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魔王からの挑戦状? ~起動せよ魔王城!~

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魔王からの挑戦状? ~起動せよ魔王城!~

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「魔王軍のイコン部隊の被害は甚大。 鋭峰軍の戦艦も一隻沈んだようですね」
「流石だな十六凪よ、我がオリュンポスパレスは圧倒的ではないか!」
 突如として戦場に現れた起動要塞オリュンポスパレスの指令室にてドクター・ハデス(どくたー・はです)は被害を受けた両軍を見て高笑いしていた。
 対して、天樹 十六凪(あまぎ・いざなぎ)はそんなハデスに慣れているのか淡々と両軍の被害状況を確認している。
「フハハハ!我が名は世界征服を企む悪の秘密結社オリュンポスの大幹部、天才科学者ドクターハデス! ククク、魔王エリザベートよ。 真の魔王城がどちらか、はっきりさせてやるとしよう!」
 1人で笑い続けるハデス。
「よし、通信繋げ! 宣戦布告と行くぞ!」
「了解です、ハデス君」
 ふと思い出したように言うと、十六凪は待っていたのか淡々と通信を繋いでくれる。
「フハハハ!我が名はドクターハデス! 真の魔王城、オリュンポス・パレスの主だ! さあ、大人しく降伏するがいい!」
『まーたお前ですかぁ!?』
 全域通信で響くハデスの声にいち早く反応したのは魔王だった。
 最も、彼女よりも早く反応した者もいたが、またかといった様子で反応を返す気もなかったようだ。
「そうだ! 大人しく降伏して大魔王の元に集うがいい!」
『何言ってやがるですぅ! んな状況じゃねぇですぅ!!』
 ウイルスによって魔王城が浸食され、危機的状況に陥っているのは第三軍として構えていたハデスには伝わっていないようだ。
『そうだな、今は緊急事態。 大人しくしてくれると助かるのだが?』
 魔王に続くように鋭峰はハデスに告げる。
「つまり、降伏はしないと?」
『聞いてねーですぅ、とっとと先に進むですぅ』
 魔王の通信から聞こえてくるエリザベートの言葉等一切耳に入っていないのか、ハデスはくくっと低い笑いを浮かべた。
「よぉし! もう一度ビックバンブラスト発射だ!」
 意気揚々と、楽しそうに指示を出す。
「それは無理ですよ、ハデス君」
「なんだと!?」
 だが、十六凪の返答に素っ頓狂な声を上げるハデス。
「このオリュンポス・パレスは、ジェネレータのエネルギー出力を最優先した設計です。 大量のエネルギーが必要なビッグバンブラストを2発発射できるだけの エネルギーが確保できるようになっています」
 説明を聞き、うんうんと頷くハデス。
「ただ、その後は、エネルギー切れで何もできなくなりますが」
 そして、沈黙。
『ふーははははぁ! 大魔王め、残念だったですぅ!』
『うるせーですぅ! とっとと進みやがれですぅ!』
 魔王が駆るイコンのコックピットからは2人のエリザベートの声と、何やら喧嘩する声が聞こえてくる。
「ぐぬぬ……どうするべきか」
 この状況をどうしようか、必死で考えるハデスであったが実際はどうにもならなそうだった。