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【2020修学旅行】剣の花嫁頂上決戦

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【2020修学旅行】剣の花嫁頂上決戦

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今年の修学旅行先は、学生へのアンケートで決定された。
東シャンバラの修学旅行先には、謎の国・ポータラカも上位に入ってた。
俺は、蒼空学園の校長だから、行くこともないだろうし、
どうやって行くんだろうと思ってたんだが……。

「あたし、殺(や)ります! 殺りますよ、涼司様!」

さっきから俺のパートナー、花音・アームルート(かのん・あーむるーと)は、
ムダに気合が入ってやがる。
それと言うのも、

「ポータラカ人の主催する剣の花嫁頂上決戦!
あたし達、シャンバラの剣の花嫁や、
関係ない学生まで拉致して一番を決めようなんて、
面白いじゃないですか!」

……というわけなんだ。

(そうだ。パートナーとともに殺し合いを行い、
生き残った者には望む形状の強化光条兵器をやろう)

さっきから声だけで、姿が見えないポータラカ人は、ルールの確認なのか、同じことをまた言っている。

「わたくし達が勝利することなど、明白なのですが。
さっさと勝たないと、変な称号をつけられてしまいますわ」
「ティセラか花音が『剣の姑』で、私とセイニィか、リフルとエメネアが『剣の小姑』……」
「冗談じゃないわ、そんな変な称号、絶対お断りよ!」

十二星華で、今は西シャンバラロイヤルガードの
ティセラ・リーブラ(てぃせら・りーぶら)
パッフェル・シャウラ(ぱっふぇる・しゃうら)
セイニィ・アルギエバ(せいにぃ・あるぎえば)の3人も連れて来られている。

ティセラも最初は余裕だったんだが、エキサイトしてるのはポータラカ人の宣言のせいだ。
花音特務隊と、ティセラ達3人のどっちかに、
「剣の姑」と「剣の小姑」の称号を与えるとか言い始めたんだ。
もし、花音が負けたら、俺は「剣の舅」になるんだろうか?

「剣の小姑になるのもイヤですけど、
マ・メール・ロアのチンパンコが世間でどういう略され方してるか私に教えなかったティセラ、
絶対許さないですー!」
エメネア・ゴアドー(えめねあ・ごあどー)が、
エコバッグ型光条兵器を振り回している。
ゴアドー島の遺跡でブライド・オブ・パイクを探索に行ったときには、
アレでモンスターを切り裂いて倒していたらしい。
実はおっかないよな。

「最強決定戦と言うことは、いずれ、私達も戦わなければいけないはず」
リフル・シルヴェリア(りふる・しるう゛ぇりあ)が、
ザル型光条兵器を握りしめて言う。
実は、あのザルから発射されるラーメン、「光の替え玉」は、
イコンに匹敵する破壊力を持つらしい。
……茹でるのに時間がかかるらしいんだが。

★☆★


俺達がポータラカ人に拉致されてきたのは、
広大な雪原にある遺跡だった。
雪原には、墜落した謎の飛行物体とかもある。
雪原に遮蔽物はないが、
遺跡や飛行物体の中なら、隠れる場所もあるだろう。

雪原の周囲は針葉樹林が広がっている。
あと、雪原の北側は断崖絶壁みたいだ。

「ティセラや他の剣の花嫁を全員殺して、
あたしが最強の剣の花嫁になります!」
「ううう、ティセラ……チンパンコの恨みを晴らすですー」
「……寒い。早くラーメンが食べたい」
「十二星華の意地にかけて、負けませんわ!」
「サバゲーだと思えば楽しいかも」
「どいつもこいつもグレートキャッツで切り裂いて、とっとと終わらせて帰るわよ!」

……。

「何してるんですか、涼司様!
勝負はもう始まってるんですよ!」

うおっ!?

花音に引っ張られて、俺は雪原の方に連れて行かれた。