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現れた名も無き旅団

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現れた名も無き旅団

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■名も無き旅団が街を出た後

 イルミンスール魔法学校、校長室。

「情報が集まったようじゃな」
「ですね〜」
 アーデルハイトとエリザベートは本日の協力者達の成果を確認していた。
「後はロズの報告だけじゃな。早く戻ってくればよいが。本日行ったばかりだから仕方は無いが」
「ですね〜」
 ロズはまだ帰還していなかった。
「調薬探求会の方は上手くやってくれるじゃろ。依頼はきちんとこなす者達だからのう。名も無き旅団の方は特殊な世界が現れたらイルミンスールに来るように言ったしのう」
 アーデルハイトエリザベートに名も無き旅団について訊ねた。調薬探求会についてはそれほど心配はしていなかった。調薬に関しては頼りにはしているので。
「特殊な平行世界が来た時にここにいてくれた方がいいはずですからねぇ」
 エリザベートはラールと共にプリンを食した時に頼んだ伝言の事を思い出し
「その通りじゃ。万が一が起きた際もすぐに対処が出来るからのう」
 アーデルハイトは準備は上々と満足そうにうなずいた。

 ユリス・カガツは何とか名も無き旅団が街を出る前に会う事が出来、軽く雑談をする事が出来たという。
 そして、廃棄者不明の廃棄物についてミモラにも問題の施設利用の有無を問いただした所、返答は利用した事があるという事であり、廃棄物の中には以前住んでいた家にあるスライムよりも質が悪い物も含んでいたと答えた。調査が出来たのは心当たりがあるという所までで原因になったかどうかまでは明らかには出来なかったが、エリザベート達は可能性があると強く見ており実際、ゼリー状の廃棄物は調薬探求会とミモラの廃棄物が合わさり出来上がった物であった。

 数日後。校長室。

「無事に戻ったようじゃな」
「何か分かったですか」
 アーデルハイトとエリザベートは正体不明の格好をした青年と再会していた。
「……分かった。特殊な平行世界は……」
 正体不明の格好の青年ことロズは平行世界を渡り歩き掴んだ特殊な平行世界調査の報告をした。

 報告終了後。
「協力感謝する。後の事は気にせず、双子に顔を見せるようにのう」
「ありがとうですぅ。もう出て行っていいですよ〜」
 アーデルハイトとエリザベートはロズに礼を言い退室を命じた。
「……では」
 ロズは一言言ってから部屋を出て行った。
 そして、いつもの格好に戻り、双子と再会しこれまでと変わらぬ一日を過ごし、エリザベート達はロズの報告で明らかとなった平行世界における特殊な平行世界の襲来日を元にこの世界での襲来日の推測調査を開始し日数が掛かれど襲来日をこの期間内のどの日にかに訪れるという感じで推測を打ち出した。
 記憶素材化レシピの改良については依頼した日から数日後に完成したという知らせがエリザベート達の元に届いた。

 来るべき日に備え着々と準備とは整えられた。

担当マスターより

▼担当マスター

夜月天音

▼マスターコメント

 ようやくの名も無き旅団登場に参加して頂きありがとうございました。そしてお疲れ様でした。
 皆様のおかげで名も無き旅団についての情報を集めて頂きありがとうございました。
 珍しく暴走しない双子を煽り通常運転に戻して頂きありがとうございました。
 ロズの変化を知り励まして頂いたりガスタフとミモラの再会に立ち会って頂きありがとうございました。
 ロズだけでなく名も無き旅団にも関連があった双子が本当にまともになる日が来るのは悪戯をしない双子は双子ではないという事で遠そうですが。
 記憶素材化レシピ、名も無き旅団、双子と特殊な平行世界に関わる事項が揃いどうなることやらですが、よろしくお願いします。

 下記からは本日の情報収集の報告書となります。


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【名も無き旅団についての情報収集の結果報告】



今回行われた名も無き旅団に関連する情報については以下となります。

■黒表紙の手記が存在していた平行世界について
手記の主は若い青年調薬師であり、特殊な平行世界に関わる事件の解決後、仲間に囲まれながら怯えと安堵混じりに手記にペンを走らせていた模様。
ロズの調査により平行世界における特殊な平行世界の襲来日を元にこの世界での襲来日の推測調査を開始し日数が掛かれど襲来日をこの期間内のどの日にかに訪れるという形で推測を打ち出され、世界を覆うくらい巨大であるらしい。

■旅団に取り憑いた知的生命体について
頭の中で旅団と会話可能だが、基本的で重要な話をした後は沈黙。
団員達は知的生命体の詳細は知らない。団員に伝えている事はただパラミタに立ち寄る災厄を防ぐために身体を貸して欲しいという事らしい。

■旅団の目的について
近くて遠い場所は特殊な平行世界を示し、その世界が襲来した時(廃棄物が知的生命体に変質し時や平行世界を越えた際に知ったらしい)に退けさせる目的で旅をしている模様。なぜなら退けさせるには知的生命体に多くの記憶を持たせ団員の身体から出て貰い特殊な世界に渡す必要があるため。全ては知的生命体の指示である模様。
旅の記憶が出て行った後団員は自分の記憶だけを持つ者に戻る。
役目については旅を円滑にするために知的生命体が決めた事であるらしい。
知的生命体が五つに分かれたのは、大量の記憶を効率的に手に入れるためと一番始めの奴が五人組の観光客の団体だったため。一つが五つに分かれたため一人でも欠けると全ての団員が命を落としてしまう。
旅は特殊な平行世界が襲来し退けるという知的生命体の目的を達成させるまで続く模様。
なぜ記憶を渡すのかについては、特殊な世界が食い尽くそうとするこの世界の代わりにするためである模様。旅団の一員の言によれば「世界に溢れる動物や建物には記憶があるため自分達が旅をして集めた記憶もそれと同じである」という。

■引き継ぎについて
誰かに取り憑いた知的生命体引き継ぐと同時に渡した方の寿命は終わり、手記に呑まれて引き継ぐまでの間に記せなかった部分を記憶によって補い名も無き旅団の手記として他の者の目に触れるようになるという。これもまた知的生命体の説明にあるらしい。
 知的生命体が団員の命を握っているというか繋がっているという事であり多くは寿命尽きる間近で引き継ぐ旅生活が嫌になって死を受けると知っていてもやめた者もいたらしい。
記憶を受け継ぐ者には継ぐ役目を担える事が条件であり、旅団の一員ガスタフ曰く「記憶を受け継いだ時、大量の記憶に驚いて一瞬混乱した。数えきれぬほどの映画の登場人物全ての考えや思いなどあらゆるものがいっぺんに入って来た感じだった」らしい。
手記に自分が体験した事を書き始めると混乱は収まり自分の記憶と認識出来るようになるという手記は記憶混乱を抑える作用があるが、入手先は分からず引き継いだ時になぜか手元にある模様。

■廃棄者不明の廃棄物について
調薬探求会が時々利用する場所で危険度の低く魔法含有の廃棄物を頼んでいおり、その中には黒亜関連した先の騒ぎにて登場した素材記憶化レシピの改良で出た廃棄物もある模様。
ミモラもまた利用した事があり以前住んでいた家にあるスライム状の物体よりも質が悪い物も含んでいた模様。

※心当たり程度のため原因になったかまでは追えなかったが、可能性は高い模様(しかし、実際は両者の廃棄物が重なり誕生した)。

■団員達が一員になった経緯・旅終了後の展望について
入団時期は皆バラバラだが、ここ数年に行われたらしい。
リリアンヌ(団長):入れ替え3番目。旅行中・旅をする
ガスタフ(語り部):入れ替え1番目。団員を失い往生している所に遭遇・高齢のため不明
ジナ(調薬師):入れ替え4番目。病の団員の世話をし病で亡くなった時・旅はしない
ムヒカ(護衛士):入れ替え2番目。魔物に襲われている前任者を助けたが瀕死であったためと旅が嫌いでなく戦闘が出来たため・考え中
ラール(副団長):入れ替え5番目。両親を亡くして独りぼっちだった所に寿命が近い前任者が同情したため・旅をする

■魔法中毒者ミモラについて
ガスタフの寿命が尽き、迫れば引き受ける可能性有り。
知的生命体支配の旅が終わった後の自由な旅には加わる可能性があり、ミモラに便宜を図った者が名も無き旅団の団長の頼みにより旅終了後の引き取り手続きを先回りにした模様。

■記憶素材化レシピの改良について
改良して素材化して回収しても記憶は消えない。
時間経過で素材化した記憶が現れては姿を消すため解除薬いらず。
外見は前回同様幸せな記憶ほど明るいカラフルな植物。
素材を抜くと同時に特殊な平行世界に反応して光になり自動的に目的地に向かう。
前回同様素材に触れると同時に素材化した記憶を読み取る事が可能。
魔法薬の形状はエリザベート校長達の希望により液体で空気に触れた途端霧状になるタイプにし吸引すると同時に素材化が始まる物にする模様。
知的生命体の助力があるため名も無き旅団が使用する可能性は低く彼ら以外の者が万一の際に使用者のなる可能性がある。

報告は以上。

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