リアクション
■エピローグ
「これで良し」
ダリルの飛空艇におけるオペ室で、調整を終えたダリルは魔王の肩を軽くたたく。
「おお、さっきよりも体が軽いですぅ! ぬっ、つまりは飛べるようにもなったってことですかぁ!?」
「それは、校長に許可を取ってからだな」
よしっ、と意気込み飛び出す魔王を見て、彼女にこっそりと組み込んだGPS機能が動いていることを確認する。
だが、部屋を飛び出した魔王はルカルカとエンカウントしたらしく、エリザベート同様に悲鳴を上げていた。
シャッター音が聞こえるのはルカルカが記念と称して写真を撮っているからだろう。
「随分手間をかけたですぅ」
何故だか疲れた顔をするエリザベート本人は、いつもの服ではなく教導団の制服を着ている。
きっとルカルカに着せ替えられたのだろう。
「気にするな、約束の1つだ。 ところでヒュドラはどうなった?」
「ああ、あれは……」
「大変ですのー! うどんがなくなりますのー!!」
どたばたと音を立ててやってきたイコナは、なぜか頭にうどんを被っている。
咄嗟に窓から外をのぞくと、山積みのうどんを貪るヒュドラと必死に食べさせているノーンやティーの姿があった。
鉄心や陽一はその姿を遠巻きに見ている。
「……まぁ、原因は私にあるですぅ。 責任はこっちでもつですぅ」
「なんか、おねーさんみたいじゃないの?」
魔王の調整を手伝っていたセレンはエリザベートの魔王に対する行動を見てそう感じていた。
「似たようなもんですぅ」
「おっと、否定しないのね」
セレアナは計器の数値を確認しながら、微笑んだ。
「そうだ、これを」
ダリルは魔王にGPSの座標受信機を手渡す。
「また、魔王が迷子になったら使ってくれ、こっちでも持ってるから遠慮はいらない」
「助かるですぅ」
エリザベートは受信機を懐にしまう。
「うひぃ! 止めるですぅー!」
隣の部屋から魔王の悲鳴。
しばらくはこっちの世界も騒がしくなりそうだと、この場の面々は感じていた。
参加していただいた皆様、お疲れ様です。
蘭鈴六(らん すずろく)です。
再び魔王が起こした珍事、今回は現実世界が舞台でしたが如何でしたでしょうか。
皆さんのおかげで無事に魔王は助けられ、
現実世界に関しても、既に楽しいと感じる部分が強く生まれています。
そんな彼女は既に現実を気に入っているようです。
また、今回魔王の部下一号になったヒュドラはイルミンスール近郊の森で飼われることになりました。
何故か、大好物はうどんで、食べる量が半端なくエリザベートの悩みの種の1つになっているようです。
次回のシナリオもご参加いただけると幸いです。