リアクション
第十二章 次はきっとうまくやってくれるでしょう
「……結局どういうことだったの?」
「俺にもわからん……」
デブリーフィング翌日。エリスと昌毅、那由他は元の世界であの世界の事を話し合っていた。
三人は、目を覚ますと元の世界へと戻っていた。どうやら元の世界では、最後に寝ようとしていたらしく今までの出来事は夢だったのではないか、とも思った。
「けど、夢なんかじゃないわよね。あたしははっきり記憶に残ってるし」
「俺も同じだ。ついでにカスケードの奴も、記憶に残ってるみたいだったな」
「あれ、確か爆死したはずよね? 無事だったの?」
エリスの問いに昌毅が頷くと、横にいた那由他が呆れたように肩を竦める。
「昨日の事がよっぽど恐ろしかったようでな、部屋の隅でガタガタ体育座りで震えていたのだよ」
「って事は他の爆死した奴らも無事だってことでいいみたいね……」
「だろうな……結局何だったかはわからないがな」
そう昌毅が言った時であった。
「あ、みんなーおはよー!」
なななが、エリス達に駆け寄ってきたのである。
「「「!?」」」
思わず身構える三人に、なななが苦笑する。
「やだなーもう何もないよー。でも昨日は盛り上がったねー、ディストピアごっこ!」
「「「……は?」」」
一人楽しそうに語るなななに、三人はぽかんと口を開ける。
「あれ? みんなに説明しなかったっけ?」
そう言うと、なななはあちゃーと頭に手を当てると語りだした。
――曰く。
偶々ディストピアというアンチユートピアの世界観を題材にした映画かゲームをなななは観たという。
それを観て、なななは思った。実際に自分もやってみたい、と。
しかし普段皆は忙しい。そこで皆眠っている間に電波でなんやかんやして(この辺りはなななにもうまく説明できないらしい)、皆の意識を共有させて夢の中でゲームを行っていたのだという。
つまり、あの世界はゲームの舞台。なななは単に役割を演じていただけだという。
「いやー、普通だったら全滅でもおかしくないらしいからね。でも楽しかったねー。また暇があったらやろうねー」
そう笑うななな。
その笑顔に、三人はイラっとした。
三人は顔を見合わせると、お互い頷いた。
「……あれ? みんななんか怖いよ? あとなんでななな捕まえられてるの?」
なななの両脇を、エリスと昌毅が逃げられないように掴んでいた。
「いやいや、暇があったらじゃなくて今からやるぞ」
「そうそう。とりあえずコミーに染め上げる所から始めるわね」
昌毅とエリスが笑顔で言った。その顔は笑っていたが、目の奥は笑っていない。
「え、ちょ、怒ってる? え、ちょ、ちょっとー!」
戸惑うなななは、そのまま何処かへと連れて行かれた。
――次のなななはきっとうまくやってくれるでしょう。多分。
担当したマスター、高久高久は処刑されました。
次はきっとうまくやってくれるでしょう。
※詳細はマスターページなどで述べます。遅くなりまして申し訳ありませんでした。