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八月の金星(後)

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八月の金星(後)

リアクション


【十一 】

 ケーランスのオープンカフェで、綾瀬は複雑そうな表情を浮かべながら、携帯に届いたメールをじっと眺めていた。
 そのメールの送り主は、若崎 源次郎(わかざき げんじろう)であった。
 内容は、いよいよ地球に於いて、イレイザードリオーダーと決戦に入る旨が、簡単に記されてあったのである。
(どうして……)
 綾瀬は、心の奥で小さく漏らした。
(源次郎様はひとりで、背負い込もうとなさるのでしょう)
 勿論、明確な理由は分かっている。
 源次郎がイレイザードリオーダーに対して用いようとしている機晶爆弾ノーブルレディは、ディムパーティクルの電磁波動を破壊するように調整されているのだが、そのエネルギーはコントラクターの脳波をも破壊する威力を秘めている為、綾瀬を傍らに置いて戦う訳にはいかなかったのだ。
 だがそれでも、綾瀬は何とか己の実力を高めて、源次郎と共に戦いたいとの思いを抱いていた。
 だからこそ余計に、ひとりで戦いに挑もうとする姿勢が歯がゆく思えて、仕方がなかった。
 考えても考えてもただひたすら、溜息ばかりが漏れてくる。
 綾瀬は、コントラクターとは所詮この程度のものかと、自嘲したくなる気分であった。
 と、そこへ。
「おや、またお会いしましたね」
 テーブルの傍らに、エージェント・ギブソンの黒いスーツ姿があった。
 綾瀬は席を立って一礼し、先般の情報提供に対する礼を述べた。
 これに対してエージェント・ギブソンは、神妙な面持ちで会釈しながら、こう応じた。
「ウィシャワー提督が、軍法会議の壇上に登ったようです。今後は、以前私がお話しした内容を、積極的に広めていって頂けますれば幸いです。シベルファーの渡り島はイレイザードリオーダーと同じ種類の存在であり、シャンバラのみならず、パラミタ全体にとって危険な存在です。是非、あの情報を有効活用して下さい」
 それだけいい残すと、エージェント・ギブソンは綾瀬の前から去っていった。


 パラミタ内海に、嵐が吹き荒れようとしている。
 だが、それはまた別の話であり、物語として語り継がれることがあるのかどうかも、定かではなかった。




『八月の金星(後)』 了

担当マスターより

▼担当マスター

革酎

▼マスターコメント

 当シナリオ担当の革酎です。

 前回の続きとなりますが、まだ相変わらず、行動内容がぼんやりしてて、何がしたいのかよく分からないアクションが幾つか見受けられました。
 ただ字数が多いだけで何をしたいのかが分からないアクションというものは、労力に反比例して、活躍度合いはどんどん下がります。

 逆に字数が少なくても、やりたいことがはっきり分かる内容は幾らでも動かしようがあります。
 何をするのか、何をしたいのかを明示して、マスターの脳裏に明確なシーンを描かせることが出来れば、活躍の可能性は無限大に広がります。

 やりたいことは、シンプルに。
 それに付随する補足を、詳細に。

 そうすれば、アクションは飛躍的に良くなります。
 是非、御一考下さい。

 それでは皆様、ごきげんよう。



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2013/08/29 運営チームからのお知らせとお詫び
今回のリアクションで配布されました一部称号につきまして、
運営チームによる誤り(LCへの通常尉官称号の配布)がございましたため、修正を行わせて頂きました。

この度はユーザー様、担当マスターにご迷惑をお掛けしてしまいましたことを
深くお詫び申し上げます。