが甘かったですね。ありがとうございます」
「い、いえ…詩穂は詩穂の考えで動いただけで、なにも感謝されるようなことは」
「なに言ってるんだよ。俺はあそこにあったやつだけ燃やせばそれで終わりだと思ってたんだぜ? あれで全部だと思ってさ」

 アランとクライブを筆頭に集まった人から礼を言われた詩穂は恥ずかしそうにしている。

 そんなやりとりをしている場所から離れた一角には意識を飛ばしている生き残ったバーボン一家が縛りあげられていた。

「う……オレは」

 意識が戻ったバーボン一家の所へシンがやってくる。

「起きたか?」
「バーボン様は…」
「あぁ、それならバケツプリンの怨みに呑まれたぜ」

 ニヤリとするシン。トレイに乗せていた酒場の修理代と幾人かの料理代が入った請求書を目覚めた下っ端に突き出した。

「お支払いはバーボン一家。ちゃんと払えよ?」

 請求書には零がいくつも並んでいる。



 荒野にはバーボン一家の悲鳴が轟き、風に乗ってヤンの悲鳴も混じって聴こえたような、聴こえなかったような……。
 しかし、すぐにそれは祝勝会の賑わいにかき消されてしまうのだった。

担当マスターより

▼担当マスター

冬神雪羅

▼マスターコメント

初めまして、冬神雪羅です。

まず始めに酒場内で幾人かの未成年者のお酒を飲むシーンがありましたので、ここでは未成年者のPCに限り『お酒のようなもの』はお酒の名前で呼ばれていても、お酒ではなく、あくまで『お酒のようなもの』とさせて頂きます。

続いて執筆感想ですが、今回は人数も多く大変でしたが、いろいろな注文や行動に楽しませて頂きながら執筆することができました。ありがとうございます。
みなさんも楽しく参加できましたでしょうか?
またの機会がありましたら参加してくださると嬉しい限りです。