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第36章 甘いゲーム

 薔薇の学舎内にあるイエニチェリ早川呼雪の薔薇園に、生徒達が集まっていた。
 用意した幾つかのテーブルに、白やエメラルド色のテーブルクロスを敷いて、生徒達は仲間を待っている。
「来て下さったのですね」
 客人の訪れに真っ先に気付いたのは、エメ・シェンノート(えめ・しぇんのーと)だ。
「折角の招待だからな。尤も、美しくないようならば長居は出来ないが」
 そう答えたのは、薔薇の学舎の校長ジェイダス・観世院(じぇいだす・かんぜいん)だ。
「今日は貴方にお渡ししたいものがあります」
 エメは休ませていたワイルドペガサスを一頭、ジェイダスの前に連れてくる。
「この子を助けた時、真っ先に貴方の事が思い浮かびました。凛として美しく、決して誰も乗せようとしないプライドの高さ。貴方であればきっとよき乗り手になるだろうと思います」
「美しき牡馬よ――お前は、私のモノとなることを望むか?」
 エメから、ジェイダスに手綱が渡される。
 ジェイダスが手を伸ばすと、ワイルドペガサスは警戒するかのように嘶いた。
「なるほど、気骨のありそうなペガサスだ。戴いておこう」
「はい。後……個人的に、優雅に空を舞う貴方を見たいと思いまして。できれば見せて頂けませんか?」
「それはもう少し、私に懐いてからにさせてもらうよ」
「楽しみにしています」
 エメは恭しく礼をして、少し後ろに下がった。
「チョコフォンデュかな」
 テーブルの上に用意されているものを見て、ジェイダスと共に訪れたルドルフ・メンデルスゾーン(るどるふ・めんでるすぞーん)が声を上げた。
「……そうだ。先に座っていてくれ」
 ルドルフを誘った人物、ブルーズ・アッシュワース(ぶるーず・あっしゅわーす)は、準備に勤しんでいる。
「地球の菓子か。下らんな」
 同じくジェイダスと共に訪れた、ラドゥ・イシュトヴァーン(らどぅ・いしゅとう゛ぁーん)はあまり機嫌が良くなかった。
 バレンタインにジェイダスが呼び出されたことが気に食わないらしい。
「まあまあ、こっちに座って座ってー」
 ヘル・ラージャ(へる・らーじゃ)がなれなれしく声をかけて、椅子を引いてラドゥを招く。
「お忙しいところ、お越しいただきありがとうございます」
 早川 呼雪(はやかわ・こゆき)が感謝の言葉を述べる。
「貴様に呼ばれたからではない。ジェイダスに頼まれて来てやっただけだ」
 ラドゥは不機嫌そうな顔のまま、顔を背けて席についた。
「お飲物は何にいたしましょうか?」
 テーブルに皿を並べて、空になったトレーを手にユニコルノ・ディセッテ(ゆにこるの・でぃせって)が尋ねた。
「アールグレイ。砂糖はいらん」
「了解いたしました」
 ユニコルノは礼をして、ティーポットと茶葉を取りに、給仕用のテーブルへと向かう。
 ジェイダスとルドルフも着席したところで、ブルーズがチョコレートファウンテンに、溶かしたチョコレートを流し込んでいく。
 ファウンテンは2台用意してある。1台にはミルクチョコ。もう1台は甘いものが苦手な人向けのビターだ。
「おおー。すげーっ!」
 声を上げたのは、着席している人物ではなく、校門の方からやってきたゼスタ・レイラン(ぜすた・れいらん)だった。
 彼の護衛(兼監視)を務めているファビオ・ヴィベルディ(ふぁびお・う゛ぃべるでぃ)も一緒だ。
「俺は両方届く席がいいぜ〜」
「席は好きに移動して大丈夫だよ」
 くすりと笑みを浮かべて、黒崎 天音(くろさき・あまね)がそう言った。
「来てくれたんだ……」
 鬼院 尋人(きいん・ひろと)は、ひそかにほっと息をついた。
 東シャンバラ主催の合宿の際に、尋人はゼスタに反発をしてしまった。
 その後、シャンバラ古王国の離宮への作戦に、彼が加わってくれたこと。当時総指揮官だった神楽崎優子のパートナーとして、影で色々動いてくれていたと思えること。
 そのことで、ゼスタへの印象が変わっていった。
 深く心残りのあったあの場所に再び行くことができたことに、尋人は彼にも、あの場にいた人達にも礼が言いたいと思っていた。
 そんな尋人の口から出た誘い言葉は『スイーツっぽいパーティーやるみたいから……先生さえ良かったら……』という、ぎこちないものだったが、ゼスタは都合をつけて顔を出してくれた。
「これ土産。ヴァイシャリーにある老舗菓子屋のティラミス。軽く冷やした方が美味いかも」
「あ、ありがとう。クーラーボックスに入れておくよ」
 尋人はゼスタから土産を受け取って、氷の入れてあるクーラーボックスにティラミスの入った箱を入れておく。
「これは俺……僕から。お誘いありがとうございます。今日は主催者側ですよね?」
 ファビオもヴァイシャリーで購入してきたお菓子――アーモンドタルトを、ジュリオ・ルリマーレン(じゅりお・るりまーれん)に渡した。
「いや、私も誘われたようなものだ。今日はゆっくり話を聞かせてもらおうか」
「……はい。っと、その前に」
 ファビオはもう一つ、紙袋を持って黒崎 天音(くろさき・あまね)に歩み寄る。
「これ、ラズィーヤ様からキミへ」
「……え?」
 差し出されたものに、天音は軽く驚いた。
「友チョコだって。俺ももらったよ」
「あ、そう。ありがと」
 天音はそのリボンのついた茶色の紙袋を受け取った。
「俺やゼスタが貰ったのは、キミの半分くらいの大きさの義理チョコだったけどね」
 軽く笑みを残して、ファビオはジュリオの隣に戻っていく。
 天音は戸惑いを覚えながら、袋を開けてみる。
 中には、メッセージカードと金色の箱が入っていた。取り出さずに、手を入れてそっと蓋をずらしてみると、箱の中には焼き菓子が入っていた……ザッハトルテのようだ。
 折りたたまれていたメッセージカードも指で開いてみると、彼女の直筆で『楽しいお手紙をありがとうございます。機会がありましたら、お茶でも飲みながら直接お聞きしたいですわ』というようなことが、書かれている。
 軽く笑みを浮かべて、天音は箱に蓋をして袋を閉じた。
 天音も先日、各所で見分した興味深い話を綴った手紙、それからラズィーヤ・ヴァイシャリー(らずぃーや・う゛ぁいしゃりー)が口にしていた『逆チョコ』を送っていた。
 カードは手紙のお返し。ケーキはどうだろう……お返しだろうか、自分に友情を感じてのものだろうか。
 ただ素直に、天音は嬉しいと感じていた。
「そうだ、俺も預かりものがあるんだった」
 チョコレートファウンテンを楽しそうに見ていたゼスタが、ポケットから封筒を取り出してユニコルノに近づいた。
「神楽崎からの預かりもの。多分、アレナチャンから、キミへのラブレター」
「はい……?」
 不思議そうに、ユニコルノは差し出された封筒を受け取った。
 ユニコルノはアレナ・ミセファヌス(あれな・みせふぁぬす)をもパーティに誘いたかったけれど、彼女はまだ本調子ではないことから、誘うことは出来なかった。
 お誘いできなくて残念ということと、近況を尋ね、平穏を祈る旨、手紙に記して送っていた。
「あ、お返事ですね……」
 ユニコルノはテーブルから少し離れて、1人でその封筒を開いた。
 中には便箋が一枚だけ入っている。
 『検査の為にまだ入院していますけれど、元気です。来月には復学できると思います。でも学校より優子さんの……』
 手紙には、自分のことはほんの少しで、パートナーの優子のことばかり書かれていた。
 そして、最後に手紙のお礼、ユニコルノを気遣う言葉、そして『呼雪さんによろしくお伝えください』と、書かれている。
 アレナらしいと思いながら、ユニコルノは大切にその手紙を裏ポケットの中にしまった。
「あ、呼雪。そちらは私が運びますので、席についていてください」
 具材を運ぼうとした呼雪の元に走り寄り、彼の手からユニコルノはトレーを奪った。
「ユノもこういう時くらい楽しめば良いのに」
 そう言う呼雪に、
「こうしている方が、落ち着くのです」
 と答えて、ユニコルノはテーブルに具材や食器を運んでいく。
 苺、さくらんぼ、バナナ、マシュマロ、ビスケット、オレンジ、ミニクロワッサン、それから、紅、白、黄色、ピンクの薔薇の砂糖漬け等が、エメにより用意されていた。
 ユニコルノの他にブルーズも給仕を行っているため、特に手伝えることもなくて、呼雪はすでに食べ始めている皆に混ざって、のんびり楽しませてもらうことにした。
「呼雪♪ 呼雪♪」
 椅子に座って待っていたヘルが、呼雪にあーんと口を開けてくる。
 その姿から、餌を強請る雛を想像しつつ、まずはイチゴからチョコをつけて口に運んであげる。
「う〜ん。おいしー。次♪ 次♪」
「何でもいいのか?」
「呼雪が選んでくれたものが食べたいー。あ〜ん」
「仕方ないな……」
 続いて、呼雪はマシュマロにチョコをつけて、ヘルの口に運んであげた。
「ところで早川。リクエストのチョコレート、本当に作ってくれたんだ?」
 天音がテーブルの上に飾りのように置かれている薔薇のチョコレートを指差した。
「ん? ああ、作ってみると、結構面白かったぞ」
 その他にも、小さく切った南瓜のマフィンも呼雪の手作りだった。
「どうぞ」
 ラドゥに勧めると、彼は皆に倣ってチョコレートをつけ、口の中にいれた。
 そして、満足げに頷く。
「いやでも、これは凄いな……」
 天音は花びらを一枚剥がして、口の中に入れた。
 溶かしたチョコレートを1枚1枚花弁条にして、重ねて、薔薇の花状に成形したものだ。
 かなり手間もかかったことだろう。
「うん、美味しい。見て楽しめ、食べて楽しめるなんて最高だね」
 食べてしまうのはもったいない気もするが、その分大切に味わわせてもらうことにする。

「そっちのも食わせろ〜」
 ゼスタが、身を乗り出して遠くの皿の上にあるフルーツを手繰り寄せた。
 ふと、隣にいた尋人の目に、ゼスタが背負っている大きな剣が映る。
「あの……先生」
「ん?」
 苺にチョコをつけて食べながら、ゼスタが尋人に目を向ける。
「いつか手合わせして欲しい。その背中の剣を抜かせてみたい」
「……いいけど。ただこの剣の一撃、重いぜ」
 ゼスタは余裕ともいえる笑みを浮かべながらそう答えた。
 ごくりと唾を飲み込みながら、尋人はわかってるというように、首を縦に振る。
 つかみどころのない、彼の実力を見てみたかった。
「先生を信じていいのかな……というか、信じたい……」
「とりあえず、ここでは俺のこと先生とか思わなくていいぞ。まあ、薔薇学生としては鬼院の方が先輩だし……呼び捨てでもいいぜ、尋人」
 そう言って、ゼスタはにやりと笑みを浮かべる。
 他の学友のように、この男のことも友人だと思っていいのか……。
 尋人はまだ、完全には信用できず、でも信じたいと思いながら、次のフルーツに手を伸ばすゼスタを見ていた。

「復活してから今まで、どのように過ごしてきたんだ?」
 ジュリオはあまりチョコレートを食べず、紅茶を楽しみながらファビオに色々と、問いかけていた。
 生きている年数は自分の方が上で、古代シャンバラ時代は上官のような立場でもあったが、現代シャンバラに先に復活したのは、ファビオの方だから。
 そのように生計を立てて、現在はどんな暮らしをしているのか、興味があった。
「パートナーの実家が裕福だから、生活には不自由していませんでした。今はヴァイシャリー家の援助を受けながら、薔薇の学舎の寮で暮らしています」
 ジュリオはファビオの話を黙って聞いていたが、彼が若干隠し事をしているようであることも解っていた。長い付き合いであったため、なんとなくわかるのだ。
「ただ、諸事情で春には転校をするかもしれません。ここでの役目は終わりのようですので……」
「お前は、ラズィーヤ・ヴァイシャリー嬢に雇われているようだが……。何故だ? 彼女に仕えずとも、お前なら仕事も簡単に見つかるだろうし、パートナーと一緒に暮らせば、生活には不自由しないのだろ?」
「そう、ですけど……」
 ファビオはごく軽く、目を泳がせた。
 実はヴァイシャリーで怪盗やってました! とか。
 ド派手な衣装をまとって空を踊り、人々の注目を浴びてました! とか。
 強引な方法のせいで、怪我人沢山出ちゃいました! とか。
 そのせいで、ラズィーヤに弱み握られて、逆らえません! とか。
 言 え な い。
 この人にだけは、言えない。
 怒髪冠を衝くことが、目に見えている。
 長時間の説教に、体罰に、ありとあらゆる仕置きを受けそうでもある。
「恩があるんです。離宮の件を解決するために、無茶を色々してしまったのですが、彼女と百合園に助けていただきました。仕えていた方の子孫でもありますから、ね」
「そうか。受けた恩には報いなければならぬからな」
「……はい」
 ファビオの返事は何故か小さかったが、ジュリオはこの場ではそれ以上何も聞かなかった。

「はいはい、宴もたけなわな所で余興の時間だよ」
 会話が弾む中、リュミエール・ミエル(りゅみえーる・みえる)が市販の菓子をじゃじゃーんと取り出した。
 チョコレートがコーティングされたスティック菓子だ。
「ゲームなんてどうかな」
 リュミエールが提案するゲームとは、このスティック菓子を2人1組で反対側から食べていき、一番短かった組が優勝となるゲームだ。
「折れちゃったり、キスした組は失格ね。賞品は……ワイルドペガサスだ」
 言って、リュミエールはエメに目を向ける。
 邸宅で多くの馬を飼っているエメは、ここのメンバーだったらと、頷いて了承する。
「それじゃ、まずは両隣の2人から」
 リュミエールは自分の隣に座っていた天音と尋人の肩をペンペンと叩いた。
 そして、天音に菓子の入った箱を差し出す。
 スティック菓子を1本受け取ると、天音は尋人に笑みを向ける。
「……え……」
 尋人は驚いて硬直していた。
「ご指名だよ。ほら、そっち咥えて」
「う、うん……」
 良く解らないまま、尋人は敬愛する天音の言葉に従って、スティックの端を咥えた。
 そして、ゲームがスタートし、次第に天音の顔が近づいてくる。
 尋人は目を見開いて何も出来ずにいた……。
「おおっと、手が滑ったーーー!」
 突如、声と共に、尋人の背に強い衝撃が走った。
 パキンと、スティックが割れて押された尋人と天音の顔が急接近、そして重……なったかどうかというところで、尋人の鼻から血が流れおちた。
「大変。保健室行く?」
 天音は咥えていた菓子を食べてしまいながら、尋人の両肩に手を当てた。
「え……血……ほけんしつ……」
 尋人はただひたすら茫然としている。
「確か今日は、保健の先生休みだったよ。救急セットとベッドは自由に使えるけど」
 ルドルフが口元に笑みを浮かべる。
「……」
 ルドルフの言葉に、彼の隣に座っていたブルーズが軽く反応を示した。
「……え?」
 尋人は、目を瞬かせる。
 天音と保健室。
 嬉しいような、怖いような。
 さっきのことも、含めて。
 身体が熱くなっていき、上を向いていても血が止まることはなかった。
「早く処置しなきゃね。それじゃ、先に失礼するよ」
 そう言うと、笑みを残して天音は尋人を連れ、保健室へと向かっていった。
「ごゆっくり―!」
 ゼスタは手を振って2人を送り出し、
「ただの介抱で済むのだろうか……」
 呼雪はそう呟きながら、見送っていた。
「……このピールは、他の物より苦いな」
 天音のパートナーのブルーズは、持参したオレンジピールにチョコレートをつけて食べながら、苦い顔をしている。
「そうでもなかったと思うけど?」
 ブルーズに勧められ、先に食べていたルドルフがそう言う。
「……そうか、気のせいか。果物が少なくなってきたな。取ってくるとしよう」
 ブルーズは果物を追加するために、立ち上がった。

「おー、さすが校長とパートナーだね!」
 そうしている間にも、ゲームは進んでおりジェイダスとラドゥが1センチほどスティックを残してゲームを終えた。
「さて、次は〜」
 リュミエールが菓子を手に皆を見回す。
 くいくい、くいくい、くいくいっと、先ほどから呼雪の服が引っ張られている。
 気付いた呼雪が目を向けると、スティック菓子を手にしたヘルが目をキラキラさせていた。
「僕達もやろうよー」
 僕達……もしかして、自分もやるんだろうかと、呼雪はリュミエールの方に目を向けた。
「カップルはもちろんやってもらわなきゃねー」
「まずい、また手が滑りそうだ。やってもやらなくても〜」
 リュミエールとゼスタがにこにこ笑みを浮かべている。
「あまり呼雪を困らせてはいけません」
 とユニコルノはヘルを注意しつつ、もう一人のいたずら者、ゼスタの腕を掴んでおく。
「別に、嫌じゃないよね、よねー。それじゃスタート♪」
 ヘルは片側を口に入れてもう片方を呼雪の口へと差し込んだ。
 呼雪も菓子を食べ始め……少しずつ2人の顔が近づいていく。
「……呼雪、あまり嫌ではなさそうですよね……」
 ユニコルノは複雑に思い、眉を寄せた。
「実はな、ユノチャン」
「……はい?」
 腕を掴まれたままのゼスタが、ユニコルノに話しかけた。
「早川宛ての、アレナチャンからのラブレターも預かってるんだ!」
 パキン
 彼の言葉に動揺したヘルと、振り向いた呼雪のスティック菓子が2つに割れた。
「残ねーん、失格!」
 リュミエールが悔しそうに声を上げた。
「……というのは、冗談だけど」
 ゼスタがにやりと笑みを浮かべる。
「悪戯がすぎますよ、ゼスタ様」
「呼雪〜……。いいよ、続きは2人きりになってからで……」
 物足りなさげに自分を見るヘルを、呼雪は軽く撫でてあげた。

 他に参加者希望者がいないことから、優勝はジェイダス&ラドゥとなった。
 ちなみに、ジェイダスは既にワイルドペガサスを貰っていたため、代わりにお好みの人物のお持ち帰りをリュミエールに勧められた。
 ジェイダスは満足そうに頷き、メンバーを見回して。
 ならば、シャンバラ古王国時代の女王の騎士について一晩かけて話を聞かせてほしいと、目を2人の元騎士に向けた……。
 が。
 色々察したルドルフが、エリオを連れて伺いますと申し出て、ゲーム終了とともにパーティもお開きになった。

 片付けを済ませた後、メンバー達はそれぞれの場所でバレンタインの夜をも楽しんだことだろう。