リアクション
■幕間
1回戦が終了したところで、お昼にちょうどいい時間になった。
観戦を兼ねた場所取り係だったブルーズ・アッシュワース(ぶるーず・あっしゅわーす)は、巨大な風呂敷包みを抱えて、天音達が戻るのを待っていた。
「うわすげえ」
広げられた弁当を見て、ハルカやトオルが歓声を上げる。
「これ全部ブルーズが作ったのか?」
「当然だ」
「僕が最後に見たよりも更に多いね」
黒崎 天音(くろさき・あまね)もくすくすと笑う。
確か、おにぎり、卵焼き、唐揚げ、タコさんウインナーまでは確認していたのだが。
「コユキもクロも1回戦敗退しちまったんだな、残念。
クロのデッキ面白かったな」
「『光と闇のデッキ』、というところかな」
賑やかに食べていると、
「あらっ! 此処にいたのね!
トオルや迷子ちゃん達もこれに参加してたのね〜」
と、派手な私服のニキータ・エリザロフ(にきーた・えりざろふ)も現れたりして、一層賑やかなランチになる。
一番端の方では、ヘル・ラージャ(へる・らーじゃ)がぺったりと早川 呼雪(はやかわ・こゆき)に張り付いていた。
呼雪の対戦が終わった直後くらいからだ。
「負けちゃって残念。でもあの時呼雪かっこよかったよー」
いやいつも可愛いけどね!
などと言ってくっついてくるヘルを、呼雪は半ば諦めてそのままにしている。
ニキータが最初に「あらお熱いわねえ」と笑って言ったくらいで、その後周囲も空気を読んで突っ込まない。
いやむしろ、ここは突っ込んでくれるとヘルが離れてくれるかもしれないので有難いのだが。と、あまり人前ではベタベタされたくない呼雪は思うのだが、結局、口には出さずにそのままなのだった。