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【5周年記念】【かんたんイラストシナリオ】あの日の思い出

リアクション公開中!

【5周年記念】【かんたんイラストシナリオ】あの日の思い出
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リアクション

 
 ■ 天使と回れ ■


 とても幸せな夢を見た。
 目が覚めた後、続きを見る為にもう一度寝ようかと、真剣に考えてしまった程だった。


 リア・レオニス(りあ・れおにす)は、夢の中で、未だ女王時代のアイシャと、遊園地へデートに行ったのだ。
「アイシャは帝国に居たから、地球式の遊園地には、馴染みが無いだろう?
 公務の合間に、一緒に行こう。連れて行ってあげるよ」
「本当?」
「いつも公務を頑張っているアイシャにプレゼント」
 リアの誘いに、アイシャは、「楽しみです」と言って、すぐに予定を空けたのだった。夢は便利だ。

 片っ端から、色々な遊具で遊ぶ。
「リア、あれは何ですか?」
 アイシャが目を留めたのは、コーヒーカップの遊具だった。
「説明より、乗ってみよう」
 リアはアイシャの手を引いて、次の遊具に向かう。
 カップの中の椅子に座り、真ん中のターンテーブルを少し回してみせる。
「これを手で回すと、カップの回転が速くなるんだぜ」
「まあ」
 ぐるぐる回っていたり、カップ自体は全く回っていなかったりする周囲のカップを見て、アイシャは得心して頷く。
「じゃあ、回そうか。それっ!」
 リアはターンテーブルを回して、カップを超高速回転で回す。
「きゃあ!」
 カップに振り回されながら、アイシャは楽しそうに笑った。

 カップを降りるアイシャに、手を差し出す。
「少し調子に乗りすぎたかな」
 全力で回し過ぎた。
 カップが止まった時には二人ともフラフラで、少しの間まっすぐに歩けない程だった。
「……酔ったかも……」
「えっ、大丈夫か、アイシャ!?」
 よろめくアイシャを、リアはそっと受け止める。
「どこかで、少し休もうか」
「……大丈夫です」
 優しく笑いかけるリアに、アイシャは小さく深呼吸を繰り返して、感覚を落ち着けた。
「ごめんなさい、ありがとう」
 見上げて微笑むアイシャと見つめあい、微笑みあう。

 そこで目が覚めたのだった。


 寝返りを打ち、天井を見て、リアはアイシャを想い、願う。
 あんな風に過ごせる日が、いつか来るといい、と。