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【ざんすか内乱】ふっかつのしゃんばら【最終話/全3話】

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【ざんすか内乱】ふっかつのしゃんばら【最終話/全3話】

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■□■3■□■「志方ないですね」

再び儀式が再開されたが、その隅で、
志方 綾乃(しかた・あやの)が怪しい行動をしていた。
綾乃は、パートナーのアリス仲良 いちご(なかよし・いちご)を神子にするために、
シュールストレミング、
ホンオフェ、
エピキュアーチーズ、
キビヤック、
くさや汁、
ドリアン、
いちごジャムを入れた鍋を強火で炊いてお供え物にしていた。
「いちごちゃんが神子になればー
 一生遊んで暮らせちゃうー
 一日三食食べ放題ー
 お菓子スイーツ食べ放題ー
 札束お風呂に入りたいー
 冬はコタツでぬっくぬくー
 夏はプールでウフフのフー
 ウフフのフー」
「ぞう゛い゛え゛ば、ア゛リ゛ス゛の゛神゛子゛っ゛でま゛だ見゛づがっ゛でな゛い゛ん゛だよ゛ね゛。
 だっ゛で、い゛ぢごぢゃ゛ん゛ごぞア゛リ゛ズの゛神゛子゛だがら゛ね゛!
 い゛ぢごぢゃ゛ん゛ばお゛兄゛ぢゃ゛ん゛が
 どー゛っ゛でも゛大゛好゛ぎな゛ア゛リ゛ス゛の゛中゛の゛ア゛リ゛ズだも゛ん゛!」
怪しい祝詞を唱え続ける綾乃の隣で、いちごは言う。
無理やり着たアイドルコスチュームと結ってもらった短い髪の毛で、
綾乃にプロデュースされているのだった。
その横で、英霊袁紹 本初(えんしょう・ほんしょ)は笑う。
「フハハハハッ!!
 我が世の春が来たのじゃ!!
 わらわが神子になれば、袁家の栄光をシャンバラ全土に知らしめることが出来るのじゃ!!
 ……思えば長かったのじゃ。
 死後はわらわの偉業が過小評価され、
 ナラカからシャンバラに上がってくるまで150年も歩き続け、
 シャンバラに付いてもひとりぼっちで、
 ようやく契約したと思った綾乃は愚図でドジ、そのくせわらわを小間使いとしてこき使い……。
 じゃがそれもここまでじゃ。
 偉大なる名士の一人としてシャンバラ中にその名を轟かせ、
 今まで散々わらわをバカにした奴らを見返してやるのじゃ。
 故に合体の儀式に参加、何としても神子になるのじゃー!!」
剣の花嫁銀河 翔太(ぎんが・しょうた)は、
古代シャンバラ王国の国章が刻まれた「光条戦旗」を振って皆を応援する。
しかし、先端が刃物の光条兵器である。
「フレー、フレー、み・ん・な!!
 フレッ、フレッ、みんな! フレッ、フレッ、みんな! フレェーッ!!
 ……そういえば袁紹お姉ちゃんって、元地球人だよね。神子になれないような……」
翔太は応援中にふと思いついて言う。
「こらーっ!
 おまえら、何をしているのだ!
 その激臭の供物は何のつもりだ!
 邪神の復活はるる家(いえ)でやるのである!!
 あと、別に、英霊は魂がパラミタ側になってるから神子になれないわけではないのだよ!!」
しゃんばらだいこうやは、パニックになりつつもツッコミを入れる。
「よし、やはりわらわが神子だったのじゃな!」
袁紹は言う。
「いや、なれる可能性があるっていうだけで、神子って決まったわけじゃ……」
「せっかくいちごちゃんを神子にしようとしてるのに、余計なこといわないでください!」
しゃんばらだいこうやは、綾乃に怒られ、翔太の光条兵器で刺されて倒れる。
「あっ、どうしよう、倒れちゃったよ」
「志方ないですね」
翔太に綾乃は言う。

六本木 優希(ろっぽんぎ・ゆうき)
パートナーの吸血鬼アレクセイ・ヴァングライド(あれくせい・う゛ぁんぐらいど)は、
優希の護衛をしつつ言う。
「俺様はこういうコメディには慣れてねーんだが。
 そういえば「しゃんばら」に合体するのは分かったんだが、どういう風に合体するんだ?
 もしただひっついて、意志がバラバラだったら……儀式以前にちゃんと動けるのか?」
剣の花嫁麗華・リンクス(れいか・りんくす)は酔っ払いつつ、
大きなサイコロを示す。
「名前を書いて、出た目の人が神子だったことにするのはどうだろう。
 アタシは昔の記憶は殆ど無いがね……何か、女王が以前この方法で
 誰かを神子にしたという覚えがほんのりとある。
 だから問題ないと思うぞ……多分」
麗華は、こっそり自分の名前が出やすいように細工していた。
フレデリカ・レヴィ(ふれでりか・れう゛い)は、
憤りつつ、皆を説得しようとする。
「大ババ様の言うように神子ってシャンバラの運命を左右する存在なんでしょ?
 「面白そうな奴」って理由で決めちゃっていいの?
 大ババ様の遺志を継いで真面目な理由で決めさせなくっちゃ!」
パートナーの剣の花嫁ルイーザ・レイシュタイン(るいーざ・れいしゅたいん)はツッコミを入れる。
「大ババ様は亡くなってませんってば。
 そもそも殺しても死ぬような方ではないでしょう?
 神子はシャンバラの運命を左右する存在なのに不謹慎じゃないですか?」
「そうじゃぞ、私は死んでおらん!
 ……殺されても死なないというのは事実じゃが、なんだか腹が立つのう」
アーデルハイトは言う。
「じゃあ、ルイ姉が神子になってもいいってこと?
 それってさ、もしルイ姉が神子になったら私が光条兵器を華麗に扱う
 スーパーヒロインとして大活躍しちゃうようなルート、できちゃったりするってことかな?
 そしたら兄さんみたいな素敵な人と心暖まるハートフルな展開になっちゃうかも!?」
「フリッカ! 貴方までなんですか!
 それに「ルート」ってなんですか「ルート」って。
 しかも「心暖まる」と「ハートフル」って意味、同じでしょう?
 もっと真剣に考えなさい真剣に!
 ほら、校長先生と大ババ様も何か言ってやってくださいよ!」
「なんでもいいから早く神子決めなさぁい。飽きてきましたぁ」
「大ババ様と呼ぶでない! まったく、どいつもこいつも……」
エリザベートとアーデルハイトはルイーザに答える。
しかたないので、ルイーザは自分でなんとかしようとするが、
だんだんブチ切れて、顔は笑顔だがとても恐い状態になってきた。
「る、ルイ姉、怖いよ……」
フレデリカは逃げ出そうとする。
如月 正悟(きさらぎ・しょうご)は、儀式に参加して思念を送り続ける。
「神子になって色々なシナリオで活躍できますように!
 あと、モテモテのリア充になれますように!
 嫉妬団から卒業できますように!
 そしていま存在するリア充はセルフ爆発しろ!
 そしていま存在するリア充はセルフ爆発しろ!
 そしていま存在するリア充はセルフ爆発しろ!
 そしていま存在するリア充はセルフ爆発しろ!
 そしていま存在するリア充はセルフ爆発しろ!
 そしていま存在するリア充はセルフ爆発しろ!
 そしていま存在するリア充はセルフ爆発しろ!
 そしていま存在するリア充はセルフ爆発しろ!
 そしていま存在するリア充はセルフ爆発しろ!
 そしていま存在するリア充はセルフ爆発しろ!
 そしていま存在するリア充はセルフ爆発しろ!
 そしていま存在するリア充はセルフ爆発しろ!」
正悟は叫びながら血の涙を流し続ける。
パートナーの剣の花嫁エミリア・パージカル(えみりあ・ぱーじかる)は慌てる。
「もう、この子はまた何やってるのよーっ!」
エミリアは、ルミナスメイスを振りかぶると、正悟をぶん殴った。
「り、リア充はセルフ爆発……し、ろ……」
正悟は気絶する。
「し、失礼しましたー」
エミリアは正悟を引きずっていく。
夜薙 綾香(やなぎ・あやか)は、儀式を見回して言う。
「地祇たちの儀式を見物させてもらおう。
 シャンバラの地祇、その力も見てみたいしな。
 今回の儀式は、その様子をメモを取って魔力の流れや変調など、
 取れる限りのデータは取っておく……もしかして、何かの役に立つかも知れんし。
 今回のデータは、後でまとめて、アクリト学長に提出しておこう」
パートナーの英霊メーガス・オブ・ナイトメア(めーがす・ないとめあ)は言う。
「地祇の合体に神子の覚醒……ふ、面白い機会に居合わせる事が出来たものだな」
「メーガス、お前は神子だったかもしれないと本気で思っているのだな?
 そもそもお前の自由設定、英霊としてはイレギュラーもいいところだと思うのだが」
「何を言う、綾香!
 悪夢の王たる、この我に神子の資質が眠っているかも知れないだろう!?
 まぁ確かに、夢の集合体にして悪夢の管理者の英霊である設定は
 イレギュラーである事は認めるが……
 だがその程度は些細な事、大事の前の小事と言うものだ!
 イドの根源たる我の中では、個々の性質を統合しているから問題あるまい!
 そも、この設定が公的に問題ないかを問う良い機会でもあろうが!
 まぁ……地祇どもの思惑など誰にも掴めまい。
 なれば、思うが侭に突き進むのみ。
 ……我がヒロイックアサルト『オリジン・ナイトメア』でも披露してみるか?」
ルイーザは、神子のことで騒いでいる周囲に怒っており、
顔は笑ったままの恐い状態で、メーガスに言う。
「でも、ヒロイックアサルトって攻撃力あがるだけでしょ?」
「う、うるさい!」