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蒼空ヒーロー大戦・歌姫アイドルRimix☆

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蒼空ヒーロー大戦・歌姫アイドルRimix☆

リアクション



〜 蒼空ヒーロー大戦・2nd Siene 3 後編その2 〜
 

 「ここは任せて先に行け!くぅ〜!一度言ってみたかったんだぁ〜」
 「おのれ、いきなり出てきてイイトコドリのつもりか!?」
 「いーじゃん、いーじゃん。遅れた分だけの埋め合わせって事で♪」
 
静香こと【光のプリンセス】と天神山 清明(てんじんやま・せいめい)扮する【ドクターセイメイ】
二人のそれぞれの言葉により始まった戦いは乱戦の様相を演出しながら、それぞれの組み合わせで退場していく
しんがりとばかりに留まること【仮面ツァンダーソークー1】に追撃を阻まれ
ファーリーズこと【ファーグッド】が悔しそうに叫ぶ

手下のコラル『偉大で強力な仕掛』も残った舞香演じる【まじかるチェリー】に動きを阻まれ
結果3対2の構図を作って対峙する
 
 「ここからは俺達のターンだけどいいよね?答えは聞いてない!」
 「正義のチアの力を思い知りなさい!ミュージックスタート!」

【まじかるチェリー】の合図とともに琳 鳳明(りん・ほうめい) がベースが鳴り響く
それに打ち込みによる様々な楽器の音が順に重なりブレイクビーツを構築し【合唱団員】によるラップと歌のコラボが響き渡る
それに合わせ【仮面ツァンダーソークー1】と【まじかるチェリー】の二人がリズミカルなステップとともに跳躍する

 「この時のための特訓の成果をみせてやるんだからっ!」
 
【手下一号&二号】の攻撃を側宙(アウーマンセウォン)で巧みに回避しながら【まじかるチェリー】はバトンを取り出す
着地地点を狙った【手下二号】の【ボウガン】の乱射が彼女に届かんとした時、バトンを高速回転させ見事に矢を弾き飛ばしていく
 
 「マジカルバトンガード!チアの神髄はこんなものじゃないわよっ?」
 
そんな彼女を続けざまに、上空から【手下一号】の繰り出す二本のワイヤーが襲い掛かる
幾何学的な軌跡を描きながらも、決して絡まる事のない巧みなワイヤー裁きが彼女の退路を断ち、絡み取らんとした時
別方向からの銃撃がワイヤーを正確に打ち抜き、その空間を突くように【まじかるチェリー】は移動して脱出する
しかもその動線は正確に【手下一号&二号】の中間点……どちらも彼女にとって射程圏内である
 
 「もらったわ!チアキック乱舞っ!」
 
体操技というよりXMA(エクストリームマーシャルアーツ)で言う【コークスクリュー】という高速回転テクニックにより
威力を上げられた旋風脚が【手下一号】を襲う、着地と同時に余剰で残った回転力を体の軸を変える事で残し
そのままバク宙の勢いで【手下二号】の至近距離に着地した時には、すでに彼女の膝は正確に狙いを定めていた
 
 「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
 
そのままムエタイばりの高速の膝ビンタが【手下二号】炸裂し一号ともども舞台パネルの向こうに飛んでいく
爆音のSEとともに光の特殊効果を背に受け、見事な【サイドハードラージャンプ】を決めて華麗に着地する【まじかるチェリー】
彼女への拍手喝采を余所に、続けて照明は【仮面ツァンダーソークー1】と【ファーグッド】にフォーカスをあてる
こちらは【ハーピーの羽根】で両手を翼に変えた【ファーグッド】のエアリアルな攻撃
そして銃撃と【ブレイクダンス】を駆使した【仮面ツァンダーソークー1】による立体的な戦闘が繰り広げられ見る人を魅了していく
 
 「どんな相手でも全力で相手をする……それがこのファーグゥゥーッドォォォッ!!」
 「やるじゃん?円舞・月夜見梅華」

槍としての機能を持つ【おしゃれな日傘】の空中からの【インペイル】込みの連続突き
それを【ウィンドミル】というブレイクテクで蹴り払う【ソークー1】……そのまま腕の力を駆使して【ラビットジャンプ】で起き上がる
しかしそこに【ファーグッド】から放たれた無数の弾丸のようなものが襲い掛かる……しかしそれを喰らうヒーローではない
 
 「もともとは複数相手の技だったけど……サービスタイムだっ!」
 
無数に襲い掛かる何かに向けて高速まで昇華した連続の【轟雷閃】の蹴りが炸裂し、喰らった弾丸の中身が客席に飛び散っていく
一方の【ソークー1】はその連続蹴りの焦点を【ファーグッド】に定め、彗星のような一本の軌跡を生み出していく
 
 「うなれ神速っ!ソゥクゥッ!イ・ナ・ヅ・マッ!キィィィィッックッッ!!」
 「ぐあぁぁぁぁぁぁ!み、見事だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
 
必殺の蹴りを喰らい、爆音SEとともに退場する【ファーグッド】
着地とともに一発パワームーブを決め、曲の終わりとともにポーズで止まる【ソークー1】、隣には【まじかるチェリー】もいる
 
 「「OK!次行ってみようっ!」」
 
お互いの華麗なテクと勝利を称賛するかのような言葉とハイタッチをかわし、二人の戦士は退場した
 
 
 
続けてステージ上空を箒に乗った【マジカルアーマー・ダークアリッサちゃん】ことアリッサ・ブランド(ありっさ・ぶらんど)が現れ
彼女を追うようにジーナ・フロイライン(じいな・ふろいらいん)扮する【魔法少女・ジナ】がハリセン片手に現れる
 
 「ふっふっふ〜!この愛憎に満ちた弓で世界を歪んだ愛で満ちあふらせるんだもん!ダークらぶらぶアロー☆」
 「この!空中からとは卑怯でございますわよ!GOです!ペンギンちゃんたち!」
 
【ダークアリッサちゃん】の放つ弓の攻撃を迎撃するべく無数の【ペンギンアヴァターラ・ヘルム】を跳躍させる【魔法少女・ジナ】
しかしペンギン単体には攻撃力などなく、必死に手をバタつかせて空中保持を保とうとする姿に思わず吹き出す【ダークアリッサちゃん】
 
 「ほっほっほ〜!そんな無駄な行為になに………が?……ええええええ〜〜〜〜っ!?」
 
だが小馬鹿にするはずの彼女の口が、一変して驚きの声に変わっていく
一生懸命飛んでいるペンギンを足場にして【魔法少女・ジナ】が跳躍しているのである
 
 「ぺ、ペンギンちゃんを踏み台にしたぁ?」
 「勝利のために命を散らすペンギンの無念、今こそ晴らしますわっ!」
 「いや、アリッサちゃんペンギンになにもしてないし!」
 「問答無用でございます!」
 
最後のペンギンの足場から跳躍し接近した【魔法少女・ジナ】のハリセンが突っ込み無用で【ダークアリッサちゃん】に振り下ろされる
だが、一瞬驚きはしたもののすぐに箒を上空に加速させ間一髪ハリセンから逃れる【ダークアリッサちゃん】
……ここまでの描写でお気づきの者もいるだろうが、実はややセリフ込みでアドリブがお互い入っている二人である
 
 「ふっふっふ!この前の因縁も込みで、あなたの攻撃などお見通しっ、もうあの時のようにはいかないのですよ〜だ」
 「あの時って……さっきからずいぶんと色々吹っかけてきますけど、何が言いたいんですの?」
 「げ、もしかして忘れてる?だったら自分の胸に聞いてみなさいよーだ」
 「……………………………ぶちっ」
 
アリッサの言葉を聞いた途端、言葉とも音ともつかない音が【魔法少女・ジナ】から漏れる
一変して彼女の空気が冷気を帯びるのを不審に感じた【ダークアリッサちゃん】が覗き込むと、くぐもった声が聞こえてきた
 
 「言いやがりましたね、ワタシのことをそう言いやがりましたねっ!」
 「え?ちょっ……アリッサちゃん確かに【胸】って言ったけど、別にそういう意味じゃなくって、あのその」
 「そういう意味ってどういう意味DETHのぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
 
何やら既視感満載の地雷を勝手に踏んだ【魔法少女・ジナ】が突如【六連ミサイルポッド】を構えて乱射しはじめる
しかし既視感を通り越してもはやトラウマと化している【ダークアリッサちゃん】の反射も見事なものですかさず回避する
だがしかし、箒を巧みに駆使してミサイル全弾をかわした彼女の前に、ハリセンが唸りを上げて襲い掛かってきた
 
 「斬る、是無、ALLなのでございやがります!」
 「なんのっ!マジカルアーマーガード☆」
 
神速のハリセンを、各種防衛スキルをフルアクセルで駆使した完璧な防御が迎え撃ちステージに衝撃が走る
だが衝撃に箒ごと吹き飛ばされつつも、これを何とか凌いで安堵する【ダークアリッサちゃん】
 
 「あははははは〜もう二度と同じ暴挙は喰らわないもんね、こうなったら段取り無視して逃げ……」 
 
そこまで言って勝気な笑みに満ちていた彼女の顔が恐怖にひきつる
ハリセンとともに落下する【魔法少女・ジナ】の顔には完全に据わった瞳とともに完全制裁付勝利の笑みが広がっていたからだ
刹那、ハリセンを高らかに投げた【魔法少女・ジナ】が大きく息を吸い込み、手をメガホン上にして大聞く叫びをあげた
 
 「きゃ〜!アリッサちゃんにカルテちゃんがさ〜ら〜わ〜れ〜るぅぅぅぅぅぅぅ!」
 「……………ハイ?…………いやいやちょっと待っ……てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
 
【魔法少女・ジナ】の言葉とともに、自分の進行方向から強烈な殺気が膨れ上がるのを感じ、恐怖とともにアリッサはその先を見る
そこには樹彦扮する【スカルロード】と戦いっていた筈の【インベイシオン】こと切札がいて
その銃口は正確に自分のほうに向けられていた……それを見たアリッサが本能的に全力で戦闘態勢に入ったとしても仕方がない事である
 
 「こ、こうなったらカミカゼアタッ……」
 「娘に手を出すやつは………許さないっ!」
 
………後に切札の娘白星 カルテ(しらほし・かるて)と共にいた佐野 悠里(さの・ゆうり)はこの光景を見て語ったという
『銃って鈍器のようにボッコボコに殴りながら撃てるもんなんだね』……と
 
 
 「ふえぇーん!今度もジナちゃんに苛められた〜!
  いつかぎゃふんと言わせるんだから覚えてるといいんだもんねー!!」
 
ゲームなら超スペシャルコンボレベルの攻撃を喰らいながら、それでも健気に捨て台詞をはいて退場する【ダークアリッサちゃん】
高笑いと共に勝ち誇って退場する【魔法少女・ジナ】に拍手が送られる中
当の【インベイシオン】は元々の対戦カードである【スカルロード】に再び意識を向ける
噂と過去のデーターから切札の前科を知っていて警戒してはいたが、注意するのと実際に目の当たりにするのは違う
加えて本来共にいるはずの仁科 姫月(にしな・ひめき)は謎の狙撃で救護室行きなのもあり、もはや完全なイレギュラーに
混乱寸前・抗議全開な【スカルロード】こと樹彦
だがどうやら今の暴走で色々発散(?)と消化できたらしく、目の前の前科持ちはスッキリ冷静さを取り戻していたらしい

 (とりあえず何とかなりそうだ、段取り通りやる事を終わらせて姫月の様子を見に行こう)
 
彼女の事だから医務室で大暴れしてそうだが、それは自分だけが苦労すればいいだけの話と、とにかく彼は芝居を再開する
だがしかし……彼にひとつ誤算があった……この思考の間に客席から一人の少女の『がんばれ〜』という声があったことを
確かにこの後の【インベイシオン】こと切札は実に段取り通り芝居と殺陣をしてくれた
だが、完全に愛娘からの声援で【張り切り】を通り越し【はっちゃけ】の域に達していた彼女に対応できなかったのである
 
 「あなたの手札じゃ私は倒せませんよ?これが私の切札(ジョーカー)だ!!」
 
そういってリハーサルより10倍増しの必殺技を喰らったこと以外
ついていくのが精いっぱいで何をやったか覚えていない、引き立て役・【スカルロード】こと樹彦なのだった
 
 
客にとっては衝撃と電光石火の勢いだったひとつ前のカードと変わり
【インベイシオン】と【魔法少女・ジナ】の退場と入れ替わりで続いた次の戦いは、非常に女の子好みの展開であった
入れ替わりで舞台中段ステージに現れた【闇の歌姫ナイトメア★あすにゃん】ことアスカ・ランチェスター(あすか・らんちぇすたー)

 「いよいよ私の出番ね、甘ーいメロディで誘惑してあ・げ・る♪」

彼女のセリフと共にステージにメロディが流れ、彼女の歌がスタートする

 
 「♪ 貴方の愛が 私の全て 貴方のそばに 居れるなら
    ナラカの底でも 怖くない 光の下では 抱いてくれない
    甘い深夜の 熱い睦言 恋しか知らない お子様には 真実の愛を 教えてあげる ♪」
 「これは!みなさん、この歌に耳を貸してはダメですっ」

 
忍野 ポチの助(おしの・ぽちのすけ)こと【ポチ・ドッグ】が聴覚長けた犬戦士らしく、耳をぱたりと閉じながら仲間に忠告する
だが当然ヒトは耳など自力で閉じられないので綾原 さゆみ(あやはら・さゆみ)こと【マジキューSAYUMI】は苦悶の顔を浮かべ
同様に富永 佐那(とみなが・さな)の【アイドロイド海音☆シャナ】も闇の歌になすすべがない

同じくしてステージ中央で戦闘をしていた神崎 輝(かんざき・ひかる)一瀬 瑞樹(いちのせ・みずき)
そして下川 忍(しもかわ・しのぶ)扮する【放浪剣士ブラインドストーム】も歌の影響で十分に動けず
その様子を見て藤林 エリス(ふじばやし・えりす)こと【闇の魔法少女ナイトメア★えりりん】が勝ち誇った声を上げていた
 
 「真実の愛を知り、闇夜に舞う華麗なる三輪の華!それが悪の美少女部隊【ナイトメア・エンジェルズ】!
  どう?我が仲間の闇の歌の威力は?どいつもこいつも、ここまで正義の侵攻を許すなんて使えない連中ね!
  所詮男どもなんて捨て駒にしかならないわ!あたし達がここで引導を渡してあげる!」
 
ちょっと個人的偏見満載のセリフと共に【闇の歌姫ナイトメア★あすにゃん】の歌に合わせ
武器の新体操のクラブ(こん棒)を駆使して踊るように輝達に襲い掛かる
 
一方の歌唱主の【ナイトメア★あすにゃん】も新体操のフープを攻防一体の武器として操り
マルクス著 『共産党宣言』(まるくすちょ・きょうさんとうせんげん)扮する【闇の女参謀ナイトメア★きょーたん】のリボン攻撃と共に
【マジキューSAYUMI】そして【アイドロイド海音☆シャナ】に華麗に切り結ぶ
 

 「♪ 私の全てを 貴方にあげる 貴方の色に 染め上げて
    闇色だって 怖くない 女の子には 関係ないの
    正義も悪も 光も闇も 貴方が全て 貴方の敵は 誰であっても 許してあげない ♪」

 「はははははは!どう?あたし達の暗黒の歌の力、その力を引き出す踊りと戦いの力は!?」
 
【ナイトメア★あすにゃん】の歌唱が続く中
下川 忍(しもかわ・しのぶ)扮する【放浪剣士ブラインドストーム】の攻撃を武器の新体操用クラブで防御しながら
勝ち誇ったように笑い続ける【ナイトメア★えりりん】
暗黒の歌と名はついてはいても人を魅了するには十分な歌と踊りである、観衆も思わず聞き惚れてしまいそうな中
反撃を試みつつも追い込まれていく【ブラインドストーム】そして神崎 輝(かんざき・ひかる)一瀬 瑞樹(いちのせ・みずき)の二人
 
思った以上に好評価な観衆の反応に思わずテンションが上がるリーダーの【ナイトメア★えりりん】
露出度の高いセクシーなハイレグレオタードに身を包まれた巨乳なセクシーボディーを主張しながら
相手の【ブラインドストーム】にびしりと指を立ててついついアドリブをかましてしまったらしい 

 「そもそも、そんな貧相な胸で悪の大首領様の前に立とうなんて言語道断よ!恥を知りなさい!」
 「この…………そこは関係ないだろうっ!」
 
何かスイッチが入りかかったらしい【ブラインドストーム】の目が瞬時に据わる
だがそのまま第二の暴走災害を周りが危ぶむより先に、別のところで事件が起きた
 
 「悪あがきは終わりです、まずはもふもふと小さくかわいらしい貴方から始末……ふぎゃっ!?」
 
追い込みとばかりに【ポチ・ドッグ】にリボン攻撃の止めをせんとしていた【ナイトメア・エンジェルズ】の一人
【ナイトメア★きょーたん】が想定外の攻撃を喰らったのである
 
 「ちょっと!?不意打ちなんて聞いてません!しかも客席……え?客席??しかも【裁きの光】??」
 
自分を襲ったスキルの魔力痕が客席から感じられたことに首をかしげる【ナイトメア★きょーたん】
だが素に返り切るより先に今度は【ナイトメア★あすにゃん】の歌を遮るようにステージを子守唄が包み込む
 

 「♪ 慈しみ深き神よ、彼等に安息を与えたもう
    世の罪を取り除く神よ、とこしえに、彼らにやすみを与えたもう ♪」

段取り外の事に思わず【ナイトメア★あすにゃん】がステージを確認すると
なぜか舞台セットの高台に歌の主……【魔法少女・ジナ】が覇気をまとわせ立っていた
 
 「今こそ悪辣な言葉で人を惑わす悪を始末してやるです!ブラインドストーム!」
 「あ……え〜っと」
 
歌唱終了とともになぜか力強く自分を見つめることに戸惑う【ブラインドストーム】こと忍
何やら自分が先ほどスイッチが入りかかった一言に対しての事なのだろうが、多分自分の理由とちょっと違う気がする
だがそれを言うわけにもいかず、すっかり困った忍の姿を見て
さゆみこと【マジキューSAYUMI】が腹を決めてすべてを立て直すことにした
 
 「私達はどんな苦難にだって諦めない、それを子供たちに伝えるために、まだ倒れるわけにはいかないの!
  今よ!スーパースター!スーパーヒロイン!」
 
彼女のアドリブに全てを察したが頷き【ショルダーキーボード】を構えなおして叫んだ
 
 「わかった!ボク達の歌、聴いて下さいっ♪」
 
キーボードの鍵盤を一気に叩くと同時に、連動した照明が切り替わり一転して煌びやかな空間を作り出す

 「私だって、負けてられない…行きます!」
 「こっちも!シャナっシャナにしてやんよ〜☆」

輝の意図を察した瑞樹が【エレキギター】をかき鳴らし、ユニゾンの旋律を作り出す
そのまま戦闘を再開しながら二人の歌がステージに響き渡る
その歌に【アイドロイド海音☆シャナ】と【マジキューSAYUMI】の歌が重なり
それぞれがダンスを織り交ぜ華麗にステージを魅了する
 
やがて、間奏に曲が差し掛かるとそれぞれが武装を切り替え、本格的なバトルを開始
歌と切り替わるように、客席脇の矢倉セットに現れた実況係の二人
シリウス・バイナリスタ(しりうす・ばいなりすた)サビク・オルタナティヴ(さびく・おるたなてぃぶ)がマイクを手に叫び始めた
 
 『さぁ、希望の歌とともに正義の戦士の逆転劇が始まるぞ!
  まずは【マジキューSAYUMI】と【アイドロイド海音☆シャナ】と小さな戦士【ポチ・ドック】のタッグだ!
  体操技を駆使して闘う【ナイトメア・エンジェルズ】のコンビにどう戦う!?』
 『テクニカルな攻撃にどう対応するかが鍵だね?』

二人の実況に答えるように【マジキューSAYUMI】は【ナイトメア★きょーたん】の変幻自在なリボンの攻撃を掻い潜る
テクニカルかつスポーティーな新体操技と対照的な王道かつ柔らかく受け流す柔法の技

 『これは……【スウェー】だね?シリウス』
 『その通り!しかも派手目なトリックを駆使しつつ
  さらに華麗さと可愛らしさを適度に織り込みんで強くて可憐なところを強調……これは流石アイドル戦士だぜ!
  それにあわせて【幸せの歌】とのコラボを展開するアピールも欠かさない【海音☆シャナ】も侮れないっ!』

自分も実況されたことが上機嫌のように【海音☆シャナ】の歌いながらのアクションも切れを増す

 「♪ 澄み渡る蒼は、天上の歌声っ〜 ♪ いまだワンちゃん☆」
 「アイアイサー!犬のハイテク技術をお見せしましょう!」
 
【海音☆シャナ】の合図とともに【サンダークラップ】を発動させる【ポチ・ドッグ】
その先には【海音☆シャナ】と【マジキューSAYUMI】によって巧みに誘導された悪二人がいて
見事魔法電撃が炸裂したのだった
 
 
そこから急遽スポットが変わり、照明が中央の高台で戦うもう一方の4人に向けられる
輝と瑞樹の歌と攻撃の援護を受けながら【放浪剣士ブラインドストーム】が【ナイトメア★えりりん】と接戦を繰り広げ
【ディテクトエビル】で巧みに悪の猛攻を凌ぎ、そこに実況二人の中継が畳み掛ける

 『流石【剣舞】という名が在るとおり、剣だってダンスバトルに引けをとってないぞ!
  だが、相手も【ナイトメア・エンジェルズ】のリーダー!そう簡単に勝たせてはくれないっ!』
 『アイドル戦士二人の援護を紙一重で回避してるもんね』
 
サビクの言葉通り、輝の【レゾナントアームズ】による近接援護と
瑞樹の【六連ミサイルポッド】の援護射撃をも回避する【ナイトメア★えりりん】
刺激的な衣装でそれを繰り出すその姿に、一部客席の俗に言う『大きいお友達』が何やら盛り上がっているようである

 「無駄よ無駄無駄!そのままあたし達の元に跪きなさい!」
 「なんのっ!ボクを……なめるなぁっ! 」
 「私だって、負けてられない…行きます!」

【スーパースター・輝】の言葉に続き【スーパーヒロイン・瑞樹】が意を決してお互いのブーストアイテムを展開する
一見【ナイトメア★えりりん】の攻撃からの回避行動に見えたのだが、程なくして彼女の両脇に巧みに移動した事で
その真意が明らかになる……それを察したシリウスがすかさず実況の叫びを上げる
 
 『おおおおおっと、これは回避行動と見せかけた絶妙なポジショニング!退路が見つからないぞ!
  そのままスーパースターとスーパーヒロインのコンビが自分の射程距離に滑り込んでいくっ!』
 『ふむふむ、これは……巧みに上空・左右と逃げ場を封じているね』
 『そのまま巧みにステップでタイミングを合わせ……再びそれぞれの武器が唸りをあげるぅぅぅぅぅ!』
 
シリウス達の実況の通り、輝の【歴戦の武術】と瑞樹の【魔導砲】が【ナイトメア★えりりん】を捕らえる
だが敵もさる者、唯一の退路……ステージ下を見つけ出し、ギリギリでそこに飛び込んだ後
魔法で強化されたクラブ(こん棒)を二人目掛けて叩き込んだ
 
 「ふふふ、舞台中段のステージだったのが命取りだったわね、これで……何」
 
勝利を確信した【ナイトメア★えりりん】の言葉が止まり、彼女の意志に答えるように照明が再び舞台全体を照らし出す
そこには先ほどの戦闘で巧みに移動された【ナイトメア★きょーたん】と【ナイトメア★あすにゃん】がいたのである
【ナイトメア★えりりん】の攻撃を【アイスフィールド】&【歴戦の立ち回り】でガードした輝達が勝利の鍵に呼びかける
 
 「今よ!ブラインドストーム!」
 
彼女たちの言葉に答えるように、舞台最上段で【光条兵器】を構えていた【ブラインドストーム】が跳躍し
【バーストダッシュ】による加速で一気に降下する
 
 「この時を狙って3人一気に攻撃するつもり!?……あなた一体っ……」
 「僕が誰かって?それは風に聞きな!バァァァァァァスト、スラァァァァァァァァッシュ!!」
 
【ブラインドストーム】の一撃とともにステージを更なる閃光が包み込む
被弾した【ナイトメア・エンジェルズ】の姿をシルエットで映し出す中、【ナイトメア★きょーたん】の声が響く
 
 「押されています。まずいですね、同士えりりん、ここは一旦引きましょう」
 「この〜覚えてなさいっこの借りはいずれっ!」

【ナイトメア★えりりん】の声とともに閃光が消えた時には悪の姿は消えて、シリウスの勝利を伝える声が会場を包み込んだ
 
 『決ぃぃぃぃまったぁぁぁぁぁっ!アイドル戦士達の連携攻撃の大勝利ッ!ウィナァに拍手喝采をっ!』

声に導かれるように客席からの拍手がステージを包み込む中、それぞれが勝利のポーズを決め去っていくのだった


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華麗なステージに湧く観客席だが
そんななか、コハク・ソーロッド(こはく・そーろっど)杜守 三月(ともり・みつき)につれられ
【裁きの光】の狙撃を決行してしまったミリア・アンドレッティ(みりあ・あんどれってぃ)及川 翠(おいかわ・みどり)と共に
お説教を食らっていたのはここだけの話である
 
 (結局お姉ちゃんだってやってるじゃん!馬鹿なの?ねぇ馬鹿なの!?)
 (だ……だって、かわいいもふもふがピンチだったから、つい……ごめんなさぁぁぁぁい)