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夏の雅に薔薇を添えて

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夏の雅に薔薇を添えて

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第8章 名残時6


彩々では、後片付けがすでに始まっていた。


「あー、マスコット狼ってのも疲れるな。 まぁ、子供と戯れてるのは楽しかったけどよ」
「昶、結構ノリノリだったでしょー」
「けっ、ばれてたか」
「あの……清泉さん!」
「ああ、陽君か。 どうかしたの? 今日はお疲れ様」
「そ、お疲れ様です。 今日はその……色々とありがとうございました。
 ボクも少し…頑張ってみようかなって、思えました」
「なら良かったんじゃない?」


そう言ってそっけなく去っていく北都。


「おいおい、随分だな」
「もう僕が心配しなくても彼なら大丈夫だよ。
 それに今彼が向き合うのは自分だけじゃないってことさ」





「清泉さん……」
「こんなとこにいたのー? 探したよ」
「テディ?」
「今日一日働いてさ。 人に仕えていたい……って気持ちが
 満足するかなって思ったけど、やっぱりダメだった」
「どういうこと?」
「やっぱり俺が仕えたいのは1人なんだなーって気づいたよ」
「なっ!? だから僕は男だからダメなんだ!」





いつも通り、仕えていたいテディと仕えられたくない陽。
だが陽の心の中では変化が起きていた。


嫌がるだけではなく、自分から何かをしてみたり、
分かろうとすることは、必要なことかもしれないと……