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『君を待ってる~封印の巫女~(第3回/全4回)』

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『君を待ってる~封印の巫女~(第3回/全4回)』
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第7章 夜魅を巡る戦い
「ダメっ夜魅、京の話を聞くのだわ!」
「下がれ京、暴走している」
 夜魅を中心に闇が広がっていく。
 闇は暴風を呼び、それと共にバジリスクも活性化・凶暴化していく。
 その風の中で、九条院 京(くじょういん・みやこ)は止めようとする文月 唯(ふみづき・ゆい)を振りほどき、夜魅へと必死に声を張った。
 簡単に説得に応じてくれるとは、元より思っていなかった。
 こんな状況になるとは思わなかったけれど、でも、諦めるわけにはいかなかった。
「だって夜魅、泣いてるのだわ!」
 声が聞こえるのだ。悲しいと寂しいと叫ぶ声が。
 だから、このまま放っておくなんて、放りだすなんて出来なかった。
「京は夜魅の話を聞きたい、いっぱいいっぱいお話したいのだわ」
 その、真剣な懇願に唯も折れざるを得なかった。
 確かにこの状態を放っておくわけにはいかないし。
「分かった、京は夜魅に呼びかけ続けろ。夜魅に声が届くまで、俺が京を守るから」
 だから言って、唯は禁猟区の魔法を使った。
「それにしても変だよな。夜魅を励まそうとする京達の声は届かなくて、夜魅を傷つける言葉は簡単に届くなんて」
「やっぱこうなるのかよ」
「予想通りじゃないの?」
「当たって嬉しいもんじゃないけどな」
 夜魅の感情の昂ぶりでバジリスクの制御が甘くなるかもしれない、予想していた緋山 政敏(ひやま・まさとし)カチェア・ニムロッド(かちぇあ・にむろっど)に苦笑いを向けてから、小さく頭を下げた。
「……悪い、分の悪い賭けになっちまった」
「いいよ、二人で決めた事だから。何が起こったとしても、後悔はないわ」
 それに政敏を信じてるし……とは素直に口にするのは恥ずかしかったけれど。
 多分伝わってる、そんな気がした。
「バジリスク達から皆を守る……誰も傷つけさせないわ」
「あぁ、守ろう。夜魅の為にも」
 政敏とカチュアは、バジリスクを狩る為にそれぞれの獲物を手にした。
「目が逢ったら石化? なら目が逢う前に切り捨てれば済みますね」
 橘 恭司(たちばな・きょうじ)もまた、凶暴さを増したバジリスクを大太刀で斬り伏せた。
 今まではパラミタの者だけが倒れた。
 だが凶悪にパワーアップしたバジリスクが恭司達に影響を与えない保障はない。
「なのに誰も逃げない……まったく皆、お人よしですよ」
 自分も間違いなくその一員なのを棚に上げ、自在に刀を振るう。
「……あのままでいつまでも保つとは思えません。限界が来る前に正気に戻さなくては」
 そして多分、夜魅を正気に戻すには力を削ぐ……このバジリスク達を倒すのが有効なはずだった。
「力を持ち過ぎるというのも厄介です」
 同じくバジリスクを雷術で攻撃しながら、藤枝 輝樹(ふじえだ・てるき)はじっと夜魅を観察した。
「やはり僅かですが、勢いが弱まっているようですね」
「バジリスクからの力の供給が減っているから、ですよね」
「はい。ここ以外でも、戦ってくれている筈ですし」
 だとすれば石化した生徒で回復した人もいる筈……いて欲しいと輝樹は願い。
「させません!」
 京に飛びかかろうとしたバジリスクを、光条兵器で切り捨てた。
「やはり……放置はできない」
 一方、見てとったライは銃を構えた。
「ライの邪魔はさせない!」
 合わせ、ヨツハが真人や勇からライを守ろうとし。
「……せめて、一発で」
「させないっ!」
 だが、横合いから突き出された『剣』が狙いを外させる。
「……! 何で、光条兵器が?!」
「私も、一緒に戦うよ……お姉ちゃん……」
 アリア・セレスティは光条兵器から流れ込む虹七の心に、ギュと柄を握り締めた。
「……うん、うん! 一緒に戦おう」
 そして、ライを見る。固い決意を宿した瞳と瞳が、静かにぶつかりあう。
「夜魅ちゃん1人に災いを押しつけるなんてことしなくても良い方法が、きっと……ううん、必ずあるって信じてる。試験に向かった人達が真実を見つけてきてくれるって、私は信じてる!」
 だからそれまで、時間を稼ぐのだ。信じる道を貫くのだ。
「彼女が災いと言うならば、私も共にそれを担います。彼女を救う事が罪ならば、私はそれを背負います」
 キッパリ言い切るアリアに、吹きすさぶ風がホンの少し収まったような気がした。
「どうしてそこまで、あなた達は……」
「ただ信じているだけよ。私達を、夜魅ちゃんを、そして貴方達も」
 答え、アリアは真摯な目で真っ直ぐにライを見つめ返し。
「そんなあなた達だからこそ、心配なんですよ」
 ライは距離を取り……再び銃を構えた。
「……双方、そこまで!」
 だが、両者が動こうとした瞬間、割り込んだ村雨 焔(むらさめ・ほむら)が『残月』と『白夜』……愛用の打刀と脇差とをアリアとライとに突きつけた。
「とりあえず、動いちゃダメだよ」
 更にアリシア・ノース(ありしあ・のーす)が焔と肩を並べ、少し離れた場所からはルナ・エンシェント(るな・えんしぇんと)も目を光らせている。
「ライ!」
「互いの主張も気持ちも分かるが、ここで戦っても状況が悪化するだけだ。アリアが言ってたように、今仲間が真実のために試練に挑戦している。その答えを待たずに行動を起こすのは早計だと思わないか?」
「時を待って取り返しがつかなくなったら……その方が恐ろしいですよ」
「夜魅と共存する。あるいは倒す。その答えを出すのは、真実を知ってからでも遅くはない、と言っているのだ」
 そして、焔が何より気になっているのは。
「気付かないか? 俺達が戦い合う事で、夜魅の闇が強まっている」
 焔の指摘に、思わずライとヨツハの動きが止まった。

「寂しいから? 免罪符になるとでも思ってるのか? なら、オレが怒りで貴様の首を刎ねたいのも解るな?」
 その最中だった、凍えた声が低く響いたのは。
 リュース・ティアーレ(りゅーす・てぃあーれ)は泣き叫ぶ夜魅を、その周りの暴れるバジリスク達を冷酷に見つめ。
「力の源である貴様を殺せば、大人しくなる」
 スッと剣を構えた。
 怒りはこんな事態を引き起こした夜魅に。
「勿論自分にも怒っている。あの夜、疑念に思ってないで殺すべきだった。自分の甘さに反吐が出る」
 そして、自分自身に向けられていた。
 グロリア・リヒト(ぐろりあ・りひと)シーナ・アマング(しーな・あまんぐ)レイ・パグリアルーロ(れい・ぱぐりあるーろ)……脳裏に浮かぶ、身内。
 今、夜魅のせいで石化し、命の危機に瀕している、大切な大切な大切な者達。
「女子供相手に、気安く手ぇ上げるんじゃねえ!」
 夜魅を守る! 瀬島 壮太(せじま・そうた)は【鬼眼】でリュースを怯ませ、説得を試みた。
「夜魅は長い間ずっと封印されてきて、何も知らない子供みてーなもんだ。やっていい事と悪い事の区別がついてねえ。それを教えてやる前に排除しちまうのは、賢い選択とは思えねーぞ」
 だが、怯んだのも僅か。リュースは壮太の熱弁をせせら笑った。
「力を使い、他者を害した時点でコレは子供ではない」
 その、暗い暗い底冷えするような声。
「だけどこっちも、はいそーですね、と譲るわけにゃあいかないんだよ!」
「邪魔するなら……殺す」
 躊躇はなかった。
 リュースは丸腰の壮太に剣を振るった。
「……ッ!」
 咄嗟にのけ反るが、斬られた胸元から血飛沫があがった。
「壮太!」
「……い、てぇ。だけどな、俺は倒れるわけにはいかねぇんだ。後ろに大事なモンを守ってるからな」
 思い出す、過去。
 不良のレッテル貼られて、大人達からクズ扱いされてきた壮太。
 だが、立ち直る事が出来た。
 でも一人だったらここまで立ち直る事は出来なかった。ちゃんと教えてくれる人がいたからこそ、立ち直る事が出来たのだ。
「夜魅にもきっと、そういう人間が必要なはずなんだ」
 だから、声を振り絞る。風に邪魔されても闇に邪魔されても、届くまで何度でも。
「夜魅、よく聞けよ。おまえが今やってんのは悪いことだ。その悪さを続けてたら、いつかちゃんとした実体を持つ日が来ても、周りに友達なんて居なくなっちまうぞ」
 せき込みながら、何度でも繰り返す。夜魅に分かって欲しいから。
「今はまだ分かんねーけど、その悪さをやめても実体がもてる方法を探そうぜ。せっかく可愛いんだから、そんな物騒なこと止めてもっと大人しくしとけ」
「夜魅さん、もし壮太のことがちょっとでも好きで、壮太が傷つくのが嫌だと思うなら、僕達の声を聞いて!」
 壮太の傷をヒールで癒しながら、ミミ・マリー(みみ・まりー)が叫んだ。
 暴走を続けてこれ以上誰かを傷つけて欲しくなかった。
 壮太やアリア達の為にも。夜魅自身の為にも。
『そ……た……? 壮太?!』
 不意に、夜魅の瞳に光が灯った。
 風が闇が弱まる。
『壮太!?』
「バカ、来るな!」
 正気を取り戻し、壮太の元に来ようとする夜魅を制止する前に。
「殺して下さい、とは良い心がけだ」
 リュースが冷酷に言い放った。
「あのリュースさんが『殺す』なんて事をするのか……?」
 信じきれぬまま花壇に駆けつけた椎名 真(しいな・まこと)は、常と違う……違い過ぎるリュースに一瞬、声を失くした。
「リュースさん!」
「真くんか……お前も邪魔をするつもりか?」
 唇を歪め、剣を構える友。
 大切な者の為なら修羅と化す事も厭わない……それはどこか自分にも似て。
「分かるよ、リュースさんの気持ち」
(「……京子ちゃん」)
 よぎる、双葉 京子(ふたば・きょうこ)の笑顔。
「真くん、私は大丈夫だから……今出来る最良のことをやってきて……!」
 笑顔だった。笑顔で送り出してくれた。
 だけど、真は知っている。
 預けた携帯をギュツと握る手が小刻みに震えていた事。
 当然だ。徐々に感覚がなくなっていく事に怯えない人間なんてそう、いるわけがない。
 まして京子はまだ17なのだから。
 それでも送り出してくれた。
「京子ちゃんに応える為にも、親友にそんなことをさせるわけにはいかない!」
 リュースと対峙しつつ。
「……こんな形でなく、ちゃんとした場で手合わせしたかったよ」
 真は武器を構えない。
「……ククク……アハハハ!! オレはそんなに甘くない!!」
 だがリュースはそんな真を容赦なく突き刺した。
「くぅ!?」
 咄嗟に急所は外すが、わき腹に走る灼熱の痛みと鼻につく鉄の匂い。
「ほぅ、ギリギリよけたか……だが、何度耐えられるかな」
「耐えてみせる、何度でも。俺はリュースさんを託されたんだから!」
「ハッ! 良い覚悟だ……その覚悟と共に果てろ」
 振り上げられる剣。振り下ろされるそれは、真の肩口に吸い込まれるように……。
 その、瞬間。
(「真くん、リュースさん……どうか二人とも無事に帰ってきて……!」)
 京子の願いが盾となる。
 真を守りリュースを守る為に。
 光が弾ける。
 リュースの脳裏に、愛する者達の姿が閃く。
「あの馬鹿……リュースを……止めないと……私達は、そんなこと、望んでない……」
 石化した下半身を引きずり、それでも腕だけで尚リュースの元に向かおうとするグロリア。
「リュース兄様……どこに、いるの? 独りはイヤ……そばにいて……」
 意識を朦朧とさせながら、ただひたすらリュースを求めるシーナ。
「憎しみに走って人を殺したがっている家族を見て悲しまない家族はいないわ。お願い、リュース笑って。いつものように、笑っていて」
 そして、祈りと共に真にリュースを託した……家族が罪を犯さぬよう止めて欲しいと頼んだレイ。

 バシッ!

「リュースさんを待っている人がいる……それなのに君はこんなとこで何やってるんだよ!」
 頬に走る痛みと、真の声がようやくリュースに届いた。
「彼女達が……オレを?」
「そうだよ、だから俺はきたんだ」
「……畜生、畜生、畜生ッ!!」
 では自分は、自分の行為はグロリア達を悲しませたのか。
 ただシーナ達を失うのが怖かった。なのにレイ達にも同じ思いをさせていたのか。
 とめどなく涙をこぼしながら、やり場のない怒りをぶつけるように、その辺のバジリスクを滅多刺しにするリュース。
「はいはいはい、そこら辺で止めておきな」
 そんなリュースを止めたのは、東條 カガチ(とうじょう・かがち)だ。
「気ぃ張った分、自分で思うよりダメージあるんだぜ」
 苦笑まじりに言うと、リュースと真の頬をペチッと叩いた。
 軽い一撃だったが、真だけでなくリュースもへたり、と崩れ落ちてしまう。
「何で……俺……まで……」
「喧嘩両成敗ってヤツだ。まっ、反論する元気があるなら大丈夫だろ」
「……はは……死ぬか、と、思った……よ……」
「死なねぇだろ。死んだら京子ちゃん泣くだろうし」
「……アリシア」
「はぁ〜い♪ 京子を泣かせないためにも、良い子でいてね。ちゃちゃっと治療しちゃうから」
 アリシアが真の手当てをする中、カガチは「さぁ〜てと」、と夜魅をロックオンした。
「いやー困ってるんだよねえ、ダチの嫁とか片っ端から倒れるし、うちの妹のとこもだし。こいつらなんか同士討ち始めちゃう始末でしょ、どうにかしたいんだよねえ」
『どうにかって言われても……』
「でもさぁ、これあんたが発端なんだよねえ? 始めたんなら終らせる……それが筋じゃね?」
 庇おうとする壮太達を制する。
 カガチに危害を加えるつもりはないのだ。
 ただ……やはりエヴァ・ボイナ・フィサリス(えば・ぼいなふぃさりす)の事があるから、無意識にドス入ってたかもしれない。
「おねえちゃん……って俺のパートナーのエヴァって子なんだけどね、あの子も倒れちゃったんだ。もっともっと勉強しなきゃって図書館行く途中でさあ。おねえちゃん、シャンバラ復興するんだってすっごいがんばってんの。もしおねえちゃんに何かあったらどうしてくれるの?……甘ったれるなよクソガキ」
 訂正。この人もメチャクチャ怒ってました。
「とりあえず、何とかしてみせる! くらいの気概持たないと、話にならんでしょ」
 ふぅ、溜め息混じりに……しつつも眼差しだけは真剣に、カガチは夜魅に説教した。
『……うん、分かる』
 ふと、夜魅が胸元を抑えた。
『怒りと悲しみの心を感じてる。それでいて■しい、って思ってる』
「は?……えぇとおねえちゃんが?」
『うん。何だろこれ……胸がなんだか■かい』
 再現なく流れ込んでくる力と共に。
(「夜魅にも伝わりますように」)
 流れ込んでくる『何か』。
 ■する者を思う心、大切なものを■ずる気持ち、失いたくない共にいたいという■い。
 朱里や京子、虹七達の心。
「長き封印、永の孤独……確かに独りは寂しいです」
「ルナ?」
「でも、良いのですか? 夜魅様はこのまま、手を差し伸べてくれた人たちを傷つけて……それで本当に良いのですか?」
『……ヤダ』
 夜魅はフルフルと首を振った。
『壮太がケガしたの、あたしのせい? 痛い?』
「ハッ、こんなのケガした内にはいらな……痛たたたたた、痛いぜミミ」
「あのね、夜魅。壮太が傷つくの嫌でしょ? 他の人だって、自分の大切な人が傷つくのは嫌なんだよ。大切な人がバジリスクの毒で苦しんでいるのを見るのは嫌だし、たとえどんな事情があっても、その元凶を作った人が許せないんだよ」
『……うん』
「だから他の方法を探そうよ。傷つけあうのなんて、僕はもう嫌だよ」
「強すぎる力に振り回されている今の状況は、決してよい状況ではない……夜魅さんももう、気付いていますよね?」
 穏やかに確認する輝樹にも、夜魅は小さく頷き。
「夜魅。俺はお前が傷つくのを見たくない。一人ぼっちになるお前をみたくない」
 政敏はそして、そっと夜魅の手を取った。
 時折透けるそれを包み込むように。
「皆を信じろ。絶対に助けてやる。だからお前も戦うんだ。恐怖や悲しみと。白花がお前を『守って』いたように」
『白花……御柱……?』
「夜魅さんと白花さんは本当にただ、封印するものとされるものという関係でしかないのですか?」
 ずっと抱いていた疑問を輝樹が問いかけたその時。
 偶然なのか、勇が作った写真が……白花と夜魅が並んで笑っている合成写真が、ひらりと舞い降りた。
『……だれ?』

 諦めないで。心を闇に染めないで。
 私が必ず助けてあげるから。
 いつか必ず空を見せてあげるから。

「白花さんは夜魅さんのお姉さん、ですわ」
 と、神楽 授受(かぐら・じゅじゅ)のパートナーであるエマ・ルビィ(えま・るびぃ)が告げた。
 それはキアに食い下がり聞き出した、夜魅自身も知らない隠された真実。
「やっぱりね。何かね二人、似てるなぁって思ってたのよ。一見、正反対なのにね」
 良かったね、と笑む授受に。
『■かった? どうして……? どうして、あたし……?』
 茫然とする夜魅の頬を、知らず伝い落ちる涙。
「皆が幸せになれるハッピーエンドはないのでしょうか……?」
 拭いて上げたいと伸ばした手は、涙に触れる事なくすり抜けた。
 不安定な夜魅の存在。
 そっと抱き寄せながら、アリア・ブランシュは悲しく呟き。
「あるよ、きっと。だって約束したもの」
 授受はキッパリと言い切った。
 目を閉じ、思い描く未来。
 ショッピングやピクニック、かわいい動物を一緒にふもふしたりして。
 共に在る、楽しい事がいっぱい詰まった、そんな未来を。
「世界にはつらいこともあるけど、楽しいこと、素敵なことがたくさんあるよ」
 触れ合う心で、そう伝えたのだった。