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リアクション
ルカルカ・ルー(るかるか・るー)は、
【シャンバラ国軍参謀長】羅 英照(ろー・いんざお)を誘い、
ハロウィンパーティーの会場にやってきていた。
「世界情勢が大変ですから、団長はいらっしゃることができなかったですけど、
団長に、何かお土産話が持って帰れるといいですね」
「ああ、団長もああ見えて、
こういった行事はそう嫌いではないと見えるからな」
「めいっぱい楽しんで、
帰ったらビシッと切り替えて軍務に全力投球で行きましょう」
ぐっと拳を握りしめるルカルカに、英照がうなずいた。
そんなことを言いつつも、
いつのまにか、ルカルカと英照の会話は、
現在の世界情勢についての真面目な話になっていた。
もちろん、国軍の外、パーティー会場で聞かれても差しさわりのない範囲ではあるが。
ルカルカは、この機会にと、英照といろいろと話をできればと思っていた。
そうしていると、
ルカルカのパートナーのダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)が、
携帯を見つめ、呆然としているのに出会う。
「どうしたの、ダリル?」
ダリルの携帯には、父である、吉井 ゲルバッキー(よしい・げるばっきー)からのメールが届いていた。
ダリルは、ゲルバッキーとハロウィンパーティーに来る予定だったのだが……。
『すまない、今、緊急事態で……追われているんだ。
うわ、やめ、真理子、ぎゃあああああああああああああああああ!』
「なにをやらかしたんだ、父さん……」
ダリルは呆然とつぶやく。
ゲルバッキーは、パートナーの吉井 真理子(よしい・まりこ)に、
またなにかしでかして、とっちめられているらしい。
『追伸』
ゲルバッキーから、追加のメールが届いた。
『せっかくだし、パートナーとお互いの衣装を交換してみるのはどうだ?
ちなみに、僕は真理子の衣装を引っ張り出してボコボコにされている』
「……」
ダリルは、頭を抱えた。
「元気ないわね。そうだ、せっかくだから」
ルカルカは、ダリルに、金鋭峰の帽子をかぶせた。
「これは……?」
ダリルが、派手な帽子をかぶせられ、怪訝な表情をする。
「せっかくですから、お互いの衣装を交換しませんか?」
「パーティーの余興か。まあ、かまわないだろう」
ルカルカが言い、
英照から、予備のサングラスを受け取る。
「わあ、参謀長のサングラス、かっこいいです!
じゃあ、参謀長はこれをつけてみてくださいね」
ルカルカは、金髪ショートのウィッグを渡す。
「これがたんぽぽ頭、か」
ルカルカが、英照のサングラスをつけ、
英照がルカルカのかつらを身に着けると。
3人の周りに煙が巻き起こった。
気がつくと、ダリルが団長に、
ルカルカが英照に、
英照がルカルカの姿に、変身してしまっていた。
「これはいったい……」
「と、とにかく、バレないように行動しましょう!」
「しかし、本当にジンにそっくりだな」
ルカルカの姿の英照が、団長の姿のダリルを、
冷静に、まじまじと見つめる。
「このまま、他の団員に出会ったらどうするんだ?」
「なんとかして元に戻る方法を考えないと……。
あはは、本当に、団長にお土産話ができちゃいましたね」
「そうだな。このような経験はめったにできないものだ。興味深い」
ダリルとルカルカに、英照がうなずいた。
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