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湯けむりお約束温泉旅行

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湯けむりお約束温泉旅行

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3.湯けむり温泉 ――堪能する人々

「ほわあ、すごい湯けむりですねー」
「あっ、ほらほらあっちの方空いてますよ」
「ふうん……結構ぬめりがあるお湯なのね」
 湯けむり温泉に、3人の少女の姿。
 高峰 結和(たかみね・ゆうわ)レイナ・ミルトリア(れいな・みるとりあ)雨宮 七日(あめみや・なのか)の3人。
 温泉で女子会が開かれようとしていた。
「皐月さんは呼ばなくてよかったんですか?」
「いいんですよ部屋で留守番してますから」
 結和の問いに素っ気なく答える七日。
 自分が行くと周囲が気を使うだろうからという理由で、日比谷 皐月(ひびや・さつき)は留守番中。
 もっとも、いればいたで大変なことになっていただろうが……
「そうですか。その、レイナさんは……」
「私は好きにやってるわ」
「そ、そうですか……」
 いつもと違い、妙に冷淡な様子のレイナに結和はしょんぼりと肩を落とす。
 彼女の内面に何が起きているか、今は誰がいるかなど、彼女が知る由もないのだから。
 しばし、無言で温泉につかる3人。
 しかし、次第に3人とも顔が赤くなってくる。
 それは、のぼせたのとはまた違う感覚で。
(う……なんでしょう。何か、温泉の感覚がさっきまでとは違うような……)
(なにかしら、コレ。なんだか、くすぐった、い……)
(……んっ、どうしたのかしら……)
「……あの」
「ふぁっ」
「んあっ、な、何かしら」
 結和の声に、つい過剰に反応してしまう七日とレイナ。
「お、お二人は、なんともないのです……?」
「え、そ、それは……」
「な、なんのことかしら」
 思わず結和に同調しようとする七日だが、レイナの言葉に自分の台詞を飲みこむ。
 レイナはといえば、思わず強がってしまったがそろそろ体は引っ込みがつかなくなっていて。
 強がって、気を張っていなければもう駄目な状態になっていた。
「そうですか……」
 二人から否定されてしまっては自分の気のせいかと黙るしかない結和。
 しかし、彼女の入浴着の下がぐにぐにと蠢いているのを見て、押えようとしても押えきれず、逆にもっと激しく蠢いたりなんかするのを見て。
 ようわく、結和はこの温泉の中にいるモノに気付く。
(……ラフィルド?)
 温泉の中にいるものは、正解とばかりに結和の背筋を撫で上げる。
「あ……ひゃんっ!」
 思わず声が漏れる。
 その声が引き金になったのか、レイナも七日も体をびくりと痙攣させる。
(……くっ、何、これは……)
 体中を弄られるような感覚に、実はもう息も絶え絶えなレイナ。
 しかし、人の目のあるところで声をあげるわけにも、弱い所を見せるわけにもいかない。
(こうなれば、他の誰かに……っ)
「あ、あら結和さんどうしたんですか変な声を出して……」
「あの、これは、ラフィルドが……」
「七日さんも七日さんです。そんなに真っ赤になって、物欲しそうに……」
「こ、これは……」
 レイナの手が、指が七日に伸びる。
 つ、と首筋に。
「ぁあっ……」
 既に限界だった七日の体から理性を剥離させるのに、その刺激だけで十分だった。
「あ……あぁ」
 レイナの指は首から胸に。
 指一本だけの微弱な刺激。
「どうしました?」
「あ……もっと……」
「もっと?」
「……欲しい……」
「それが人にものを頼む態度かしら?」
「はぁっ……ん……く、くださいぃ……」
 既に完全に陥落していた七日は、レイナの前に身を投げ出さんばかりにして懇願する。
「最初っからそんな風に素直にしていれば、こんな面倒な事にならなかったんですよ……っ」
「あぁんっ! す、すいませぇん……っ」
「もう遅い、で、す……」
「あぁっ、やぁあんっ」
 互いに息を荒げながら、本性をさらけ出し淫猥にふけるレイナと七日。

 一方、結和は。
「……あ、ラフィルドさん、ちょっと……」
(……いや?)
「そ、その、嫌……ではないんですけど、は、恥ずかしい、ので……」
 こぷりと赤い温泉から顔を出した赤い少女、ラフィルド。
 彼女の「きもちよくさせる」方法によって、結和も翻弄されレイナと七日の痴態もほとんど頭に入らなくなっていた。
(いやじゃないなら、もっとよくしてあげる)
「あ……ちょっと、あぁあ……っ」
 結和を中心に、ぬるぬるとお湯が蠢く。

 ぬるぬるの時間、きたー!