リアクション
■ タイムコントロールは用法用量を守って正しく使いましょう ■
「ふふ。ソフィーチカ、可愛いですよ」
服、お化粧、髪型。
ソフィア・ヴァトゥーツィナ(そふぃあ・う゛ぁとぅーつぃな)を、理想のコーディネートに仕上げた富永 佐那(とみなが・さな)は、満足そうに頷いた。完璧だ。
「そう、ですか……?」
どうにも勝手が違う様子のソフィアに、佐那は後ろを指差す。
「鏡を見て御覧なさい」
促されるまま、鏡の中に映る自分を見て、ソフィアは目を見張った。
「わぁ……!」
これが、自分?
「……タイムコントロール、すごい……!」
ソフィアは、ジーンウォーカーが持つタイムコントロールの能力で、大人の身体になっているのだった。
セクシーなロシア美女となったソフィアは、まるでモデルさながら。
佐那はソフィアの将来に、無限の可能性を見た。
「似合いますけど……迷いますね。
折角ですから、こちらの服も着てみましょう?」
今日は、二人で一緒に出掛ける予定をしているのだが、どうせならこの機会に、普段は着ないようなデザインを色々着せてみたい。佐那は俄然楽しくなっている。
佐那が楽しいなら、自分も楽しい。
ソフィアは、佐那が次々用意する衣装を着替えながら、保護者と子供、のような感じではなく、友人同士――あるいは姉妹のように街を歩くのを楽しみにした。