|
|
リアクション
■□■4■□■ 宦官静香の配下達
未来の咲夜 由宇(さくや・ゆう)は、
吸血鬼の人格が支配して、元の人格が完全に消え、悪人になっていた。
(この世界は案外吸血鬼にとっては住みやすいのう。
いくら吸っても捕まらんし、ククク。
童が表に出たからには
今までのように甘っちょろいことはやってられんしのう。
もっと静香を利用して権力を手に入れねばじゃ)
男の娘ではないが、十嬢侍のメンバーになった、
未来の由宇を見て、現在の由宇は驚く。
「未来の私は、きっと皆を幸せにする
ミュージシャンになってると思っていたのに……。
こんなことはやめてくださいですぅ!」
「ククク、そのようなこと、聞くと思うのか?」
「こうなったら、戦うしかないですぅ!」
現在・由宇は、未来・由宇を止めようと戦闘を始める。
「それに、そもそも、私は女の子なのに、
どうして十嬢侍になれたんですかぁ!?」
「そのようなこと、些細なことじゃ!」
現在・由宇のツッコミに、未来・由宇は答える。
★☆★
未来の二色 峯景(ふたしき・ふよう)は、十嬢侍の下士官になっていた。
「ふふふふふ、この十嬢侍が一人、
【百合園不敗】が、
貴様らを倒してくれよう!」
未来・静香のカリスマ性に心酔した峯景は、宦官となり、
漆黒の女性用軍服をまとい、
他の宦官たちを率いてレジスタンス、
主に張角達を鎮圧する任を請け負っていた。
「まさか俺が宦官になっているとはな。
しかし女装した俺もなかなか悪くないな……。
だが!! 少しやりすぎだ」
現在・峯景は、未来の自分を止めようとする。
張角に頼んで、ゴブリンやオークの一部隊を貸してもらった現在・峯景だが、
未来・峯景と配下の宦官部隊との苦戦を強いられる。
「くっ、レジスタンスの一斉蜂起が成功していれば……」
現在・峯景は言う。
★☆★
天代火法 心象以南(あましろかほう・しんしょういなん)は、
自分と同じ趣味であることが予想される未来の自分をおびき寄せるため、
眼帯や包帯、血糊の付いたナイフ等を地面に置いていた。
(我輩が、宦官にされてしまうなんて……。
きっと我輩はあとから思い出して
身悶えするような痛いセリフを言いまくっているはずです。
とにかく、
黒歴史増殖機になった未来の我輩は自分でなんとかしないといけません)
「くっ右手の封印が疼く……」
自分の台詞に酔いしれながら、未来・天代が、包帯を発見して右腕に巻きつける。
「今すぐに右腕に巻きつけてこの疼きを収めなくては」
そこに、現在・天代が飛び出す。
(痛々しいセリフを……即刻止めないといけませんね!)
「我輩は死の機関『心術血塊』の代行者、貴殿を浄化する!」
現在・天代は宣言する。
取り押さえられた未来・天代は叫ぶ。
「我輩を倒しても第二第三のファンケル・ゼロがお前を破壊する!」
「誰がファンケル・ゼロですか!
だいたい、我輩は女なのにどうやって宦官になったのですか!」
「暗黒の儀式において、
宇宙のシステムにアクセスし……。
『法則』を『破壊』させることで、
三十五次元の裏側に到達が可能になったのだ……」
「意味がわかりませんよ!」
現在・天代は、未来・天代を殴る。
「私ももしかして、同じような方法で!?」
「そんなわけあるか!」
現在・由宇に、未来・由宇は答える。
★☆★
正体を隠すため白銀色のパワードスーツに身を包んだ
現在の支倉 遥(はせくら・はるか)は、
未来の自分、十嬢侍の一人、【清々しき支倉】の
「生き別れの腹違いの妹 支倉 悠」を自称して接近し、協力していた。
(キャラクエ「平行宇宙の覇者」で
何度もほかの世界の自分を殺している私に、
この世界の自分を殺すのにも何の躊躇いもありませんが、
そこも未来の自分に読まれているでしょう。
未来の自分は既に生きることに疲れた「敗残者」です。
如何に栄華を極めようとも心が死んでいる
自分を見るのは忍びないですが、
まだ殺すときではありません。
時が来るまで情報を収集しつつ力を貸します)
現在・遥は、狂気を装い、
現在・静香達と戦う。
「お手伝いしましょうか? ただし皆強制去勢だ!」
未来・遥は言う。
【清々しき支倉】とは、
指パッチンで去勢するという、
処理の手際のよさからついた渾名(あだな)である。
また、生物・無生物問わず踊りながら指パッチンひとつで真っ二つにしてしまうのだった。
白のスーツに身を包み短めのタイトスカートをはき、
黒いスモークレンズの入った三角サングラスをかけた【清々しき支倉】は、
一見、白ずくめの秘書風の姿である。
「校長、この時代には18歳を過ぎていただろうか?
18歳以上なら真っ二つ、18歳未満ならその場で宦官にしてくれよう!」
「ど、どっちもイヤです!」
【清々しき支倉】は、少年狩りを日課にしているのであった。
迫られる現在・静香は涙目で言う。
★☆★
「男の子は全員、フリフリの服を着るといいですわ!」
未来の狭山 珠樹(さやま・たまき)は、
十嬢侍メンバーとなっていた。
しかし、実際には、宦官のふりをしてイルミンからのスパイであった。
静香が宦官になった理由を密かに探っているのだった。
身体的にはあまり変わっていないため、裸にならなければバレないし、
声も変わらない。
沈没前は、「自由女装同盟」という、
「男が女の子の格好をして何が悪い!」的な地下組織を率いて
レジスタンスをしていたが、神化した静香に敗北したのだった。
(【清々しき支倉】様に、
過去の静香様が宦官にされてしまいますわ!)
珠樹は、内心で焦る。
★☆★
現在のファタ・オルガナ(ふぁた・おるがな)は、
未来の自分ともども、未来・静香に味方している。
「ダーク静香様、
宦官とすることで静香様のように高潔な存在になれるはずじゃ!
いまこそ、『パラミタ男子総宦官化計画』を!」
未来・ファタは言う。
「ふふふ、ただ殺すよりも、
僕と同じ苦しみをこいつらに味わわせてくれよう!」
未来・静香の目が光る。
「大宦官静香様は、
パラミタから男子をなくし、
ロリの楽園を作ると仰せになったぞ!」
現在・ファタが、未来・静香の発言を、思いっきり曲解して伝える。
「ロリの楽園を!
おなごと宦官しかおらん世界なら、
男の競争相手が減って、
ロリハーレム作り放題じゃよ!」
未来・ファタは言う。
「世界をロリと外見ロリだけで埋め尽くすのじゃ!」
現在・ファタがアジる。
「ファタちゃんは、現在も未来も悪い人になってるですー」
現在のヴァーナー・ヴォネガット(う゛ぁーなー・う゛ぉねがっと)は言う。
★☆★
「おらおらおらおらぁっ!」
現在のラルク・クローディス(らるく・くろーでぃす)は、
張角に協力を申し出て、宮廷の地図も入手して、
先陣を切って攻め込んできた。
しかし、現在・ラルクの前に、
未来・ラルクが立ちはだかる。
「獲物は……俺の獲物はどこだ……」
「うおっ!?
どうしちまったんだ、未来の俺!?」
現在・ラルクは、未来・ラルクを見て驚く。
静香の用心棒になった未来・ラルクは、全身血まみれであった。
恋人の砕音が、
ラルクや他の者達をかばって、爆発に巻き込まれて生死不明となってから、
未来・ラルクは変わってしまった。
砕音を失ったと思ってダークサイド落ちし、力だけを求める修羅となっているのだった。
力のためなら、悪魔にも魂を売るような性格となっている。
「力だ……力を寄越せ!!」
「少しは頭冷やせ、未来の俺!!」
現在・ラルクは、ドラゴンアーツを使い、格闘で戦う。
★☆★
「先輩っ!」
現在の幻時 想(げんじ・そう)が、
現在のプレナ・アップルトン(ぷれな・あっぷるとん)の元に駆けつける。
「静香校長を、一緒に守って!」
現在・プレナに言われ、現在・想はうなずく。
★☆★
未来の朝霧 垂(あさぎり・しづり)は、
教導団第四師団の武装メイド部隊を率いて、隊長として先陣を切って静香に攻め込む。
「昔のお前はこんなことをする様な人物ではなかったはずだ。
目を覚ませ! 桜井静香!!」
未来の垂は、現在の垂に、振り返り、言う。
「……未来がこんな状況で絶望したか?
でもな、まだ救える可能性はあるんだ。
……頼む力を貸してくれ」
「ああ、そのために来たんだからな」
現在の垂はうなずく。
★☆★
未来・静香の背後には、
未来のコトノハ・リナファ(ことのは・りなふぁ)がいた。
未来・コトノハは、
闇龍や影龍が復活し、
影龍の心である夜魅の力が暴走しそうになったところを
コトノハが抑えるも、
コトノハ自身にも影龍の力が浸食し、
自ら禁猟区で封印して、その状態で未来の静香の後ろに安置されているのだった。
いつ目覚めるかとても不安な状態である。
未来・コトノハは、不気味な鈍い地響きのような音を響かせている。