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リアクション
■□■5■□■ ラズィーヤ様の責任?
一方、安全な場所でパーティーを楽しむラズィーヤの元に。
「ラズィーヤさん!」
マジギレしたミネッティ・パーウェイス(みねってぃ・ぱーうぇいす)が詰め寄っていた。
「ロイヤルガードだか何だか知らないけど!
あたしはいい男をお持ち帰りしようとしたのに、
なんで『彼氏持ち』のラルクさんとか参加させてんの!?
おかげで赤っ恥よ!
ラズィーヤさんは社交パーティーやらなんだかんだで男なんてより取り見取りかもしれないけど!
あたしはあの合コンに本気で参加してたの!
もう一度、ちゃんとした合コンをセッティングしなおしてよ!
主催者として、ラズィーヤさんにはその義務があるんだからね!」
「あらあら。
恋人がいても関係ないとわたくしは申し上げましてよ?」
「そういう問題じゃないでしょ!」
★☆★
こうして、船上での騒ぎが激しくなった頃。
客船の厨房では。
佐々木 弥十郎(ささき・やじゅうろう)が、
変装して「黒川 大」の偽名で総料理長として厨房で仕事をしていた。
「こらそっち、ソース薄いぞ、何やってんの!」
「さっさと客席にサラダを展開しろ」
「黒川、メインディッシュをスタンバっておけ」
などという指揮が行われていたが。
デザートを作る段階になり、
弥十郎はパートナーの佐々木 八雲(ささき・やくも)に精神感応で話しかけていた。
「少し蒸してまいりましたね。
甘酸っぱいカクテルなど如何ですか。
気分がすっきりして、もっと笑顔が素敵になると思いますよ」
こちらも、変装して、会場の女性に話しかけていた八雲だが。
(お、この子可愛いねぇ。持ってかえっていいかな)
(兄さん、何言ってるの。それより、そっちの詳しい情報を教えてよ)
(アーデルハイトが湖に捨てられたら、
今度はラズィーヤに詰め寄ってる女の子がいるよ)
(……まったく)
弥十郎は、総料理長の名を傷つけないよう、佐々木弥十郎名で、残念な味のパンナコッタを作り始めた。
★☆★
八雲は、笑顔で、パンナコッタを配り始める。
「いかがですか、お嬢さん?」
「ありがとうございます。ちょうど甘いものがほしかったところでし……た……!?」
特にひどい味のものを渡されて、アルバ・フレスカが撃沈した。
その様子を見たラズィーヤは、ミネッティにも言う。
「ミネッティさん、せっかくのパーティーですし、デザートも召し上がったら?」
「パンナコッタ? ふーん、こんなものくらいであたしの機嫌が直ると思ったら……!?」
ミネッティも、残念な味のパンナコッタの犠牲となった。
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