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赤と青の鼓動、起動するは人型古代兵器

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赤と青の鼓動、起動するは人型古代兵器

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これからのこと


〜遺跡外部〜

 突入班がクリーゼを連れ、外に出ると外の戦いは終結していた。
 どうやら中枢が爆発した際に、クリミナもその機能を停止させたようだ。
 クリーゼを研究所の中央に下ろすと、契約者達はそれぞれの目的を持ってその場を後にした。
 空を見上げるクリーゼ。
「これでよかったんですか? ほんとうに……これで」
 崩壊した遺跡を眺めていると景色が揺らぎ、滲んでくる。
 彼の目から涙が零れ落ちた。
「これから私だけで……一体どうしたら……エリィ……教えてくれ」
「そうですね、まずは送られたデータを検証して場所を割り出すことを推奨します」
「そうそう……場所を割り出して……でもその後は?」
「もう機体はないですから、何らかの手段を用いて破壊した方がいいかと。今回の様に協力してもらうのも手の一つですね」
「……え?」
「はい? なんでしょう? 私の顔に何かついていますか?」
 クリーゼの前に水色の髪をした少女が立っている。声と口調は……どう考えても、エリィであった。
「ただいま……です」
「え、あ、はい。お、おかえりなさい? え?」
 ただただ混乱するクリーゼの前にルカとダリルが現れる。
「あちゃー……やっぱ何の説明もしなかったか、この子は」
 溜め息をつきながら、クリーゼに抱きついているエリィを眺めるルカ。
「きっと早くクリーゼの顔を見たかったのだろう。説明は俺達がした方がいい」
 ダリルはそのまま説明を始めた。
「遺跡の中にいた時にエリーと名乗る者から通信が入ってな。その指示に従ってエリィのスペアボディを用意していたという事だ」
「スペアボディ?」
「そうだ。見た目等は人間そのものだが構成としては、俺達のような剣の花嫁、もしくは機晶姫に近いようだ。まだ調査も詳しくはしてないからよくわからないがな」
 少し自信たっぷりにエリィが言う。
「爆発の寸前までに全データを移動したのです。あれだけの短時間でそれができた私はすこいんですよ? クリーゼ、褒めてくれてもいいんですよ?」
「あはは……」
 困ったようにクリーゼは笑った。
「それで? これから二人はどうするの?」
 ルカがクリーゼとエリィに尋ねる。
「そう……ですね。情報を整理してエリーの言っていた、他のエリーを探してみようと思います。もし、また物騒なことになったら色々ご迷惑をお掛けするかもしれません」
「なるほどね。もちろん、こっちも手が空いていたらお手伝いするわよ」
「そうだな、それがいいだろう。クリーゼ、君にこの連絡先を渡しておこう。何かあったらシャンバラ教導団を頼るといい。きっと力になれるだろう」
 それを受け取りクリーゼは礼を言う。
「ありがとうございます。その時は頼らせてもらいますね」
「もちろん、再就職先で困っていても力になるが?」
 割と本気の声色のダリルの発言を笑って躱すクリーゼ。
「あははは……まぁ、考えておきます」

 少し談笑した後、クリーゼとエリィは研究所の中へと入っていった。
 二人の姿が見えなくなってから、ルカは誰に言うでもなく言葉を発する。
「あーあ、いいのかな。挨拶しなくてさ」
 柱の陰から、黒髪の人物が姿を現す。髪のてっぺん辺りがはねている、水色の目をした気怠そうな男性。
「……何も言う事はない」
「だって、あなたの大切な人――エリーの妹みたいなものなんでしょ? あのエリィさんはさ」
「…………」
「せっかくスペアボディも貰ったんだしさ」
「…………」
 ルカは手を大仰に広げ溜め息をついた。
「だんまりかー。まぁいいけどね。これからどうするの……? ガルディア」
 ガルディアと呼ばれた男性は背を向け歩き出す。
「…………すまない」
 その背を見送りながらダリルは言う。
「不器用なのだな、あの男は」
「うん。でもさ、自分の大切な人を守ろうと奮闘して力尽きて……目が覚めた時に自分がその人に助けられたって事実しかなくて。でもその人に何ももう言えない、伝えられない。一体、どのくらい悲しいんだろうね」
 少し肩を落とすルカの頭をぽんぽんと軽く叩くダリル。
「悲しいかどうか……それを決めるのは俺達じゃない。あの男……ガルディアだ」
「うん……そうだね」

 二人はガルディアの姿が見えなくなるまで見送った後、レイに乗り込みその場を後にした。

担当マスターより

▼担当マスター

ウケッキ

▼マスターコメント

始めましての人もそうでない人もこんにちわ。ウケッキです。

いやぁ……久々のロボットシナリオ。楽しく書かせて頂きました。
元々、某ロボットシミュレーションゲームが好きな私としてはこういう話が大好きです。

でもま、書きたくても技術が追いついて……げふんげふん。
それでは皆様、また見てくれることを祈りつつ、今回はこの辺で。


▼マスター個別コメント