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地球に帰らせていただきますっ! ~3~

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地球に帰らせていただきますっ! ~3~
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 ■ ママと過ごす時間 ■
 
 
 
 パラミタに来てからも連絡はしていたけれど、直接母に会うのは久しぶりだ。
 家に向かう道のりがじれったくなるくらい、八日市 あうら(ようかいち・あうら)は今回の帰郷を、母の八日市 かるらに会うことを楽しみにしていた。
「ママ、元気にしてるかな」
 連絡をくれる時にはいつも元気だという母だけれど、直接会っていないと不安だ。
 あうらの母はシングルマザーとしてうたらを1人で育ててきた。会社に通う内に化粧品の売り出しに成功し、その後独立して女性用化粧品等の会社を設立。それを今や年商数十億という会社に成長させた。
 そんな頑張り屋さんだから、かるらはつい無理して仕事をしてしまうことも多々。仕事にのめりこみ過ぎてやしないかと、あうらはずっと心配していたのだった。
 
 懐かしい家が見えてくると、あうらの足は小走りになった。
 鍵を開けるのももどかしく玄関に飛び込む。
「ただいまっ!」
「あうら、お帰りなさい」
 待ちかまえていたように出てきたかるらは、優しく笑ってあうらの髪を撫でた。
「少し大人っぽくなったかしら。パラミタに行くって言い出したときはびっくりしたけど、その様子だと向こうでの暮らしはあうらにとっていい経験になってるみたいね」
「うん。パラミタはすごく面白いよ。ほんといろんなことが起こるから」
 そう言ってからあうらは、でも、と慌てて付け加える。
「でも心配ないよ。パートナーの皆が居てくれるから」
「あうらが1人じゃないのは心強いわ」
「そうだ、パートナーの皆の写真を撮ってきたから見せるね」
「はいはい。でもまずは座って何か飲んだら? 疲れたでしょう」
 ずっと玄関で喋り詰めのあうらをかるらは居間へと促した。
 
 あうらは普段はパラミタで生活しているから、こうしてかるらと共に過ごせる時間は貴重だ。
 居間に行き母に空京で買ったお土産を渡してからも、あうらはあれやこれやと話し続けた。
 話したいことが多すぎて、どれだけ話しても足りない気分だ。
「あ、そうそう。これがみんなの写真だよっ」
 玄関での話を思い出してあうらは写真を見せた。
 ヴェル・ガーディアナ(う゛ぇる・がーでぃあな)をはじめとしたパートナーたちが映っている写真を指さしながら、あうらは母親にパートナーのことを説明した。
「パートナーさんには一度挨拶してみたいわね。特にヴェルさんって人にはよーくお礼を言わないといけないみたいだしね」
「うん。いつかパートナーの皆にママを紹介したいな」
 
 その日も、翌日かるらとショッピングに出掛けた時もずっと、あうらのお喋りと笑顔はやむことがなかった――。